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Cappuccino 日記(2001/1)

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1/1

21世紀の始まりであるところの、2001年1月1日が平穏にやってきた。
しかし、今世紀の未来を暗示するかのように、小雨がパラつく曇り日・・・。
なんとも不安定な天候で、作業のしづらい日である。

何もできんな〜、と思っていると、昼を少し過ぎる頃になってから
少し陽光が射してきたので、これを絶好のチャンスとばかりに
オープンにして、初ドライブへと繰り出す。

どこに行こうか?と悩むまでもない。ドライブコースはもちろん「宇治」。
いつもの裏道を通り、天ヶ瀬ダムより繋がる宇治川ラインに出る、いつもの道。
小雨が降ったせいで、路面はハーフウェットになっている。まだ乾いていない。
新しい足の特性をほとんど理解していない現状を考えれば、まだまだ無理は禁物。
おもいきり速度を落とし、考えられる最上級の丁寧さで、長坂峠を登って下る。
その前半戦(?)の、強い登りの途中にあるヘアピンカーブにさしかかる。
ここは、ウェット路面では後輪がおもいっきり滑ることで有名(?)な場所。
とにかくリアが出たがる足ということまではわかっているということもあり、
今までにないぐらいにゆっくりじっくり登っていくが、案の定
途中からリアがグリップを失い、空転を始める。
そのまま流れだすかな?と思ったが、これが面白いことに
無駄に流れる様子はまったくなかった。速度を落としていたことも
あるだろうが、アクセルの踏み込みに対して真っ直ぐ進もうとしている。
普通なら、ここから横向きに出ていこうとするモンなんだけど・・・。
ともあれ、流れ始めはけっこう早いものの、そこから後は
大変に安定しているような印象も受ける。うーん。まだ、よくわからない足。
ますます解らなくなったので、よりスローイン&ファーストアウトを心掛ける。

志津川沿いの道を南下。交通量がまったくない直線路の部分で
強いブレーキを踏む。フロントのロック限界がかなり高く、また
大変に解りやすいことがわかったが、油断は禁物。用心して走行。
その途中、フロントガラスにポツポツと付き始める水滴。
ああ、雨か・・・と思っていたのだが、なにやら様子が違う。
降ってきているものが、白い。雪か?しかし、雪にしては
ボディーに当たるときの音が軽やか・・・ああ、雹だ。雹が降ってきた!
うわっちゃ、これは、路面が大変に危い状況になりそうな気が?
よりによって、天ヶ瀬に向かう最中に・・・気をつけよ ^_^;

幸い、天候の崩れはこれ以上になる様子もなかったため
そのまま、引き返さずに天ヶ瀬ラインに出て、走行を開始する。
先行車が数台居た表コース部は、比較的ゆっくりしたペースで走る。
表コースに数個あるタイトコーナーで、足回りのクセを見直してみる。
ターンインは素直に頭が入っていくが、脱出に向けてアクセルを踏み込むと
微妙にリアが外側に逃げていく感触が、なんとも気持ち良く、また、恐い。
アクセルを踏みきるまでの範囲における「安全挙動圏」は、かなり広そうだが
やっぱりまだ、限界点において、ズルズルいくのか、ズルルルッといくのか
もうひとつわからないなぁ・・・。リア下がりの車高になっているはずなのに
この弱オーバーさ・・・う〜ん。プリロードを見直してみるか。

ユルユルっと表コースを抜け、そのまま裏コースへ。
流石に、元旦からはトラックは走っていないので、空気も澄んでいて気持ちいい。
だいたい 90km/h ペースぐらいに抑え、徹底したスローイン&ファーストアウトで
ゆっくり走っていく。グリップに不安な感触は受けなかったが、高速コーナーでの
ロール感にちょっとだけ不安な感触を受けた。車高を見直さねば。

なんてことを考えながら走っていると、裏コースを始まって
すこし走ったところの左カーブ手前の対向車線で、
外側の溝に前後とも車輪を落としたらしい、青い FD を見かけた。
あらっ、助けなきゃ?と思ったが、FD を引き上げられるようなパワーは
ウチのクルマには無いことと、FD の直ぐ前に BMW が止まっていて
それがどうも仲間のクルマっぽいことがわかったので、そのままに。
ちなみに、その左カーブから先は、緩いS字の複合カーブが続いている。
おそらく、緩いS字カーブがいつまでも続くと誤算したのだろうか。
最後に構えていた急な右カーブを曲がりきれず(路面はウェットなので)
どアンダーを出して、そのまま側溝にはまってしまったというパターンか?
そういえば、2年前の今頃の天ヶ瀬で、同じようなことになったクルマを見たな。
この時期の、ウェットの天ヶ瀬は大変に危険であることを、改めて確認。

いろいろと感触を確かめつつ、1.5 回ほど往復してから
曽束大橋を渡り、いつものように、二男木幡峠を越えて帰宅。
その途中を構成する、大変に細い峠道でのこと。
きつい右カーブに、思いっ切りオーバースピードで突っ込んでいったと
思われる白いセダンが、直線的にコースアウトして、カーブの中間にある電柱に
真っ正面から衝突して、くちゃくちゃになっている姿を見かけた。
そのカーブは大変に狭い地点&数少ないすれ違い点なので、邪魔だなぁと思いつつ
犯人(?)の姿を探してみるが、そのようなものは全くない。車内にもない。
どうも、随分と前に事故を起こしたまま、放置してしまったものと思われる。
おいおい、なんだよなんだよ・・・。そりゃないだろ・・・。
事故するのはしょうがないけど、後始末ぐらい
ちゃんとしろよな・・・。

ブーたれつつ、帰宅。

1/2

一年の計は、元旦にあり。

今年のクルマ関係の目標。

1. アゼニスを完全に使いきって、Sタイヤを購入。
2. TTW に参戦して、身の程を知る。
3. できれば、公式戦にも参戦して、身の程を知る。
4. エンジン、およびエアコン回りなどのオイル漏れの完治。

以上!

1/4

正月休み最終日といえば、温泉紀行・・・
というわけで、両親を連れて、EP82 にて奥道後の温泉へ1泊旅行。
この EP82、普段はお買い物カーとして大活躍しているため、上が回らない。
吹け上がりは大変に軽いのだけど、いかんせんパワーがなく、加速しない。
果たして彼は、高速道路で、必要充分な動力性能を発揮できるだろうか?
この旅行を通じて、ふたたび「回る」エンジンとして復活できるだろうか?

京都→松山のルートだが、ここはオーソドックス(?)に

名神 → 中国 → 山陽 → 西瀬戸自動車道 → R317 → 道後

を、選択。普通車ならば、通行料金は片道 \12k 程度となる。
距離にしては矢鱈に高価につく感じがするが、それもこれも
本州と四国をつなぐ橋の通行料金が、大変に高いせいだ。
どうせ税金投入するんだろうからさ〜もっと安くしようよ〜。

朝の8時過ぎに自宅を出発し、京都東 IC から名神高速に乗る。
京都東〜京都南間の工事がチンタラとして進まないせいで、全体的に
混みあった雰囲気のする、名神高速道路。さっさと工事しろさっさと。
合流完了後、後ろにペッタリとくっついてきたトラックを避ける意味もあり
早速 120km/h ぐらいまで加速してみるが、エンジン音が猛烈にうるさい。
「ぎゅあああ〜ん」という、安物の E/G オイルを入れたときのような音。
とてもじゃないが、その速度で走り続けようとは思えない騒音を発する。
こりゃあダメだなぁ・・・。今日は、両親が乗っていることもあるので、
100km/h 維持程度の走行で慣らしつつ、ゆっくりと西へ向かうことにした。

懸念していた中国道宝塚 I.C. 付近での渋滞もなく、クルマは
快適に西へ西へと進む。それはあまりにも単調で、大変にツマラナイ状況。
なので、最近ますます興味が湧いてきた「オービス情報収集」で、時間を潰す。
この速度(制限速度遵守)で走っている限りは安全なので、緊張感は無い。
車線変更で後続のトラックから逃げつつ、道路脇の警告看板を重点的にチェック。
宝塚 IC を過ぎてトンネルを抜けたところの H システム以外、中国道は変化なし。

やがて、何もない山陽道に入り、相当な距離を走った頃、防音壁に囲まれた
長い右カーブのある場所で、「自動速度取締機設置路線」の看板を見つける。
やっと来たね〜と思い、速度計を確認したのち、頭上を凝視しながら走る。
やがて、ご本尊のオービスが見えてくる。片持ち式のアームに、こぢんまりと
2基のカメラらしき物体が設置されているオービス。これは・・・。
速度を落として、路面をよく見る。話に聞いていたとおり、オービスのカメラの
寸前の路面に、短い横向きの白線が2本引いてある。これが計測点を示す。
ということは、間違いないな・・・。LH だ。CCD カメラ+ループコイル。
レーダー探知機では発見不能なタイプ。こんなもんが、ここにあったとは。
今まで全然気にしたことがなかった。他にもあるかも。用心していこう。
しかし、そんな懸念を嘲笑うかのように、岡山道との分岐寸前のところまで
次のオービス(を示す看板)が現れることは、なかった。兵庫西部には少ない。
オービスよりむしろ、急に降り出してきた雪のほうが、恐怖を誘う ^_^;
福山 SA で一休みしてから、福山西 JCT で山陽道と別れ、しまなみ街道へ。

しまなみ街道は、制限 70km/h。景色を楽しみながら、制限速度で走る。
橋上以外で追い越しできる道ではないが、後続車も煽ってこないのでラクチンだ。
しかし、追い越し車線を橋上”だけ”に作るってのは、あまりに危すぎないか?
遅い前走車を一気に抜き去ろうとスピードを上げたクルマが、突風に煽られたら?
それでもし事故が起こったとして「運転手のスピード違反」だけが原因と言える?
”追い越し車線”が、防風壁も無い、橋の上”だけ”に作られているんだよ?
制限速度がどうこう言う前に、この杜撰な道路の設計を改めてくれない?
ねぇ、国土交通省の「お役人」さん。

静々としまなみ街道を渡り、今治の市内に降りて、ガス補給。
悪態をつきつつ、大変に走りにくい今治の街を抜け、R317 をひたすら南下。
都市間を結ぶ立派な田舎道であるところの R317。昔の地図では、今治〜松山間は
山岳部で完全に分断されていたのだが、最近の地図でようやく繋がったようだ。
今治〜松山間は海沿いの国道しかなかったので、これは大静脈ってところか。
ま、こんなところにはオービスはないし、オマワリも居ないでしょう・・・
なんて思って気楽に走っていたら、途中にある某トンネルの中にある
対向車線の待避所で、不自然に待機している白バイを見つけてしまった!
なんてこった、取締なんてやってそうにない田舎道なのに、なんで
トンネルの真ん中地点で、「白バイ」が待機しているんだ?!
入り口より手前にはサイン会場は無かったし、抜けた後にも会場は無い。
つまり・・・あれか、流しのスピードスター・キラーってところか。

幸い、今回はほとんど速度を上げていなかったからよかったようなもの。
これがカプチーノでの遠征だったとしたら、きっと今頃は・・・(悪寒)
いままでの、速度取締に対する常識を、根本的に引っくり返す必要のある
トンデモナイ出来事だった。まさか、あんなところに・・・。
ああ、恐るべしは道後、恐るべしは愛媛の街なり・・・。
(ちなみに、この取締情報は、”ニューねずみ”に載っている)

そんなこんなで驚いたりしているうち、やがて奥道後ホテルに到着。
温泉に入り、飯を食い、睡眠。オヤジの爆音イビキ&歯軋りに悩まされる。
全然眠れない。一人楽しそうに眠るオヤジ。くそう ;_;

1/5

イビキのために 30分毎に起こされた、昨晩。
野営地で、見張りのために交互に起こされたようなモンだ。疲れが取れない。
それでも6時過ぎには起床し、8時過ぎ頃に、温泉を出発して帰宅の途に。

充分に暖機を行なったのち、R317 を下る。
とりあえず、松山道に乗ろうかな・・・。松山市街を西に進み、
県庁よりも少し手前の交差点を左折。道は緩やかに右折。
朝の光を受けて動き出した松山の町並みを眺めつつ少し走ると、
やがて小坂交差点に行き当たる。ええっと、どっちだっけ。
地図をよく見ていなかったので、左折して R11 を南下。しばらく走る。
対向車線は、通勤ラッシュのクルマで大渋滞。ピクリとも動かない。
こりゃあ大変だ・・・などと暢気に思っていたが、なにかおかしいことに気づく。
位置関係的には、そろそろ松山道の IC を示す標識が出ていてもいい頃なのに。
はて、間違えたかな?日産のディーラーの辺りでクルマを止め、地図を見る。
あっ・・・。松山道の IC がある道路は、1本西側の R33 だ・・・。
どうやら、R33 と R11 の間の住宅街を横切ることはできそうだったので
ざっと地図で目処をつけてから、少し R11 を戻り、県道 190号で R33に出る。
そこから少し南下して、無事に「松山道 松山IC」へと出る。ナイスリカバー。

松山道を「高松」方面(=すなわち東方向)に進む。
だだっ広い平野の中を、一直線に突っ切るかたちで走っている松山道。
基本的には、対面通行の有料道路。湖西道路みたいなモンだ。
ただ、数km おきに、思いついたように2車線の部分が作られていて
そこは追い越し用車線として使われている。
この部分に取締用のレーダーが設置されていたらヤダなぁ、と思いつつ
路面が濡れ気味ということもあり、制限速度をキッチリと守って走り続ける。

ダラダラと走ると、やがて道は平野を離れ、少し山間に入り込んでいく。
トンネルを幾つか抜け、いよ小松 IC を過ぎたところにある石槌山 SA で停車。
トイレ休憩を挟んで、Navin'you に登録しておいたオービスの位置を確認。
それによると、少し先の対向車線側にレーダー式オービスが存在するらしい。
それ以外には、マーキングは無い。しかし、このデータは2年前の古いものなので
きっと新設されているはずだと思う。よ〜く用心して、走行する。

予告通り、対向車線側にレーダーを発見。データーの信憑性を確認する。
では、こちら側の車線はと言えば・・・いまのところ、追い越し車線開始点に
N システムがあった程度だな・・・と思いながら、新居浜 IC を過ぎる。
この辺りからは、車線数も2本に増え、いっぱしの高速道路という雰囲気だ。
そこで目に飛込んでくる、「自動速度取締機設置路線」の看板。
おっ?むむっ、やっぱり、このあたりにオービスが新設されているぞ・・・
用心しながら走る。果せるかな、看板を2つ越え、やや進んだところの直線路で
片持ち式のアーム上に設置された小柄なオービスが、こちらを睨んでいる。
ん?まさか・・・と思いつつ、速度を下限値ギリギリの 50km まで下げ、
ゆっくりと路面を観察すると、やはりそこには、短い白線が2本。
ここも LH システムだな・・・。

そこから先、川之江 JCT までは何も無し。有人取締すら、無し。平和。
徳島道は全面開通したそうなので、川之江 JCT で高松道から別れ、
高知道に入り、そこから直ぐの JCT で、徳島道へと入っていく。
同行するクルマは、1台も居ない。カーナビの地図では、まだ徳島道は
開通しているようには書かれていないから、皆こちらを選ばないんだろうな。
ダメだよみんな、ナビの地図だけ見て運転してちゃ。五感で走らないと。

雪がパラついていたので、こちらでも制限速度で走行。
徳島道も、松山道の始点付近と同様、対面交通の有料道路的雰囲気。
時折作ってある追い越し車線を兼ねた4車線部。やがて、全域に広がるだろう。
そんな感じの道なので、終点の徳島まで走っても、オービスは発見できなかった。
覆面パトぐらいは居るかもしれないが、無人取締の危険はなさそう。

徳島 IC から再び R11 に降り立ち、市街地に舞い戻る。交通量の多い4車線路。
R170 の八尾以南、とでも言えそうな雰囲気のする、大変に開放的な道路。
そこを少し上ったところにある神戸淡路自動車道・鳴門 IC に向け、北上。
途中、オヤジナビの指示に従って R28 に迷い込むハプニングがあったが、
県道40号を伝って R11 に復帰。これは不幸中の幸いで、この間違った行動により
迂回した区間に存在していた H システムを、回避することができたのだった。
どちらにしろ速度は出していなかったが、回避できたのは無上の喜び。

神戸淡路鳴門道に入り、横風 40km/h 規制をバカ正直に守りつつ
鳴門海峡を渡る。その直後にある淡路島南 PA で一休みし、気合いを入れてから
淡路道を北上・・・しようと思ったが、この PA を北向きに出て直ぐのところで
「自動取締・・・」の看板を、発見してしまう。チラッと速度規制の看板を見ると
そこには「普通車 100km/h」の文字が。その速度に合わせた走行を維持。
やがて、目の前に現れたオービス。観察すると、これもまた LH システム。
なんだか腹が立ってきたので、通過時、じーっとカメラを睨んでやる。
すると、レンズの中が、うっすらと赤く見えた。撮影時のフラッシュ光ではない。
うすボンヤリと、フラッシュ装置内部のリングが見えたのだ。この時間の天候は
かんかん照りだったので、クルマのボデーの反射光を受けて薄く光ったのか?
・・・それとも、LH システムは、N システム的要素も兼ねているのだろうか?
最後の可能性が、一番ありそうで恐い・・・ ^_^;

そこから先、覆面と PC とオービスに注意して淡路島内を走行するが、
オービスは1台も存在しなかった。北淡の SA で休憩してから、明石大橋を渡る。
長かった四国の旅も終りを告げ、いよいよ本州へと舞い戻る。
そこから先は、もう何度も通っている道・・・。
垂水ジャンクションを越え、制限速度の移り変わりに注意しながら速度を調整。
この前、神戸淡路鳴門道の神戸西料金所手前のカーブの直前の路肩部分に、
レーダーを積んだ PC が止まっているのを発見したせいで、少し慎重(笑)

そのまま三木 JCT まで走り抜け、そこから山陽道に戻り、中国道に戻り
名神まで一気に駆け戻る。夕方というには少し早すぎるぐらいの時間のため
まだ、どこにも渋滞らしい渋滞は起きていなかったことは、大変に幸いだった。
名神を北向きに掛け上がる最中、電光掲示板にて、八日市〜関ヶ原の上り区間で
積雪による渋滞が起きている、という表示が行なわれているのを見かけた。
我々が高速道路を降りるのは京都東だから、全然無関係だな〜と思いつつ
一番最後にある桂川 PA に立ち寄り、トイレ休憩。
トイレを済ませ、建物から出て案内看板を見る。そこでは
多賀 SA と伊吹 PA に設置された監視カメラの映像が、街頭 TV に映っている。
同じ頃にトイレから出てきたオヤジとともに、その「真っ白」な画像に見入る。
真っ白になった路面には、怒りの静まった蟲のようになっている自動車が
列をなし、静かに止まっている。動いているものは、何もない・・・。
ああ、北に行かなくて、よかったなぁ・・・。

というわけで、無事に京都東を降り、何事もなく帰宅。
旅行ミッションを完了した。

えー、反省会。
今回の旅行で見つかった全ての新オービスが、検知不能な LH である
ということに、大変に薄気味悪い印象を受けた・・・。
今後、豪雪地帯と市街地以外では、LH システムばかり新設されるのか?
するってェと、従来型のレーダー探知機は、どんどん無力化していくのか?
有効な対策を打つためには、絶え間のない観察が必要だな・・・。

ところで、足で稼ぐ調べモノって、大好きなんだよね・・・。
これは、趣味と実益を兼ねそうなこと必定!ということで、
今年は「オービス徹底研究の年」とすることにした。

帰宅後、まずは本屋に行って、Option のオービス本を立ち読み。
帰りに発見したオービスは、記述したものが全てだったようだ。ひと安心。
今回は、ずっと抑え込んで運転したため、たまたまオービスを見逃したとしても
致命的なこと(=赤キップを切られること)には成らなかったろうが、、、
幸運はいつまでも続かない。今後は、よく用心して走ることに決めた。

1/7

旅行の疲れが取れない。
全ては、オヤジのイビキ攻撃による睡眠不足の所為・・・
アイマスクと耳栓は、車中泊以外でも必須のアイテムと痛感。

なんとか午前中に起き出し、クルマにショック一式を積んで、街へ出る。
ショック一式とは、GABショック+スズスポ/タナベバネ一式のことを指す。
某氏へ売却することが決まったので、年明けに荷造りしておいたモノだ。
まずは、近所の猫の集配所に出向き、コイツの発送作業を完了。
総計 20kg ぐらいで、送料は \2.5k程度。安いなぁ ^_^;

その足で本屋まで向かい、Opt. 誌のオービスマップを購入。
さらに、隣接するホームセンターに出向き、EP82 用エンジンオイルを物色。
基本的には街乗り用なので、別になんでもいいんだよなぁ・・・と思いつつ
売り場を見て歩くと、Mobil ブランドで 4L \980 ってのがあった。
これは・・・大変に安くつくから、いいなぁ(笑)
キャッスルのクリーン SJ で 4L \2100強 だから、半額で済んでしまうにゃあ。
といった感じ。でも、自宅にはまだ余剰在庫のオイルがあるので、買わない。
その代わりと言ってはアレだが、ドレンボルトのガスケットだけ、購入する。

ついでに、いろいろ悪さするための材料などを買い込んでから、帰途につく。
帰り道にある GS にて、ひさびさ(3週間ぶりぐらい?)にガソリンを補充。
燃費計算をしてみるが、約 11km/L と、大変に悪い値が出た。むむむむう・・・。
-40 の粘度を持つオイルの、京都市街付近での街乗り燃費の上限値かなぁ?

帰宅中、いりすさんから電話。あけましておめでとうございます集会。
家に向かっていた舵を 180度転回。
STRAIGHT に出向き、Rocket's の方々と久々に顔合わせ。
みなさんお元気そうで、何よりです。

Rocket's の方々はこれから初詣などされるようであったが、
私は、昼から行なおうと予定していた作業があったため、
一人早々に別れて、そそくさと帰宅。
しかし・・・その勝手な行動が祟ったのか
午後から、今冬初めての大雪が降ってきた。
そのため、外出およびメンテは行なえず・・・

自宅に遊びに来た、生後9ヶ月の甥っ子を相手に遊ぶ(遊ばれる ^_^;)。
「親戚のおっちゃん」としては、いろいろ遊びを教えてやらねばならんので
大変なのだ(謎)

1/8

昨日の超悪天候は回復し、とりあえず陽光が射さなくもない日となった。
これ幸いということで、昨日できなかった作業を進める。

まずは、スターレットの E/G オイル交換。47000km 時点。
四国遠征で 800km ほど一気に加算したので、ちょうど交換時期となった。
オイルだが、手元に XF-08 の余りが 4L 近くあったので、これを使う。
リアエンジンマウントにジャッキをあてて、前輪が浮く寸前ぐらいまで上げ
あとは、ドレンボルトをひょいっと抜いてオイルをスッポリと抜き取り、
上から、じょろじょろっとニューオイルを入れて終了。

作業が完了したのち、R9 沿いにあるロードスター五条店に出かける。
本来の目的はFスピーカー購入だが、ついでに雑用部品なども物色しておく。
パワフロのフィルターが若干安かったので、そろそろ交換時期かと思い、購入。
あと、外径26φ内径17φのドレンボルト締め付け用ガスケットがあったので、
デフのフィラーボルトガスケットの代用に使えるかと思い、購入。
で、本題の、Fスピーカーだが・・・
購入すべきかどうか、本当に、さんざん悩んだ。
ただ、高速(相当の)道路をクルージングする比率も多くなった昨今、
走りだけに集中せず、のんびり走るためには、どうしても音楽が必要だ。
しかし、今つけているスピーカーは、音量的にまったく不適当なのだ。
なにしろ、定格出力 5W。オープンにしている状態では、音割れしない程度の
ボリュームに下げてしまうと、まったく聞こえなくなり、無用の長物と化す。
それでは、内装などを維持し、最低限の快適性を残している意味がない・・・。
BOSE のトレードインスピーカーなども候補には上がったが、結局のところ
耐久性を考え、ケブラーコーンの PIONEER TS-C1600A を購入した。
エッジもウレタンではないようなので、きっと長持ちするだろう。
これで、巡航時には、快適な音楽を満喫できるようになるだろうかな?

同店で落ち合うことになっていた AZ-1 氏が、やってくる。
おっとっと。新年あけましておめでとうでござる。
今月中にスズスポのデフを入れることになっている氏だが、
現時点では、まだ入っていない様子。ちょっと残念。
ノーマル調な AZ-1 だが、氏の好意で運転させてもらう。
シートを替えてから初乗りするわけだが、ドラポジに少々問題あり。
座面が高すぎて、ステアリングを握る手が下りすぎ、力が入らなくなる。
これ、直さんとね!AZ-1 って、ステアリングのチルト機構あったっけな?
また、ミッションの感触がもうひとつ良くない感じ。3速あたりが悪い。
オイル交換すれば直ると思うが、デフを入れるときに交換されるだろうから
まぁいいや(様子見)ということにしておこう。
その他、いろいろと気になる点を指摘。

氏が帰宅したのち、ホームセンターに出かける。
道中、ウェット路面のゼロスタートで、少し回転を上げてつないでみる。
そりゃもう、駆動輪にえげつないジャダーが出た。ドガガガガガガガッ!
どっか壊れたんかッ!?っと、一瞬焦ってしまうぐらいの ^_^;
1速6000rpm までホイールスピンしっぱなしになるぐらいの路面だったが
その間ずっとアクセルを抜かずに踏み続けてみたところ、見事なぐらい
その間ず〜っとジャダっていた。名阪Eのスタートダッシュと同様の状況。
ショックは替えたとこだから、足回りかどっかのブッシュが寿命なのかなぁ?
と、傍迷惑&めっちゃ格好悪い実験をやってしまったりした夜。
回りのクルマの人、ごめんなさい。恥ずかしいから全力で離脱。

で、ホームセンターに出向いた目的を・・・。
TS-C1600A はカプチにそのまま装着できるサイズらしいのだが
実際に金具をあてがうと、どうもヘナヘナしていて、いけない感触だ。
だから、スピーカーを装着するためのバッフル板を作成することにした。
正確には、金属製の純正バッフル板を裏打ちするための木材を、購入。
内部損失の向上、および取り付け位置の剛性向上のため。
適当な板切れを探してみたが、こういうときに限って
パーティクルボードが見つからず。これが使えたらよかったのだけど。
しょうがないので、一枚板になっている薄手の木材を買う。
さて、あとは、ヒマを見つけて、型どりをしなければ。


1/9

何を思ったのか、ついつい GM-38(GPS ユニット)を購入。
Sタイヤ4本買う値段で、こういうオモチャが何個買えるかと思うと ^_^;

1/12

GM-38 を分解し、信号処理部とアンテナ部に完全に分離する。
アンテナ部は極小なので、カプチのどこにでも自由に埋め込めそうだ。
これで、位置の常時ログも、GPS 式固定オービスアラームも
なんでも好き放題に作れるぞ〜 ^_^(位置ログは欲しかったのだ〜)

売却した足回りの代金がやってきた。感謝感謝。
とりあえずサイフに入れたが、早々に CD 機にブチ込まないと
いつのまにか無くなった〜ってことになりそうで恐い ^_^;

ついでに、売却先が、某有名なショップの人だったので、ダメもとで
「エアコンコンデンサーの中古品余ってないですか〜」と聞いてみたが
残念ながら、余っていないようだった。やっぱり新品に換えるしかないのか。
いっぺん、燃料フィルターの注文ついで、値段だけでも聞いてみようかな。
夏場になってからでは遅いし、R12 がいつまで入手できるのかもわからないし。
(最近は R12 の代替ができるフロンができたそうだから、杞憂かもしれないが)

余談ながら、ミッションオイルの中途インプレ。
elf の TRANSELF SYNTHESE FE だが、今まで試した中では抜群に良い。
なにより、冬の最中、5日ほど放っておいた次の日の朝の一発目の走行から
1→2速のシフトでガリつき感が微塵もなかったオイルって、これだけ。
ただ、シフトを押し込むとき、シンクロに当たる手前にある「段」の部分で
一旦止まる感触がはっきり感じられるのが、なんとも慣れないというか。
そのため、シフトをしっかり奥まで入れる癖をつけないと、ついつい
スッと入る手前の段のところまでで止めてしまい、立ち上りで「ウォン!」と
へんてこな空ぶかしをするハメになりがちなので、注意が必要かも。
(私だけ?操作力が軽くなるため、ついつい手を抜いてしまうんですな ^_^;)
夏の暑い最中の走行会とかだと、どうだろう?試してみたいな。

1/14

GPS アンテナの分解が一通り終わったので、次なる作業へ。
丸一日かけて、TS-C1600A を装着することとした。

助手席と運転席の下にえいやっと潜り込み(上海雑技団のノリで)
金属製のバッフル板を取り外し、ケント紙を当てて型どりを行なう。
裏側のなるべく広い領域を覆うような形を取ったあと、ジグソーを持ち出し
エイヤッと外形を切り取る。つづいて、切り取った板を金属バッフルにあてがい
プラハンで金属バッフルの歪みを取り、スピーカーの入る穴を開ける。
金属バッフルに空いている穴を写し取り、コンパスを使って、その中心を出す。
このあたりは、小学校の算数で何度もやったことがある方法ってやつ。
その後、スピーカーを収めるのに必要な穴の直径を計測して
必要な大きさの丸を木材にケガき、ジグソーで丸く切り取る。
昔、自作オーディオにハマっていたころにやったことの繰り返し・・・。
加工が完了したら、配線類を整理し、必要最低限の長さに切り詰めて
線材を作り直す。

実は、ここまでの作業が意外なぐらいに大変で、ウーハーの取り付けを
完了する頃には、すでに日が暮れかけてしまっていたりした。えらいこっちゃ。
Fusion のツィーターをひっぺがし、TS-C1600A 付属のツィーターを張り付け
用意していた線材を取り付けてっと・・・。
一通り終わったころには、ほぼ真っ暗になりかけていた。

試聴してみる。これからエージングが始まるので
まだ音質については何ともいえないところがあるのだが
とりあえず、今までとは段違いに素直な音がしていて、今後が期待できそう。
ただし・・・ボリュームをある程度上げると、スピーカーのインピーダンスが
下ったせいか、供給電流がおもいっきり増えてしまったようで・・・
低音の出力に合わせて、オーディオのイルミが明るくなったり暗くなったり(汗)
ど〜やら、電源まわり&スピーカー回りのハーネスの引き直しが必要な模様。

というわけで、オーディオ回りの作業は終わったのだが
やっぱ、なんちゅ〜か、1日に1回は走っておかないと、気分が優れない ^_^;
とゆ〜わけで、いつものような気楽な気持ちで、将軍塚へちょっと走りに行く。
その道中で、なんか挙動が怪しげなパジェロに、ぴったりへばりつかれる。
先行していたマーク2が左折して店に入ろうとしたところを減速して避けたのだが
それが気に入らなかったのか?ようわからん(後ろばかり見てるわけでは無い)。
面倒事は御免じゃいということで、加速して逃げようとしたが、離れていかない。
あやしいパジェロが速いのか、我がカプチーが遅すぎるのか。
そのうち、狭い生活道路で出すような速度じゃなくなってきたので
さほど気合いの入っていなかったようなパジェロは、自然と離れていった。
速度メーターに目を落とし、慌てて速度も落とす、反省すべき状況であった。

さて、いざ将軍塚に到着したので、軽く下見をしたのち、ちょろっと走る。
風邪を引いているため、少し頭がぼーっとしており、感覚が鈍っているのだが、
とりあえずわかったような感じのすること・・・は、
12月半ばに購入した新しい足は、今までと比べれば全然曲がる足なのだが、
ミスを許容まではしてくれないということ。ちゃんとブレーキを残して
積極的に荷重を前に動かしていかないと、脱出で全然曲がってくれないのだ。
そのかわり、荷重移動をちゃんと意識すれば、今までの数倍は素直に曲がる。

ただ、リアの突き上げ感と、ブレークに至るまでの粘りのなさは、絶対おかしい。
トランクを開け、車体後部の下向きに押しても、サスが全然縮まらないので、
たぶん、縮み側のストロークが全然無い状態なんじゃないかなぁと思うのだが。
なるべく近いうちに、ストロークの状況を調べて、設定を直さねばねぇ。

1/15

話はカプから逸れるが、滅多にない体験をしたので、レポート。
ここから3日間は、カプチーノには直結しない話ばかりが続く。
クルマ以外には興味もない人は、読み飛ばしてほしい。


仕事のため、京都駅のすぐ近くにある本社から
金沢の北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)へと出張することになった。

・・・ここまで書いて、ピンと来る人には、来たと思う。
そう。1/13 頃から一週間ほどの間、福井〜富山付近の北陸地域は、
15年ぶりとも言われる、近年未曾有の豪雪に襲われていたのだ・・・。
15年前って言えばアレだ。阪神タイガースが優勝した頃
どれだけ久しぶりのことか、関西の人には、これだけで充分な説明になるはずだ。

ともかくそんな状況になっているとは、つゆ知らず。
根本的には楽天家であるところの、我が上司と、私の二人組。
カニ食って温泉に浸かってのんびりしよう、と、意気揚々と北陸を目指す。

京都駅を 11時に出発する「サンダーバード」に乗り込み、北へ向かう。
この時点で、電車には遅れなどなかったし、北の大地で起きていることについては
駅内アナウンスでは、一言も触れられていなかった。これが間違いの元だった。

JR西日本が誇る北陸エクスプレス「サンダーバード」は、湖西線を快調に進む。
車内で、持参した分厚い資料を読み始める私。順調にいけば3時間もかからない。
急いで読みきってしまわないと、会議に間に合わなくなってしまう・・・
ついつい焦り気味になってしまい、窓外の景色を楽しむことを忘れていた。
ふと気づいて、見上げた窓。そこは御琴近辺。確かに雪は積もっていたが
それは線路や道路両側に残っている程度で、全然大したことはなかった。
はるか遠くに見える、琵琶湖バレイ。雪が綺麗に降り積もっている。ほぅ。
やっぱり北のほうは良く降ってるなぁ(京都近辺には、雪はカケラもなかった)
なにやら余裕を感じながらも、ふたたび資料に目を落とし、読みふける。
そのうち、何やら、電車の運行速度が落ちてきたような気がしたので
ふたたび外に目をやる。高島郡今津町。そこは、そこまでとは全然違い
面積の大半をしめる田畑は完全に白く覆われ、僅かな道路も白く覆われていた。
つまるところ、完全に白かったのだ。時刻は 12時前。もう昼前というのにコレだ。
やっぱり、ここまで北に来ると、随分と違うなぁ〜。

その時点でも、なぜ運行速度が鈍っているのか?そんなことは全く考えなかった。
ただ、窓の外に広がる農村(?)の雪原風景の美しさに、心を奪われていた。
気が付くと、やがて電車はスローダウン。どこかの駅で停車してしまう。
駅名を見ると、近江今津駅。
あれっ?確か、サンダーバードは、こんなところでは停車しないはず?
疑問に思っていると、車掌からアナウンスが入った。
なんでも、敦賀から先で雪がひどくて、先行の電車が立ち往生しているため
これ以上進めない、とのこと。除雪作業を進めている最中なんだけど
時間がかかりそ〜だから、帰りたい人は反対行きの電車に乗って帰ってね、って。
おいおい、仮にも、北陸本線最強を誇る「サンダーバード」でしょう!
続けて、除雪のため、約2時間ほど遅れが出ます、とアナウンスが入った。

走らないモンはしょうがない。私一人だったら退却を検討するところだが
なぜか上司、退却したがらない。ここまで来てるのに、と、鼻息が荒い。
しょ〜がないので、私も付き合うことにした。まぁ、正直言って、除雪車が
一旦入れば、あとはスンナリ行けるものだと思い込んでいたところもある。

出発を待つ間に、準備していた資料も全部読み尽くしてしまったので
駅の外に出て、なにか食べられるものを探しに行こうかと考えたが
近江今津駅前にあるものといえば、駅前ロータリーの道路の脇に置かれた
巨大な雪の固まりだけだった。う〜む・・・
しょうがないので、駅の中にある立ち食い蕎麦屋で、パワーの出ない昼食を。
食事完了後、電車に戻る。ホームの向かい側からは、京都まで戻るための
新快速電車が、結構な頻繁で発車している。

結局、2時間半ほど待つと、ようやく出発した。
先行電車がゆっくり進んでいる為か、異様にノロノロした速度で北へ向かう。
順調に徐行運転を続けた電車は、山を越え、福井県敦賀市側に入る。
天候の良かった滋賀とはうってかわって、空はどんよりと曇っている。
この重たい雰囲気・・・日本海側(いわゆる裏日本)の冬景色特有だな。
垂れ込めた雲からは、そこそこの勢いで雪が降っている。それほど強くないが。
敦賀市一面は、完全に雪景色。積雪深さは 20cm ぐらいか。確かに、雪は多い。
しかし、国道はちゃんと排雪してあるし、景色も遠くまで見通せるし、ってんで
電車が致命的に止まるほどの雪が降っているとも思えない。
おかしいなぁと思いつつ、雪に覆われた敦賀市街を眺めながら、北へ。
長い長いトンネルを抜け、敦賀を越えて電車は今庄に出た。

トンネルを抜けると、そこは雪国だった。

目を疑う。
窓から見える景色は、真っ白。
先程とは全然違う。猛烈な勢いで、吹雪いている。
敦賀までの積雪量は多くても 20cm ぐらいだが、今庄に来たとたん
その 2倍ぐらいの積雪量があるように見えた・・・いや、この表現は不適切。
敦賀までは「雪が積もっている」という表現で済んだのだが、今庄の時点で
「雪の隙間に建物が見え隠れしている」という表現が必要となってしまった。
しかも、雲の分厚さも半端ではない。敦賀の雪景色は明るかったのだが
今庄の雪景色は、灰色なのだ。暗いのだ・・・。
電車が遅れる道理だ。自然の力の凄さに、ただ驚嘆するばかり。

電車は、ノロノロ運転を続ける。窓から見える景色は、全て、分厚い雪で
覆われており、元の形状を想像することが、全くできない。沿線沿いの民家では
住民が、必死に雪掻き作業を進めていたが・・・この、暴力的な自然の所業に対し
人間ができることは、あまりにもチッポケであり、無力すぎる。限がない。
雪は、全ての構造物の形状を、平均化していく・・・。

時折横切る、踏み切り。遮断機の棒が、雪に埋もれてしまっていて
まったく用をなさない。自治会のおっちゃん達がスコップを持って集まっている。
一生懸命雪掻きをしているのだが、大の男が何人も集まっているのに、
全然捗らない。雪が多すぎるのだ。えげつない光景である。

垂れ込めた雲が、さらに分厚くなったのだろうか。周囲が暗くなり始めたころ、
ようやく福井との県境を越え、石川県に入った。景色は相変わらず。
・・・いや、広い田畑の間にある用水路が凍っているところが、少し違った。
普通、流水ってのは凍らないもんなんだ・・・それが凍っているってなぁ ^_^;
景色を深く包んでいるけど、まだ雪は降ったり止んだりを繰り返す。
それと同期するかのように、電車も頻繁に停車を繰り返す。
ダイヤからの遅れがどんどん増大していく。やがて遅れは、3時間となる。
車内に、疲れきった車掌のアナウンスが入る。特急券の払い戻しがあるらしい。
別にもうどっちでも良かったのだが、お金が帰ってくるのなら、嬉しいことだ。

目的地の金沢駅まであと3駅となった駅で、再び突然の停車。
積雪は凄い状況。線路脇にある駐車場なんて、クルマが何処に止まっているのか
わからないぐらいに積もっている。でも、降雪は一休みしている。なぜ止まるか?
不思議に思っていると、アナウンスが入る。
すぐ先の踏み切りで、重機を積んだトラックが、脱輪したとのこと。
レッカーの到着まで、1時間ほどかかります、、、って・・・

ぬわにぃ〜!!!(涙)

つくづく今日は、不幸な一日である・・・。

時計の針は7時を回っていた。もう、この時間からでは、仕事にならない。
上司は「今日中の訪問は無理」と判断し、先方に電話で連絡。とほほ。

予告どおり、たっぷり1時間以上、待たされる。
20時過ぎに、ようやく金沢駅に到着。結局、8時間ほどかかった。
駅から外に出た瞬間、ビビる。屋根がある部分以外の地面(?)一面に
ヒザ上ぐらいまである、分厚い雪が積もって・・・道が、ない。わからない。
自動車の走る道だけではない。歩道もわからない。一体どこを歩けばいいんだ?

よ〜く観察してみると、人が一人歩ける程度の細い「獣道」が、あった。
だれかが雪を掘って作ってくれたのだろう。そんな有難いものができている。
「獣道」を伝い、駅のすぐ近くにあるホテルに入り、荷物を降ろす。
その後、雪が降りしきる金沢の街をてふてふと歩き、凍てついた雪に
足をとられそうになりつつ、鮨屋に到着。そこで、遅くなった昼飯兼夕飯を食す。
鮨屋のオヤジ曰く、ここまで雪が降るなんて、めちゃ珍しいそうだ。
そんな時にそんな場所に居合わせられるなんて、運がいいのか悪いのか ^_^;

ホテルに戻り、露天風呂で汗を流して睡眠。明日は雪も止むだろう・・・
雪さえ止んだら電車の遅れも無くなるだろうし、早く帰れるだろうな。
そんなことを考えながら、眠りにつく。

しかし、真の不幸は、次の日に訪れたのである・・・

1/16

さすが北国というべきか。
ホテルの暖房は無比なぐらいに強力であり、あらゆる冷気を寄せ付けない。
フツーに部屋風呂に入っている分には、これでよかったのだと思うが
今回は露天風呂(温泉)にて、体の芯まで暖めたからたまらない。
もう半端じゃないぐらい暑くて、暑くて、夜中に何度も目が覚めた。
目が覚めるだび、体を冷やすべく「開けちゃダメ」と書いてある
禁断の窓ガラスを開き、冷気を室内に導入。
ひやっとする空気が流れ込み、全身を覆う。大気圏突入するガンダムの気分。
ついでに、窓の外を見る。夜になったら止むかと思っていたが、
僅かな明かりを頼りに見る限り、降雪は止まっていない。どんどん降ってくる。
部屋から見える駅前ロータリーにあったはずの轍の後も、綺麗に消えてしまった。
明日は、ちゃんと電車は動くだろうか・・・

杞憂に終わればよかったのだが、悪いことは続くものだ。
朝7時頃に起床して、窓の外を見る。白い・・・空も地面も白い。
急いで TV をつけてみるが、列車の運行状況などは全く放映されていない。
心配だなぁと思いつつ、上司とともにホテルを出て、金沢駅で朝食を喰らい
金沢から遠く離れた山中にある、JAIST に向かう最適な交通方法を考える。
まずは、北陸本線の改札前に向かう。何かを待つ、黒山の人だかりができている。
某月某日某時頃の、ゆりかもめ新橋駅券売所の前における雑踏のようだ。
改札は開いていないようで、改札内には人の気配がない。
列車の運行状況を示す電光掲示板は、普段なら一杯表示が出ているはずだが
今日に限っては、9つほどもある表示領域には、1つの表示しか出ていない。
・・・在来線を含め、北陸本線の電車は、1台も発車していないらしい。
駅員も、困惑しながら「運行再開がいつになるか、わからない」と放送。

完全な運休状態。

うぐぅ・・・。

北陸鉄道に乗るため、まづは西金沢駅まで移動しないといけないので
タクシーでの移動を考えるが、当然誰もが考えることであり、乗り場は長蛇の列。
しかしながら、雪に覆われた金沢市街は大変な混雑を催しているようで
何分待ってみても、金沢駅のタク乗り場には、1台のタクもやってこない。
こりゃダメだ・・・。
幸い、ダイヤはぼろぼろではあるが、バスは動いているらしいので
タクシーを諦め、バス乗り場へ。沢山の通勤客が渦巻いていた。
噂は真実のほうで、他の乗り場へは、チェーンを巻いたバスが続々やってくる。
どのバスも、屋根に大量の雪を乗せている。その重みのせいだろうか。
客が誰も乗っていないのに、既にシャコタン化していた(笑)
雪国での公共交通網の最後の砦と化している、バス。がんばれバス。
やがて、もう何分遅れているのかもわからないぐらい遅れてはいるものの
我々の乗り場にも、目的地行きのバスが来た。乗り込む。

道の両側は、高さ 1m 以上の雪の壁ができている。壮絶な降雪だったようだ。
しかし路面には融雪用の水道水がガンガン撒かれているため、通行に支障はない。
バスが西金沢に到着する頃には、降っていた雪も止み、陽光も射しはじめた。
ああ、これで・・・雪も溶けるだろう。よかった・・・。

なぜか、やたらに寂れた無人駅になっている、北陸鉄道の西金沢駅。
辺り一面を埋め尽くした白い雪が、寂しさをより引き立たせている。
JRの西金沢駅は結構立派だったんだが・・・一昔前の、JR山科駅と
京阪山科駅の関係みたいなモンか。

ホームに隣接した、16畳ぐらいのボロい待合所で腰を降ろし、電車を待つ。
待合室の壁は、田舎のヤンキーが書いたと思しき落書きで満たされている。
「××が好きだ」とか「○○中学最強」とかワケのわからん内容を見て、楽しむ。
まだ髪の毛が多かった頃の松本人志の似顔絵(口がギザギザになってる奴)が
書かれたりしていたのは、最高に印象的といえば印象的だった。
電車を待つ間、ぽつぽつとやってくる、地元の人たち。
その中の一人が、一生懸命に携帯電話で何か喋っている。
何を話しているのかと思ったら、自分の子供が通っている学校の教頭先生が
昨晩、除雪車に巻き込まれて死亡したとのニュースを、父兄の間に廻している
らしい。うげぇ・・・除雪車って、雪を吸い込んで、砕いて・・・
吸い込んで、砕いて・・・。うう・・・。想像したくない事故だ・・・ ;_;

やがて、雪原の向こうから、電車がやってくる。なんか古っちい電車だが
この雪の中でもちゃんと走る、大変に頼もしい奴だ。よろしく。
駅前の駐車場で、雪饅頭と化した自動車を一所懸命に発掘している
おっちゃんおばちゃんの姿を眺めつつ、電車に乗り込む。
北陸鉄道は無人駅なので、電車の中に料金箱がある。整理券を忘れずに。
電車は、大変にゆったりした足取りで進む。ものすごいローカル線だ。
笠置付近の関西本線と真っ向から勝負しても負けないね、これは。
移動中、窓からみえる住宅街の景色を楽しむ。どこもかしこも、一面真っ白。
構造物の上に、容赦なく 40cm 以上の高さで積もっている雪。
露天駐車してあるクルマは、駅前と同じく「かまくら」状態になっている。
車庫に入れてあったとしても、道路を雪掻きしないと走れそうにないが。

やがて、JAIST の最寄り駅となる「鶴来駅」に到着。
ここだけは有人駅。「鉄道員(ぽっぽや)」の高倉健みたいな服装をした
駅員さんが、ワンダリングモンスターとして彷徨いているのが気にはなるが
なかなかどうして、ちゃんとしている駅だ。
中央に灯油ストーブが置かれた、なかなかに風情のある待合室を抜け、外に出る。
駅前は、大学の設置に伴って再開発されたのだろう。大変に小綺麗に出来ている。
結構強い日射があるので、雪は少しづつ溶けつつある感じ。道路も大丈夫。
これなら JAIST にて用事を済ませた後でも、問題なく帰れそう。
道路脇に積もった新雪に足を取られつつも、横にあるシャトルバス乗り場へ。
10分ほど待つと、マイクロバスを一回り大きくしたようなバスが、到着。
かなり新しくて綺麗なバスだ。見ると、後輪だけにチェーンを巻いているが
ストッピングパワーを誇示するが如く、結構な勢いでバス停に滑り込む。
5名ほど居た乗客とともに、バスに乗り込む。車内ががら空きのために
パワーの余っているマイクロバスは、まだまだ雪が残っている狭い路地を
結構な速度で、かっ飛ばしていく。

これがまた、加速が妙に良いんだ・・・。

下は圧雪路面だってのに、ドライバーがアクセルを踏むと
ほとんどラグタイムなしに私の体はシートに押し付けられ、加速に入る。
ぎゅうう〜んっという音と共に、バスはあっというまに加速。ドライ路面のよう。
ドライ路面であっても、AZ-1 といい勝負するかもな、このバスなら ^_^;
なんだか微妙に滑っている感触を味わいながら、バスは氷雪路を疾走する。

よく知らないが、JAIST はちょっとした小高い丘の上にあるらしく、
JAIST のある丘の下のバス停で、バスを待っていた学生を6人ほど追加。
その後、600R ぐらいの揺るやかな登りS字カーブを登っていくバス。
ここからは JAIST 専用路なので、今までの一般県道以上に積雪が激しい。
そこを減速もせずに曲がっていくバス。ふっと、腰に来るものを感じたので
景色とドライバーの操作を注視する。

・・・おお、微妙な角度でドリフトしてるぞ。

かなり小さなアングルだけど、僅かにカウンター入ってる。
むちゃくちゃやけど、こりゃおもろいな、おっさん(笑)

到着。
キャンパス一面が深い雪に覆われた JAIST。
点在する巨大な建物の間には、屋根らしきものがない。
一体どうやって移動するのかと思ったら、金沢駅前と同様
人が一人やっと歩ける程度の太さの「獣道」が作られていて、
それぞれの建物の代表的な入り口1つ1つ同士を、結んでいた。
いったい誰が、こんな器用でご苦労なことをやっているのかなぁ?

JAIST にて、意見交換の業務を開始。4時間ほどで完了。
ついでに、先生とちょっとだけ雑談。この豪雪の件を聞く。
北陸って、いつでもこんな感じですが、などと聞いてみたが、
やっぱり今回だけは別格に降っているとのことらしい。
今まで、ここまで積もったことはなかった、とか。

さて、仕事も済んだので、ぼちぼち帰るか・・・という話になり
窓から外の景色(絶景である)を見納めようと、建物の外に目を向ける。
目が点になった。

猛烈に吹雪いていたのだ ;_;

交通情報を聞いてもらうが、10時頃に再開したと聞いていた JR北陸本線は
ふたたび運休となり、再開の見込みが立っていない状況のようだ。ぬー・・・
一体どうやって、ここから帰るか?

iモードの情報によれば、小松空港から飛行機は飛んでいるらしい
とのこと。まずはタクシーで空港まで向かい、そこから羽田に飛び、
東京から新幹線で帰ろうか?という話になった。
空は完全に真っ白で、雲が切れる様子もない。今は飛行機が飛んでいるとして
いつ離発着が止まってしまうか、わからない。急いで帰らないとマズイ。
そうと決まれば、急げや急げ。タクシーを呼んでもらい、小松空港へ。

タクの運転手は、昼間になまじ晴れたため、適度に融雪してアイスバーン化
してしまった県道を、小松空港方面に向かって走りづつける。
40km/h で走っていても危ないぐらいに、四輪ともずりずり滑っている。
交差点にできたボコボコの深い轍なんて、通過するのに一苦労しそうだ。
実際、轍を横切るときに足回りやボディーに来る衝撃もハンパではない。
ノーマルショックなら、1万kmも走らないうちに油漏れしそうな勢い。
ボディも、きっとそれなりの補強なしでは、長持ちしないだろう。
でもさすが、タクの運ちゃんは慣れたもの。終始安定して走行。
プロの技を見せてもらった気分。

途中、Hシステムを見かけたが、今日ばかりは全然気にする必要なし ^_^;

小松空港へと向かう道中で、どんどん降り方が強くなる雪。
やがて、田んぼの中の二車線道路で、渋滞開始してしまった。
こんなところで時間を食ってたら、えらいことになりそう、早く動け、動け!
轟音を響かせながら、対向車線をゆっくりと走ってくる、巨大な除雪車。
除雪車の後ろを、かるがもの親子のように、一般車が連なって走っていく。
道の両側に、1m 以上の高さの雪の壁を積み上げていく。
除雪車によって、家や会社の前に雪の壁をつくられてしまった人は
いつ果てるともわからない除雪作業を、スコップから重機まで
使える限りの道具を持ち出し、必死の様相で行なっていた。
やっぱり、雪国に暮らすって大変なんだなぁ。

しかし、一般道ですら除雪車が入らないと走れないような状況だっていうのに、
空港に行ったところで、飛行機は飛んでいるのだろうか??
そういえば、さっきから一度も、空港方面から離発着の音は聞こえていない。
かな〜り、不安になる。

小松空港の前に到着したころには、道路の周囲、いや・・・
轍を除く部分にすっかり雪が降り積もり、挙げ句の果てには完全に吹雪いていた。
これは、どう考えても、飛行機は飛べないし、着陸もできないだろう。
ああ、これじゃあ、南に帰る方法が1つも確保できない。いったいどうする!?

ところで、タクシー乗車中にラジオを聞いた限りでは、
周囲はこんな状況だけれど、北陸自動車道は全線開通しているという話。
そうか、道路だけは、ちゃんと動いてるんだな!
上司と相談して、レンタカーを借りて京都まで帰ろうと画策。
仮に、速度規制があったとしても・・・夜には京都に到着できるはず。

これしかない!

この状況の下では、もはや迷いは無かった。
空港の前にあるマツダのレンタカー屋に飛び込み、
京都で乗り捨てるという条件で、何か乗れるものを借りる。
どんなクルマが来るか?と思ったら、ファミリアSワゴンだった。
1500cc、FF。4輪にスタッドレスを装着。これで大丈夫だろうか?
4WD を貸してくれるかと思ったけど、さすが雪国はスパルタンだった。
南国に住む人間にこういう手厳しい仕打ちを・・・。これで行けってか。
まぁ、高速道路はちゃんと除雪してるだろうから、これで大丈夫かな・・・。

ともかく、積雪がこれ以上酷くならないうちに、出発。
私は雪道での運転に慣れていないので、滋賀県の北の方に住んでいる上司に
運転をお願いする(命を預ける)ことにした。私はカーナビ操作担当 ^_^;

レンタカー屋の店員のアドヴァイス通り、小松 IC ではなく
少し南に下ったところにある片山津 IC から、北陸道に乗ることに。
そこまでは、レンタカー屋から一般道経由で 6km ぐらいの距離がある。
小松空港と言えば、海にかなり近い、開けたところであり、
その脇を走っている道なので、この先はそれほど積雪しとらんだろうと
思っていたが・・・甘かった。
雪は小康状態になったが、路面は圧雪状態を越え、厚さ数cm 以上の
アイスバーンと化していた。より的確な言い方が要求されたならば、

天然スケートリンク開設

と表現しても良い。
積雪で、元の路肩、路面、、、もはや、全く何も見えない。
しかも、これでアイスバーンがフラットだったらいいのだが、
至るところ、轍か何かで凸凹になっていて、タイヤが取られる。
ハンドルが取られるなんて言葉では言い表せない、いやな気分だ。
現状では、直進することすら容易ではないらしい。速度を上げると
(約 30km/h 以上)普通の FF 車なのに、テールが流れていくのだ(汗)
その危機的状況は、助手席に座っている私にも伝わってくる。
・・・この選択は、失敗だったかな・・・(汗)
ひっきりなしに横を向きたがるところを、うまくなだめすかされ
ゆっくりゆっくりとアイスバーン道を南下していく、ファミリア。
途中、何台かの対向車団とすれ違うが、地元のクルマのはずなのに
妙にヨタヨタ走っている。直進することすら難儀な様子だった。
・・・今日の積雪は、そんなにひどいのか?
(CV:ミネバ様)

それでもなんとか片山津 IC まで辿り着き、北陸道に転がり込む。
さっきまでのヒドイ凸凹路とは違い、高速道路は綺麗に除雪されている。

さすが、有料の道路は違うねぇ〜!

路面のところどころに雪が残っているため、油断はできないが
それでも、一般道とは全く違い、「マトモ」に走れる道路になっている。
豪速で追い越していくトラックにびびりながらも、快適に南下を続ける。
そういえば、今庄以北の北陸道って、乗ったことないんだよなぁ・・・。
初っ端にこういう体験をしてしまうと、トラウマになるんだよなぁ。
ああ、天気さえよければねぇ(天気が良ければ、今頃ここには居ないが)

車窓から道路外に見える、自然が猛威を振るった爪痕。
素直に畏れを感じつつも、助手席で快適なクルーズを楽しむ。
今のところ状況に大きな変化はないようなので、このまま滋賀まで
無事に辿り着けるか(滋賀県まで出れば、あとは楽勝だろう)と
思っていたのだが・・・

甘かった。全然甘かった。甘々だった。

石川県を抜け、福井県に入る。なにやら、周囲の暗さが一際増したような
そんな気がした。夕方が近づいているからか?それとも・・・
視界の隅を流れていった、高速道路に立つ交通情報案内看板に
不穏な表示を見たような気がした。赤い色が付いていたな。
しばらく走ると、また案内看板があったため、凝視する。

「福井〜武生間 ユキ 通行止」

むむっ!?ど〜ゆ〜こっちゃ!?
「ユキ」ってあれか、「雪」で間違いないよな?
・・・金沢より南のほうが、ひどい降りやったのかっ?

武生までっていう理由が気になるところ。そのあたりは、ただの平地。
雪で止まるのなら、武生以南の、今庄〜敦賀あたりのはずなのだ。
謎は多いが、とにかく指定されている以上、高速を降りないわけにはいかない。
時計をちらと見ると、16時過ぎ。金沢を出発してから1時間程度だ。
この時間帯は、夕方のラッシュ時間と重なるはず。
福井〜武生といえば、道の両側の店も多く、幹線道路だった記憶が。
こんな時に、福井市内を縦貫する R8 を走らねばならないのか?
茨木〜京都南間が通行止めになって、R171 に降ろされるようなモンだ。
こりゃあ・・・ものすごい時間ロスになるな。

頭を抱えつつ、しかし本線バリケードを突破して走り抜けるわけにもいかず
諦めて、高速道路を降りる。料金所でお金を払うと、何やら見慣れない
A6 サイズの紙をくれた。Microsoft のソフトウェアについてくる
Certified 用紙みたいなデザイン。何だこりゃ、と思ってよ〜く見ると
通行止めが発生したので降ろされたことを証明する、という内容が書かれていた。
そんなもん証明してもらっても・・・と思ったら、今日中にもう一度乗る限りは
幾らか値引きしてくれると書いてある。具体的には、幾らなんだ?
えーっと・・・

ムキー!たった 200円の値引きじゃないかぁ! T_T

福井市に降りる。
高速道路が通行止めになるぐらいだが、一体どんなもんかなぁ。
わりと気楽に考えていたのだが、こちらもまた、金沢や小松に負けない
えげつない深さの雪が、道路と言わず周囲と言わず、積もりに積もっていた。
下手すれば、小松から片山津 IC に行くまでの道よりも、まだ
はるかに積雪が多い感じだ。車道であるにも関わらず、
普通の車高のクルマの床すれすれまで、雪が積もっている。
高速道路とは一転して、まっすぐ走るのもおぼつかない状況に戻る。

もちろん、既積雪だけではない。現状かなりの勢いで、雪が降り続けている。
日は相当暮れている。ライトの光に映る雪に、心細さを今まで以上に感じる。
日が暮れてしまったため、今後の路面状況が好転することは、考えられない。
ずっと小刻みにハンドルを動かしつづける、ドライバー担当の上司。
かなり大変そうだ。その、滑りそうな状況に付き合っている私も
かなり神経がすり減るので、疲れるのだが ^_^;

料金所のおばちゃんに教えてもらった裏道を使い、渋滞を避けて R8 に出る。
R8 は交通量が多いため、さっきの裏道と比べて、積雪量はかなり少ない。
その代わり・・・やはり大渋滞で、ノロノロ運転にハマりこむ。
道には、見渡す限りクルマが詰まっている。
その隙間は、激しく降り続ける雪で埋め尽くされている。
こんなところで、貴重な時間を、無駄に使いたくはないなぁ・・・
と思いつつも、どうしようもないので、そのまま南下を続ける。
地元の人もさすがにゆっくり走っているが、時折、元気に走り過ぎていく
インテRやエボ5なんかが居たりして、ああ、いいなぁ、と思ったり。

携帯電話+ノートPCにて、交通情報の収集に精を出す。
雪が強く降ってきている為、高速道路の規制にも変化が出る可能性があるからだ。
しかし今のところ、福井〜武生間だけが通行止めになっているに過ぎない模様。
とり急ぎ、武生(ちなみに、この地名は「たけふ」と読む)まで走る。

そこまでの R8 は、ノロノロながらも順調に動いていたのだが
武生 IC に繋がっている県道との交差点の直前あたりから
R8 は極端に渋滞しはじめた。な、何故だろう?
と思っていたのだが、「喫茶カプチーノ」を過ぎ、
IC に繋がる道へ曲がる葛岡交差点を折れたところで、全てを理解した。

道の両側に、トラックが止まっている(汗)

まるで、石槫峠頂上にあるコンクリートブロックのゲートのように
両脇を固め、道幅を完璧に制限してしまっている。新手の嫌がらせか?
と思ったが、トラックの両側にへばりついている、運転手らしき人の姿。
どうやら、スタックしてしまったらしい・・・南無〜。

しかし、行く手を阻む障害は、それだけに止まらない。
高速道路に乗ろうとしているトラックの群れが、先の道を埋め尽くしていた。
IC のランプ路取り付け口は、まだまだ遥かに先にあるはずなんだけど・・・。
彼らも、スタックしているのか?一歩も動く様子がないが?どうなった?
ゲートキーパーと化したトラックの後方 100m ほどの地点において
チェーンも装着せずに走ったためか、見事に擱座したトラックの横を
スルッとすり抜けた時点で、渋滞の最後尾に行き当たった。
しょうがないので、渋滞の列に並び、しばらく待つ。
高速道路の渋滞情報に変化はないが、雪は激しく降ってきた。
いかん、早く動いてくれないと、このままでは再び「通行止」になるぞ。

腹立たしいことに、渋滞の列が動く様子は、全くない。
・・・そのうち、何時間待っても動かないような気がしてきた。
その間にも、雪はどんどん強く降り、路面を再び真っ白に塗り込めていく。
参ったなぁ・・・

しょうがないので、いったん高速道路を諦め、
R8 を南下して、敦賀まで抜ける経路を選択することとした。
運がよければ、R365 から今庄 IC までショートカットできるかもしれないし。
渋滞の最後尾に近かったため、後続のクルマとは、まだいくらかの隙間がある。
この隙間をフルに生かして Uターン。さすがSワゴン。R8 に戻り、南下を続ける。
さて、予想通り、南行きは IC への取り付け道路までが混雑しているだけであり
そこから南向きは、ガラガラに空いていた。積雪も、それほどひどくない。
な〜んだ、みんな高速道路に集中しちゃってるだけなんじゃないのォ〜?
なんて、お気楽なことを考えつつ、ひたすら南へ南へ。

降雪の勢いも弱くなってきた。やがて、日野川を越えるあたりにある
高架で、左車線がびっちり渋滞していることに気づく。左車線って、、、
ああ、R365 に繋がる道だ(これまで、何度も通っている)。ってことは、
今庄 IC まで続く迂回経路のほうは、大渋滞しているっていうことか?
あらら・・・渋滞の列を尻目に見ながら、どんどん南へ進む。

しかし、この幸せな状況も、長くは続かない。
やがて、塚原交差点(敦賀から真っ直ぐ北向きに走ってきた R8 が
急激に右に曲がる交差点)の手前 200m ぐらいから、右車線にも渋滞が始まる。
そこから先は再び高架になっているのだが、小高くなっているあたりで、
なにかが起きているようだ。とりあえず、しばらく待ってみるが、動かない。
橋の途中で、事故でもあったのだろうか?しょうがないから、高架部寸前の
四郎丸交差点を右折して、県道を使って迂回し、塚原交差点に向かうこととした。
しかし、こちらのルートも、塚原交差点まであと数十メートルというところまでは
辛うじて進んだが、そこから先が渋滞となり、まったく動かなくなった。
塚原交差点よりも南側で何かが起きているのだろう。だが、何かは解らない。
半ば、諦めにも似た心境。人事を尽くして、天命を待つ・・・。

窓の外では、再び、雨のような雪が降り出していた。
付けっ放しのカーラジオから流れ出る、パーソナリティーの声。
30代後半から 40代前半ぐらいの、おっちゃんだろうか。不良のオッチャン。
リスナーからのハガキを紹介し、そこから話を巧みに膨らませていた。
・・・こうしてジックリと AM ラジオに聞き耽ったのって、いつ以来かな。
小学生の頃、親に隠れ、学研のオマケについてきたラジオのイヤフォンを付け
ベッドの中で布団にくるまって、深夜放送を聞いていた頃以来かな?
それって、考えてみれば、だいたい 15年前の話なんだよね。。。
オール・ナイト・ニッポン、かぁ。今でもやってるのかな。
今でも、背伸びしたいティーンの連中が、聞いていたりするのかな。

気がつくと、時計の針は 19時近くのレッドゾーンを指していた。
ラジオからは、降雪は続くだろう、という死刑宣告の声が聞こえてきた。
これは、、、今日中に帰れないんじゃないだろうか?

渋滞が続くと、諦めてUターンするクルマや、交差点を別の方向に向けて
曲がっていこうとするクルマが出てくるので、その分ぐらいだけが
詰まる形で、まさに亀の歩みであるが、渋滞の列はちょっとづつ進んでいった。
やがて、前に居たクルマはほとんど全て何処かに行ってしまい
残すところはトラック1台だけ、という状況となった。
時計は 19時半頃を差している。
ここで、インターネットで高速道路の状況をチェックしてみる。
幸いなことに、まだ南行きは通行止めにはなっていないようだ。
つまり、R8 を諦め、高速道路入口の渋滞に並ぶ方法も残っているということ。
前のトラック越しに、その先に広がる R8 の光景を眺める。判断を下すため。
見える限りの情報では、どうやら、交差点を少し南に過ぎたあたりで
トラックが停車していて、それを先頭にして渋滞が始まっている様子だ。
事故でも起こしたのか?・・・その先には、何もないようだ。

青信号で、前のトラックを追い越して一気に前に出るのも不自然だし
何より、その先の状況が解らないので、強引な手が使えるかどうかもわからない。
そういうわけなので、いったん、目の前の塚原交差点を右折して
その瞬間に、交差点の先の様子を観察することとした。

合図とともに、視界を遮って停止しているトラックを抜き去り、右折しながら
先の様子を凝視。やっぱり、さっきの観察で得られた情報は、正しかった。
トラックの前には、パトカーがいるようだ。間違いなく、事故でも
起こしたのだろう。それなら・・・
と思った瞬間、ドライバー上司が操舵を誤り、交差点の角に積もっている
新雪の吹きだまりに突っ込む。
うっ、と思ったときには、前輪は空転寸前だった。
こんなトコでスタックしたら、まぁ死にはしないけど、いい恥さらしだ・・・。
使えるかぎりの脱出手段(クルマの中でダンス!ひたすら揺らす!)を試み、
辛うじて脱出には成功したものの、かなり焦った。雪は恐ろしい。

右折してから少し進んだところでUターンして、塚原交差点に戻り、右折。
これで、さっきの道から直進したのと等価な動きになる。
しかも、右折で入ってきたクルマになるから、交差点付近の渋滞を
一気にパスしていくのは、まったく不自然な動きではない(・・・はず)。
サクッと、止まっているトラックとパトカーを追い越す。
パトカーも警官も、別に追い掛けてくる様子は無い。
やっぱり、何かの事故処理だったのだろう。

さきほど見たとおり、その先は、ガラガラに空いていた。
なんで、他のクルマを、前に行かせないんだろう?と思っていると
数百m ほど進んだところで、先にあった渋滞列に行き当たった。
ううむ・・・これも先が見えないが、動きそうにないのは確かだ。
Uターンするためのスペースを確保しつつ、止まっておく。
しばらく待ってみるが、やはり、なかなか動き出す様子がない。
やがて、さっきのパトカー(車種:パジェロ)が、赤灯を回しながら
トロトロとやってきて、我々の少し後ろに止まった。
埒を開けるため、この先の状況がどうなっているのか、尋ねてみる。
ポリパジェロには、2名の交通課らしき警官のオッサンが乗っていた。
R8 のこの先どうなってるの?京都に帰りたいんだけど・・・と尋ねると

ああ〜もうあかんよ、無理無理。
この先はびっちり渋滞して、朝までうごかん状態やで。

と言われる。
この先、山を超える部分でひどく積雪しているようだ。
しかも、ただの積雪ではない。パトカーが居るぐらいだから
なにかロクでもないことが起きているに相違ない。
やはり R8 をUターンして、まだ少しでも動く可能性のある
北陸自動車道の待ち行列へと舞い戻ることを決意。

・・・その時。
目の前に居るオマワリの片割れが、先ほど我々が塚原交差点を
右折していったことを咎めるような、無礼な発言をしやがったのである。
曰く、どうやらあれは事故処理ではなく、この先(目の前)に渋滞があるため
R8 を流れているクルマを、一旦そこで塞き止めていたらしい。
我々は、それを無視する形で、突っ切っていったというワケだ。
なるほど、それは確かに悪いことをしたかもしれない。
しかし、だ。
そんなこと(塞き止め中)は、交差点の周囲1km以上にわたって
どこにも書かれていなかったし、アナウンスもなかった。
また、正規に右折して、渋滞列を通過しようとしているとき
オマワリ自身、停めようともしなかったのである。
自分達がちゃんとしなかったことを、今頃言われても困る。
しかも、だ。
我々は、青信号を待ち、右折可能な交差点を、間違いなく右折した。
それなのになぜかオマワリは、交差点の角地にあるパチンコ屋の駐車場から
我々が無理矢理出てきたみたいな言い方をしやがったのだ。
これは、事実の歪曲であり、冤罪である。
頭に来たので、我々は青信号の交差点を普通に右折しただけであり、
絶対にパチンコ屋からは出ていないと、はっきり言ってやった。
(雪についたタイヤのトレッドパターン跡で、簡単に証明できる)
確かに、交差点付近で 15m ほど対向車線を走ることにはなったが、
交差点内で勝手に停止しているクルマを避けるためであり、正当な行為だ。
もしもこれ以上ごねるようなら、冤罪であることは明らかなので
裁判に持ち込んでやるから、所属と上司の名前を言え!と
ハッタリかまして言ってやろうかと思ったが
さすがにこんな状況ではオマワリもヒマじゃない。
呆れたのかもしれないが、その話はそれで終了した。

・・・ともかく、もう片方の物わかりの良さそうなオマワリ曰く
まだ高速道路は動いているから、そっちで帰った方がええ、とのこと。
よし。事前に得ている情報との差はない。Uターン決定だ。

先で起きていることも知らされないまま、ただ大渋滞する南行きを
尻目に見つつ、武生 IC 目指して、我々は R8 をふたたび戻っていく。
その途中、どうやって京都まで帰るか、簡単に戦略を練る。
先ほどの体験から考えて、普通に R8 から武生 IC を目指したところで
あの、先の見えない大渋滞に巻き込まれてしまうだけになりそうだ。
そこで、武生 IC までの最短路となる葛岡交差点ではなく、
1つ南側の庄田交差点を左に折れて県道に入り、北陸自動車道をくぐって
少し東に行ったところにある女子短大近くで交わる県道を北上し、
葛岡交差点から伸びている県道の東の方に出ることにした。
つまり、R8 から葛岡交差点経由で時計回りに IC へと向かうのではなく
庄田交差点経由で反時計回りに IC へと向かう経路を選択するわけだ。
時計の 12 時の位置に IC の取り付け口があり、R8 は 7時〜11時ぐらいを
構成するため、反時計回りだと、かなり長くなってしまうが・・・
しかし、11時から 12時の領域が大渋滞している。急がば回れってやつだ。

ほどなく、R8 の庄田交差点に到着。そこから北の交通状況を見るが
予想通り、東に向かうクルマ/トラックが成す、渋滞の列が見える。
よし・・・。
カーナビの地図を拡大し、交差点を見逃さないように用心しながら
クルマを東に進めてもらう。現状、降雪は再びほぼ止んでいる状態だが
一級国道から外れているため、先ほどまでの断続的な降雪で積もった雪は
びっちりと降り積もり、彫りの深い凸凹のアイスバーンを形成している。
道幅も狭いため、1つ間違えば、亀さん化するか、コースアウトか、だ。
緊張が走るが、積雪慣れしているためか?ずっとドライバーを担当している
上司は、面白いぐらい、このふざけた道路をうまくクリアしていく。
激しい凸凹で構成されている道の、"走れる"ラインを的確にトレースしていく。
それにしても、ごく普通のオッサン(失礼)とは思えない運転だなぁ・・・。
と思っていたら、かつて大学では、自動車部にて
ラリーのナビをしていた時期があったらしい。
ははぁ、道理で、路面を読むのが上手いはずだ・・・。
すこし安心した。この人なら、何があっても大丈夫だろう。
ということで、こちらは地図を読むのに専念した。
上下動や突き上げが激しいので、読むだけでも結構苦労したが ^_^;

仁愛女子短大を過ぎたところを確実に捉え、左折。
新雪の深い県道を、北上。交通がほとんど無かったのか
こちらはまったく轍が無い。しかし、これがヒドイ道だった。
途中から、本当に1台分しか幅の無い、路地と化したのだ。
両側には住宅が立ち並び、1m 程度の高さの生け垣が植えられているようで
その上に雪が降り積もり、ボブスレー場のような様相を呈していた。
どう考えても、すれ違える余裕はない。対向車が来たらどうしよう。
と思っていたら、不幸なことに、一番狭いところで、対向車が来てしまった!
しかも、3台も!
どうしたものか・・・と思っていたら、対向車の人は地元の人。
さすが、こんなところばかり走っている地元の人は、判断が早い。
手際よく3台を、道の横に少しだけ作ってある広場に押し込んでいく。
しかし、広場といっても、クルマ1台分しかない駐車スペースであり
しかもそこは60cm 以上の積雪が・・・いいのか?(汗)
と思っていたら、案の定、3台のうちの2台がスタック。
すれ違いを完了させたところで大地に降り、スタックからの押し出しを手伝う。
我々の後続にいた1台の車両からも、押しだしに参加すべく、人が降りてくる。
自然の猛威を前にすると、人間っておもしろいぐらいに団結できるねぇ。
ということで、大の男が4人も揃ってしまうと、仕事が早い。
あっというまにスタック状態から抜け出した、2台のクルマ。
やっぱり、なんだかんだいいつつも、人力は一番汎用性が高くていいな。
専用機には敵わないが、どんな状況に陥っても対応できる汎用性は圧倒的。
ロボットが人間並みの汎用性を持てるのは、まだまだ先の話だろうね。

そんなこんなで、困難なすれ違いを完了し、なんとか隘路を抜けだし
目的の県道へと出る。あとは、東側から武生 IC の取り付け口へ辿り着くのみ。
さすがにこんな、辺鄙な経路を通る裏側から来る奴はいないようで
東側の渋滞は全く無く、IC への導入路の付け根すれすれまで進むことができた。
一安心してから反対側を見ると、やはり R8 から、ビッチリと渋滞していた。
裏側から来て正解だった。どっと疲れが出る・・・。

で、そのまま 10分ほど待ってみるが、IC に詰まったクルマは流れない。
いや・・・流れるどころか・・・ピクリとも、動く様子がない。
って、反対側車線の渋滞を見ればわかることだったんだけど ^_^;
おかしいなぁ。
もう一度インターネットに繋いで、JARTIC のページを見るが
やはり、武生から南向けについては、通行止表示は出ていない。
(福井〜武生間は通行止になっているが)どうなってるんだァ?

ラジオでは、これ以上に有用な情報は流してくれていない。
時計の針は、間もなく 21時を指そうとしているところ。

じっとしていても、始まらないな・・・。

こういう時こそ、助手席の人間の出番!
クルマを降り、料金所脇にある事務所まで、状況偵察に行ってみることにした。
導入路開始地点から事務所までは、結構な距離がある。もちろん、積雪付き。
トレッキングシューズでもなんでもない、普通の革靴では、かなり心許ない。
雨が降った次の日の名阪Cコースを朝一番に走っているときのような気分だ。
動き出すのを待っているトラックの脇を、慎重にすり抜けて歩いていく。
トラックのボディと、高く積もっている雪のクリアランスは 30cm 以内。
どこを歩くべきか、悩もうにも悩めない状況である。
外側の新雪部分を選べば、なんとかまともに歩けることに気づいたが
足を踏み外し過ぎると、ヒザ上ぐらいまでの深さの雪が待ち構えているので
油断は禁物だ。人間がスタックしてしまい、かなり恥ずかしい状態に陥る。

ゲート前まで歩くと、電光掲示板の表示が見える。
やはり「武生〜福井間通行止め」という表示しか、出ていない。
これが真実なのかどうか、事務所に聞きにいかねば。
明かりのついている建物の方に向かって、雪の中を歩く。
ここも、「獣道」が掘られているため、迷うことはあり得ない。
料金所脇にある、JH の事務所らしき建物の手前に赴くと
なにやらわめき散らしている、若い女性が居た。
話を聞いてみると、京都方面に向かう、トラックのドライバーらしい。
思わず、同じ方向ですね〜なんて、ノンキな会話になりかけてしまったが
本題を聞かねば。曰く、朝7時からずっと待っているのに
渋滞の列は一向に動く気配がない、という。

えっ!?朝7時から、って・・・(大汗)

ヒステリーを起こしている女性を宥めすかし
まずは、事務所と思しき建物のインターフォンを押してみる。
ついでに玄関を開けようとしたが、なぜか、ガッチリと鍵がかかっている。
暴徒と化しつつあるお客様予備軍の存在を、怖れているかのようだ・・・
って、入口の横にある銘板を読んでみる。何?「交通機動隊」
・・・いいよ、今日は別に恐い存在じゃないから(笑)

少し待つと、インターフォンから声がする。
入口越しに中を覗き込むと、建物内部の壁から壁へ、何かを隠すような形で
インターフォンの受話器らしいケーブルが伸びているのがちらっと見えた。
壁に掛けてあるインターフォンを掴み、壁に隠れながら話をしているようだ。
・・・顔ぐらい見せたらどうだ。ここはアメリカか(笑)

狂ったように、怒りをぶちまけつづける女性に閉口しながら
なるべく穏やかな口調になるように注意しつつ、現状を聞き出してみる。
すると「本部から連絡が来ないんで、全然わからんです」とのこと。

ば・・・バカが・・・

テレビでも見とったら、どこがどんだけ渋滞しとるか解るじゃろ、
このボケナスがー!この、税金泥棒!(太田巡査的な怒りの爆発速度)

・・・と思ったが、公務員相手では、怒ってみても暖簾に腕押しである。
奴等の自己抑制能力と、糠に釘能力は大変に高いのである。
しょうがないので、確認おねがいします〜とだけ伝える。
あっという間に、インターフォンは切られた。

しばらく考えたのち、改めて、発券ゲートのほうに向かう。
すると、私が背広を着ており、なおかつ事務所の方角から来たから
勘違いしたのだろう。渋滞の先頭近くに居たトラックの運ちゃんが
なにやら怒りの混じった声で、チケットが出んがどうなっとるんじゃ
と言ってきた。
おいおい、ワシは一般人ですぞ・・・。
そのことを説明して、運ちゃんに現状を聞いてみる。
トラックの運ちゃんは無線での情報網を敷いているから、
尻の重い公共情報機関よりも、ずっと速い速度で情報が伝達されているはずだ。
道路の状況については、予想通り、敦賀以南はまともに動いているようだ。
そして、通行止めの状況も、私が知り得た内容のままで正しいらしい。
さらに聞いてみれば、渋滞の一番前に居るトラックも、京都行きらしい。
と、なると・・・だ。なんで、動いてないんだ?
どうやら、チケットを発行するゲートが開かないため
先頭にいるトラックが動けないらしいのだ。

先頭のトラック!この、バカモノ・・・

それだけのことが解ってるんなら、なんで
事務所まで「チケット出んぞ!」と言いにいかんのじゃ・・・ ;_;
呆れて、空いた口が塞がらなくなってしまった。

気を取り直し、おっさんをけしかけて、事務所に文句を言いに行かせる。
ちょこっと卑怯な私(笑)。さぁ、これでクルマは動き出すだろう。
なるべく急いで、なおかつ安全第一で自分のクルマの元へと戻る。
ここで足を滑らせて転倒して、動き出したトラックの下敷になるのは御免だ -_-;

あまりにも慎重になりすぎたためか、クルマの元に戻るころには
直前に止まっていたトラックまでが動き出していた。間一髪。
クルマの中で待機していた上司に、どうなったのか聞かれたので
かくかくしかじかの理由で止まっていたが、今動き出した、と伝えた。

「いい仕事したな!」と褒めてくれた。

フツーの仕事では、一度も言われたことがない褒め言葉だな(笑)

クルマが成す長い列は、亀の歩みではあったが、動き出す。
なんとか今日中(かつ、通行止めになる前)に、高速道路のゲートを通過。
この時点で、時計は 21時15分を指していた。
今日中には、帰れるかなぁ?
なんて思っていたが、それは・・・あまりにも儚い希望でしかなかった。

亀の歩みのままランプウェイを登っていく、トラック連中。
あれっ、この先って・・・長い間だれも通ってなかったはずだから、
クリア〜状態でしょ?なんでノロノロとしか動けないの?
果てしなく疑問が生まれてくるが、焦る気持ちを嘲笑うかのように
なぜか、トラックは亀の歩みを維持したまま、登っていく。
路面は薄いアイスバーンになっているので、ある程度は滑る感触がある。
ノーマルタイヤなら走れない路面だが、当然チェーンぐらいつけているよなぁ?
いやしくも、雪国の高速道路に乗ろうっていうんだからさ。

随分と時間を消費してから、ゆったりと本線に入る。
数台前を見ると、黄色い回転灯をつけた JH の重機が、ゆっくりと走っている。
ああ、これの後ろについて、ゆっくりと走っていたんだな。納得。
JH の重機は、すぐ先で、除雪作業をしながら進んでいるようだ。
ふぅん・・・高速道路の入場を制限していた今さっきまでの間
一体全体、何をしていたというのかね・・・(怒)
まぁ、いいか。

ここから先しばらくの区間は、結構な勾配の登り坂である。
重機を先頭に、登り坂をノロノロと進む、難民的状況の一団。
一団の足下の路面はそこそこ積雪しているが、かなり綺麗に除雪されている。
そのため、スタッドレスさえ履いていれば、ほぼ普通に走ることができる。
面白い(?)ことに、坂の所々には、放置されたトラックが止まっている。
トラックを避けるため、車列は1本になったり2本になったり蛇行を繰り返す。
想像でしかないが、これはきっと、雪装備をまったく持っていていなかった
トラックなんだろう。平坦地ならさておき、これほど急な登り坂は
それなりの装備がないと登れないからだ。
およそ数百m おきに止まっている、トラック。
運転手は、果して何処にいったんだろうか?
道路上を歩いて、武生 IC から降りて何処かに行ってしまったのか?
よくわからないが、もしそうだとしたら、凄い根性である ^_^;

ゆっくり動き続けていた除雪部隊は、ときどき止まるようになってきた。
これもあくまで想像だが、ここから先は、かなり強い積雪があったのだろう。
す〜っと走りながら除雪できるような状態ではないようで、先鋒部隊が
雪掻きに集中できるよう、直後に居る JH のトラックが通行を停めている。
雪自体は止み、空には星が見えている状態なので、一旦除雪してしまえば
今後はもう大丈夫だと思うが・・・。

最初は10分ほどしか止まらなかった除雪部隊だが、
そのうち、数百m 進んでは 30分止まり、40分止まり・・・
やがて、停止時間が1時間を越すようになった。
時計の針も、素直にそれだけ進むわけだ。大丈夫なのか・・・

やがて、頭上に現れてきた、電光掲示板。
その表示は、恐るべきことに

「この先 ユキ 通行止」

となっていた。

ぬ、ぬわぁにぃ〜!?通行止だってェ〜!?

現実問題として、我々は今、本線の上に居る。
あれっ・・・???

言わんこっちゃない!みんなモタモタしてるから、こんなことになった!
なんとか必死に怒りを静め、これから先、既に本線に入っている我々が
どういう扱いとなるのか、JH のトラック部隊に聞いてみることにした。
しかし、彼らは臨時雇われの傭兵でしかない。知っていることは
ひたすら道に沿って、この先の除雪を進める、ということだけだった。

クルマは、再びノロノロと動き出して・・・数百m 進んで、止まった。
おそらくまた、1時間ほど停車させられてしまうのだろう。
敦賀どころか、今庄 IC すら、まだ遥か先にあるのだ。
一体、こんなことを何時間続けさせる気なんだ?
そして、最終的に、我々はどういう扱いとなるんだ?

雪は止み、道は切り開かれつつあったが
絶望は、まだ我々の前に降り続いていた・・・。


1/17

さっきまで、16日の 22時だったはずの時計の針が
あっという間に向きを変え、17 日の 1時過ぎを指すまでになった。
状況といえば、相変わらずである。数百m 進んで、1時間止まって。
装備されていたカーナビで現在位置を確認するが、まだ武生のすぐ近くだ。
この率のまま進むとすると、敦賀に到着するのは何時間後だろうか?
まったくもって、進みが遅い・・・

当初の予定は、既に大規模に崩壊しつつあった。明日の朝に帰れればラッキー。
ペースの遅さに業を煮やしたのか、それまで二車線を除雪していた除雪車は
ついに右側車線だけを除雪するようになったようで、日野山トンネル手前で
左側車線は、真っ白な姿を見せはじめた。
しかしながら、真っ白と言っても、下道の惨状と比べれば
別に大した白さではない。冬用装備をしている自動車なら、楽々走れそうだ。
こんなの、わざわざ除雪しなくても、普通に走れるんじゃないのかなぁ。
きっとそういうことは、前後を走る同志達(?)も思っているはずだ。
しかし、生まじめな傭兵部隊は、僅かに残る雪を丁寧に掻いていく。

無為に、時間ばかりが過ぎ去っていく・・・。
レンタカーで帰ることにしたのは、失敗だったか?と思ったが
ラジオから得られる情報では、少なくとも電車は全く動いていない。
まぁ、電車で帰るよりはよかったかな、と、思い直すことにした。

両側に雪を抱え込んだ日野山トンネルを微速前進で抜け、
日野川沿いの北陸道の高架部分を、じわじわと進んでいく。
トンネルを1つ抜けても、雪の量はさほど変わっていない。
が、それまで止んでいた雪が、今度は霰となって降り始めた。
おいおい、勘弁してよ・・・(涙)

徐行運転は、続く。
なまじ適当な時間間隔で、行列は音もなく動き出すので
仮眠を取ることもできない。疲労はどんどん溜まっていく。
結局、今庄 IC の手前にある南条 SA まで辿り着いたころには
丑三つ時・・・ 2時半頃となっていた。
ふぅ・・・いったい、いつになったら帰れるんだ?

そのまま、ゆるゆると動き続ける行列の後ろに並んでクルマを進ませると
いつのまにか、南条 SA に入っていく経路へ。強制的に本線から降ろされた。
ええっ!?こんなに苦労したのに、ここまでしか進めないの?!
そんなバカな・・・
半泣きになりつつも、そういえば

今日は朝から何も食ってなかったなぁ

という大事なことを思い出したので、腹拵えすることにした。
食事ができるとなると、急に腹が減ってくるものである。
朝飯食ってからだから、16時間ぶりぐらいの食事になろうか。
貴重なパワーの供給点。まさに、沙漠のオアシス。

南条 SA には、同じような状況に陥ってしまったクルマが大量に流入し
各々が思い思いのところに駐車しているため、無秩序に溢れかえっている。
駐車場の入口だけはわかるが、出口はどこにあるのかわからない・・・。
ま、しばらくは出られないだろうから、いいといえばいいんだけど。
SA に掲示されている交通情報を凝視する。
誠に残念なことであるが、ちょっと前に見た電光掲示板は、正しい。
武生から敦賀を越え、木之本までの区間が、通行止になっているではないか!
ああ、やはり・・・もはや、これまでか〜。

諦めてラーメンを食い、トイレを済ませる。
その間ずっと外を見ていた上司、なにやら思いついた様子。
よ〜く見てみると、SA から外向きに動いているクルマがいるようなのだ。
そういえば、、、情報掲示板のある場所に駆け戻る。
大事なのは、その横にあるビデオ映像。そこには、この先の区間にある
今庄トンネルと敦賀トンネルの間の登り線の景色が写っていたのだが、
なんとその映像では、すいすいと走っているクルマが写っているではないか!

動いているじゃないかッ!この嘘つき!>情報掲示板

トイレを済ませ、急いで SA を出発。乗り遅れるな!

先にも述べたように、駐車場の出口がさっぱりわからないぐらい
クルマは無秩序に存在していたため、SA から出るのに少し手間取ったが
なんとか出口を探し出し、SA を出て南に向かう。さぁ〜朝までには帰れるかな?

甘かった。

さっきまでの路面もかなり酷かったのだが、
ここから先は、まだ除雪部隊が稼働していないようで

道は、説明不可能なぐらいに凶悪な状態となっている。

トラックによって圧雪となり、降ってきた霰によって止めを刺された路面は
高度にアイスバーン化してしまっている。もう「グリップって、なに?」状態。
挙げ句の果てに、降っては止んだ雪のため、激しい高さの凸凹ができている。
この、車幅が全然違うクルマが作り上げた氷づけの溝が、曲者なのだ。
真っ直ぐ走ろうと思っても、必ず片輪が轍の外側を走ることになる。
さっきから降ってきたのは雪では無かったので、新雪のグリップも期待できず。
チェーンを付けていればまだしも、スタッドレス車には厳しすぎる状況。
この先の道は急な登り坂ということも含め、つまり真っ直ぐ進むということが
もはや大変に困難を極める。積雪路面に慣れていて、なおかつ今までの
かなり酷い状況の路面上で無事乗りこなしてきた筈の上司ですら、手を焼く状況。
実際、速度計が 0km/h から上がらないぐらいの微速で登坂している途中、
大きなアイスバーンの凹みに前輪が入り込んだ〜と思った「瞬間」に

いきなりクルマが真横近くを向いてしまう状況にまで陥った。

(後続のクルマが、そこでそれまでの 6倍ぐらい車間距離を増やした理由 ^_^;)
歩くほどの速度しか出ていなかったことも幸いし、反射的なカウンターで
なんとか復活してくれたのだが・・・下手すればスピン&事故 or スタックに
簡単になってしまいかねない状態であった。終わっている・・・
四つの車輪に履いているスタッドレスは FALKEN の ESPIA だが、
これほど強烈なアイスバーンでは、ほぼ無能であるということがわかった。
これは、ESPIA の性能が悪いわけではなく、今の路面状態が
あまりにも酷すぎるいことを示しているのだ。恐るべし。

路面があまりにも酷すぎるせいか、SA の出口からずっと、左側の車線には
トラックから乗用車までありとあらゆる種類のクルマが、止まっていた。
ただ止まっているわけじゃなく、ある人は諦めたように運転席で眠りこけ、
ある人はトランクからチェーンを出し(スタッドレスに履かせるのだろう)
それぞれが、必死にこの過酷な状況と闘っていた。がむばれ・・・

それにしても、FF のファミリアSワゴンは、よくぞ健気にも坂を登っていく。
サスペンションがブッ壊れるんじゃないかというぐらいの衝撃を受け止めつつ。
1km ほども、死の行軍を続けたころだろうか。登り坂の傾斜は緩みはじめ
地図の上で今庄 IC が近づくころには、左側に止まっていたクルマの類いも
いなくなっていた。同時に、何故かここから先は、新雪が多く積もっていた。
で、この辺(今庄出口付近)からは、左が空いたため、一応2車線に戻ったのだが
積雪と轍があまりにも酷くて、実質的には 1.5車線しかない。
しかも、ところどころにある激しい凸凹は避けねばならないので、
1車線化してしまうことも数知れず。
ここまで、頑張って進んで来ている他のクルマとともに、
一生懸命に京都を目指す。がんばれ〜(←かなりヘナヘナになっている)

ドライバーの必死の操作でなんとか直進状態を保ってはいるが、
タイヤのグリップ感なんてこれっぽちもなさそうだ(滑りっぱなし)
路面の凸凹も激しく、オフロードを走っているような感じである。
凸凹にちょっとでもタイヤを取られてしまったら、即地獄行きって感じ。
そのお陰で、本当に亀のような歩みではあるのだが、それでも
着実に南に向けて動いているのは、大変に心強いことだ。

なんとか順調(?)に今庄トンネルを抜け、
いいペースで敦賀トンネルに入る。同じ向きに走るクルマの量も
少しづつ増えてきた。みんな頑張っているんだ。よ〜し、ここまで来れば
あともう一息で山を超え、敦賀に入れる。敦賀に入れば、雪も緩くなるはず。
朝までには京都に到着できるぞ!なんて思っていたのだが・・・

今回最大の悪魔は、ここで牙を剥いたのだ。

敦賀トンネルに入って 500m ほど走ったところで、なにやら
突如、トンネルの先頭から渋滞がはじまってきた。
ふうむ?いきなり渋滞?何が起きたのか?
JH の作業車らしきクルマが後方に入り、なにやらガナっている。
しかし、トンネル内は騒々しく、残念ながらなんにも聞こえない。
なんだ?何が起きたんだ?
まぁ、たぶん除雪団が前に居たりして、それが作業してるんだろう。
また1時間ぐらいで動きだすやろう、と楽観的になってきた上司と私。
実際、かなり眠たい。もう判断力も低下しきっているという状態。

どちらにしても、そのまま待つ以外に方法はない。
トンネルの中で響く、エンジン達の合唱。激しい轟音。
無機物を生き物のように感じさせる原動力の、機械の鼓動。
その音には我関せずといったように、一人勝手に、時計は針を進ませる。
・・・
30分以上経っても、まったく動き出す気配を見せない。

やがて、ずっとつけっ放しになっていた AMラジオの NHK 放送が
突如「プツッ」と中断した。そこにできた無音領域に被さる形で
JH からのアナウンスが入ってきた。
言い換えれば、JH による放送ジャックである。
NHK からの電波を完全に遮っている。トンネル内だからできる技か?
この状況自体、驚くべき状況なのだけれど、内容がまた・・・

「この先で停滞がおきているため、いつ動き出すかわからない。
トンネル内ではエンジンを切って、待っていてくれ」

その一点張りだった。
具体的に何が起きているのか。解消見込みはいつなのか。
その点については、全くなんの情報もない。
とにかく、今までとは違って、長丁場の停車になりそう、とは判る。
しかし、いつ動き出すのか全然判らないので、運転手は寝ることもできない。
また、あまりにも寒いので、エンジンを切るのも躊躇われる。
有料道路なんだから、その辺の情報提供は、ちゃんとしてくれよな!

再び NHK に戻ったラジオを、そのまま聞き続ける。
アナウンサーは、この区間が通行止になっていることしか教えてくれない。
そりゃそうだ。事故でもない限り、それ以上の情報は獲られないはずだから。
一方、頼みの綱の JH は、情報は流さず、一方的な命令を流し続けるのみだ。
インターネットか、i モードなら・・・などとも思ったが
残念ながら、このトンネル内部には携帯のアンテナが設置されていないらしい。
DoCoMo/J-PHONE とも、アンテナは1本たりとも立つ気配がない。
う〜ん・・・。

困っている間にも、時計の針はどんどん進んでいく。
トンネル内で停車開始したのは深夜 3時半ぐらいだったが、いつのまにか
朝 5時を迎えるまでになる。眠いので、時間の進みを早く感じるようだ。
ずっと AMラジオ放送だけは聞ける状態だったのだが、放送の内容は
深夜から、早朝のものに切り替わっていく。
おはようございます、と、女性アナウンサーの明るい声。
空しく響いてくる。
ここは、トンネルの中。24時間中、ずっと
人工の黄色い太陽に照らされ続ける不夜城だ。
ああ・・・昨日のうちに帰りたかったなぁ・・・
直接出社になるかぁ・・・疲れがどっと出る。

さらに時計の針は進む。 6時半ぐらいか。
トンネル内で停止してから、もう 3時間も経つ。
その間、状況に何の変化も無し。
ディーゼルの重厚な排気音が、トンネル内に木霊し続けるのみ。

少し、先の様子を見てみたい。しびれを切らし、防寒装備を付けて
クルマから降りる。トンネル内とは言え、車外の空気はキーンと冷たい。
湿度だけは高いので、かなり不思議な感じはするが。
外の空気を吸いたいと思ったので、トンネルの出口を探すが
後ろを見ても前を見ても、果てしなく物流トラックで埋まっている。
彼らもこんなところで足止めをくらって、えらいことになっているのだ。
目を凝らしてみるが、出口らしい明るさは見えない。
明かりが見えないことの他に、景色が何かおかしいことに気づく。
トラックの隙間から見える空気の色が、おかしい・・・。

白い。

ほんの 100m ほど先にあるはずの光景が、白く濁って見えないのだ。
こりゃ、かなりひどい疲れ目か?と思ったが、どうも違うようだ。
なにしろ、車外に立っていると、目が痛くなって、頭が朦朧としてくる。
・・・亜硫酸ガスか?一酸化炭素ガスか?
そういえば、居並んでいるトラックは、
3時半に停車してからずっと、アイドリングし続けているな。
ということは、白い煙は黒煙の微粒子なのか??
・・・みんな死ぬぞ、こりゃ ^_^;

会社と家に連絡を取りたかったので、
携帯を片手に、クルマの前後 30m ほどを移動してみる。
残念ながら、やはりその程度ではアンテナは立たない。
やはり、どこか外に通じている場所まで移動しないといけないようだ。
クルマが動けば・・・と思ったが、その間も、停滞が動き出す様子は無し。

まったく状況が改善されないまま、時計は 7時を指す。
ここには、食べるものも、飲むものもない。
しかも先述のとおり、空気は相当悪い。
また、どれだけ睨んでみても、前も後ろも、トンネルの出口は見えない。
ここは、そんなに長いトンネルなのか?
ともかく、連絡が取れないのはマズいな・・・。

ガスによる目の痛さはかなり辛いものがあったが
少し決心して、先の状況を偵察しに行くこととした。
ジャンパーの袖を口に当て、トラックの脇を黙々と歩いていく。
車外に出るとかなり息苦しい状況だが、じっとしていても始まらない。
黄色いナトリウムランプに照らされた煙が、はるか先のほうで渦巻いている。
その向こうには、かすかにではあるが、クルマの長い渋滞列が見える。
一体、この先に居る人は、どんな肺をしているんだ?人間なのか?

およそ 300m ほども歩いただろうか。トンネル内に作られた
小さな待避所に出る。そこには、非常電話があった。
携帯電話を取り出すが、アンテナは立たない・・・。
回りを見回すと、トラックの運ちゃんが外に出ていたので、
この先はどうなっているか?と質問してみる。何か情報を持っているかも。
しかし、おっちゃんは、いや、さっぱりわからん・・・と言った。
さしもの情報通・トラッカーも、どうにもならんようだ。

待避所で一息ついてから、考える。
この先の出口までの距離であるが、まったくわからない。
ただ解ったことは、ここから見える限りでも、トンネルの出口らしき光なんて
まったく存在しなさそうであるということだ。一体どこまで進めばいいのか?
さらにそこから、トンネルの壁に埋め込んである KP 表示を頼りに
700m ほど先まで歩いてみたが、それでもまだ出口らしき光は見当たらず。
そこから先の空気の汚れ方は、かなり酷かった。もう進めそうにない。
大変に残念ではあったが、いったんクルマのほうに戻ることにした。
ガスにやられ、両目からは涙をだらだら流しながら・・・

こりゃあもう、どうしようもない。
たぶんそろそろ動くはずだと信じ、そうしばらく仮眠を取る。
一睡もしていなかったため、いとも簡単に睡魔の手に落ちる・・・Zzz



目が覚めたのは、8時過ぎ。
ほとんど眠れないし、目の前に広がる景色に変化は無いし。散々だ。
時間ツブしのため、持参していたオートメカニック誌を出してきて読むが
色覚がおかしくなりそうな気がしたので、ほんの5分ほどで再びしまい込む。
ふぅ・・・。
メシも食えない。やることもない。眠れない。
でも連絡は取らなきゃならないし、残してきた仕事もあるし・・・。
どう考えても、今から始業時刻には間に合わないし・・・遅刻だぁ〜。
(まぁ、出張期間を延長したってことになるだけから、いいんだけど)
あ〜っ、なんて中途半端に悲惨な状況だ T_T

9時過ぎになり、30分おきぐらいにラジオから入ってきていた
単調極まりなかった JH からの状況報告に、変化が見られた。
どうやら、前方での除雪作業が終わり、移動を開始するようだ。
うわぁ・・・結局、6時間もここに居たことになるんだなぁ。
でも、それももう終わりさ。ふふふんのふん。

それから15分ほどしてから、クルマが動き出した。

よっしゃあ〜!サクサク進め〜!・・・あれっ?

500m ほど進んだ時点で、ふたたび流れが停止してしまった。
たった 500m の、夢見心地。
そのまま 30分ほど待ってみるが、動かない。
イライラが募る。
当然、トンネルの出口なんて全然見えない。
こういう時に限って、JH からの放送は入らない。
・・・

いったいどうなってるんだ!
そのとき、相当遅れて、JH からの放送が入る。
なんと、情けないことに、敦賀トンネルの先にあるトンネルで
再び、クルマの流れを塞き止めるような”何か”が起きたようだ。
しかも悪いことに、しばらくこのまま動かなくなりそうな気配である。

なんてこった! T_T

・・・も〜いいよ〜、この辺りで許してよ〜(涙)

再び仮眠を取ったりして、過ぎない時間を過ごす。
とにかく会社に連絡せねば・・・気ばかりが焦る。困った。
やがて、時計の針は 11時を指した。かれこれ8時間の停滞。
まだ、渋滞の列は動かない。
JH からの放送の内容にも、明るい話は無い。
このままでは、昼までに会社に連絡を取ることができない。
帰社予定を過ぎても連絡が入らないから、みんな心配しているだろう。
また、マツダレンタリースに、遅延の連絡を入れることもできない。
(本来なら、今日の8時過ぎにはクルマを返すはずだったのだ)
さて、どうしたことだろうか。

・・・
・・・
・・・

決心した。
連絡が取れそうな場所まで、もう一度、徒歩で移動することにした。
各車がアイドリングを再開してから時間が経ったため、トンネルの中は
完全にガスっている。かなり滅入った気分のまま、前方に向かって歩く。
20m も歩けば、目と頭がズキズキと痛んでくる。ひどい空気だ。

瘴気を吐き出すトラックの群れ、群れ。
「姫様、マスクを付けてくだされ!」
姫様は・・・ニコリと笑えるかい!こんなモン!
やっぱナウシカは凄かったんだなと思う(謎)

はるか前方(400m先)に、非常出口を示す回転灯の明かりが弱く見えた。
とにかくそこを目印として、必死に歩いていく。
なんとか辿り着くと、壁には大きな引き戸がついていた。
火災に耐えるためだろうか。大変に分厚く、頑丈にできている。
煤で真っ黒に汚れた把手に手を掛け、重いドアをゆっくりと開けてみる。
ここから地上に出れば、きっと連絡が取れるはず・・・。

そこには、ハンカチで口を押えた、トラックの運転手らしきおっちゃんが居た。
おっちゃんは、一応ネクタイをしている私の姿を見るなり
JH の関係者と勘違いしたのか、妙につっかかってきた。
一体どうなってるねん、とか、いつ出られるねん、とか。
こっちが聞きたいよ、まったく・・・。
まずは、一般人であることを説明。おっちゃんの攻撃を押し止める。
話を聞けば、おっちゃんは、あまりにも空気の汚れがひどいので
非常口に逃げ込んだが ここもヒドイ空気だったという。
このままじゃ皆死んでしまうぞ、と悲観していた。

確かに、ここの空気とトンネル中の空気の匂いは、同じぐらいに酷いものだった。
ただ、こちらの照明は普通の蛍光灯であるため、煙は向こうよりも濃く見える。
逆に言えば、向こうでは空気の酷さがかなり隠されて見えているというわけだ。
背筋が寒くなる。おっちゃんの言うことも、それほど大袈裟とは思えなかった。

(テーブルトークのノリで、情景を想像してほしい)

自分がここに来た理由を思い出し、地上への出口を探す。
正面と右側は、分厚いコンクリートによって、完全に閉じられている。
左手を見ると、引っくり返りそうな角度で上へと向かっている階段があった。
コンクリート打ちっ放しで施工されているトンネルの内壁は、
元々は綺麗な灰色だったはずだが、長年に渡る黒煙粒子の積層のせいか
ひどく古ぼけ、かなり黒くなっている。
完全にツヤを失ったその洞窟の壁には、黴一つ生えていない。
命をつなぐ非常口なのに、生命の存在を完全に拒んでいた。
静かに、換気扇か何かの装置が奏でる、野太い轟音が響いている。
まるで洞窟自体が、新たな生命体となっているかのようだ。

さて、青白い蛍光灯で照らされた階段を登っていけば、出口があるはずだ。
トンネルの中に充満している煙は、すっかりこちらまで回り込んでいる。
その結果、灰色の煙が、登り階段の洞窟の至るところを埋めつくし
20m 以上先の状況を見せることを、阻んでいる。
真っ直ぐなトンネルの奥のほうは、ただ黒い灰色に、ぼんやり光っているだけ。
その光も、向こうからやってくる希望の光ではない。トンネル内に埋め込まれた
蛍光灯から放たれた、無機質の白い光の成れの果てなのである。
本能的に恐怖を感じる。しかし、この先には、必ず出口があるはずだ・・・。

意を決して、その階段を登ってみることにした。
煙突のような効果があるのだろう。階段の上部の煙の濃度は、大変に高い。
一段一段登っていくにつれて、目と喉の痛みが酷くなっていく。
息も苦しくなってくる。少し、意識も虚ろになってくる。
40段ほど登って上を見上げるが、まだ先は見えない。
後ろを振り返ると、さっきまで居た小広間も見えなくなっている。
おっさんが見上げているはず、なのだが・・・。
しかし、非常口がこの状況だなんて・・・トンネル火災でも起きたら
この中は、濃度の極めて高い毒ガスで満たされることは必至だ。
絶対に逃げられないぞ。
ともかく、息が荒くならない程度に、ゆっくりと階段を登り続ける。
どれぐらい登ったか判らなくなった頃、前方の黒い煙の中に
うっすらと構造物が見えてくる。
非常口のマークだ。
ああ、階段も終りのようだ!
勇気を与えられ、上の小広間に辿り着く。
周囲を見回すと、右手に扉が見えた。下とは対称的な構造だ。
ともかく、ここを開ければ、外に出られるはず・・・!
核シェルターの入り口のような扉に手をかけ、一気にスライドさせる。

目の前に、ナトリウムランプの鮮やかな黄色光が飛込んだ。

えっ!?
まわりを見回す。ここは、トンネル・・・。
そこは、反対側(福井行き)の北陸道のトンネルの横っ腹に開けられた
非常口だった。そう、こんなところまでが対称的に作られていたのだった。
おっ・・・おい・・・そりゃないだろう!(涙)

下り側のトンネルは、と言えば、まったく渋滞していない。
上り側のトンネルの状況が幻のように思えてくる光景である。
何事もなかったように、トラックが、びゅんびゅんと勢い良く駆け抜けている。
空気が澄みきっているため、黄色い光が大変に美しい。
回りを見渡すと、はるか彼方ではあったが、トンネルの出口がはっきりと見えた。
ただ、真っ白い、まぶしい光が差し込んでいるのが見えただけなのだが。

開け放たれた、背後の非常口の扉からは
対向車線のトンネルの中に充満した煙が、もくもくと吹き出してきている。
煙突の代わりになっているようだ。
衝動的に、外に向かって駆け出したくなったが
非常口側には歩道がないので、歩道のある反対側まで
流れの良い高速道路を走って横切らねばならない。危すぎる・・・。
涙を飲んで、反対側トンネルから撤退することとした・・・。

体内に溜まった不健康な空気は全て吐き出したので、すこしは楽になった。
「絶望の出口」以外に、非常洞窟からの出口がないことを確認してから、
下の広間に、なるべく素早く戻る。
下の広間で待っていたおっちゃんに、上に行ってもどうしようもない旨を伝える。
おっちゃんは、かなり落胆して「でも、なんとかせな、、、」を連発。
私も同意しつつ、非常口からトンネル内に戻る。なんとかせな・・・。

トンネル内は、あいかわらずヒドイ匂い。
もっと先まで進んでみようと思ったが、ここから先は
毒ガス濃度が高すぎて、移動できない(私はガスが苦手なのだ)。
生命の危険を感じたので、残念だが、クルマのところまで戻ることにした。
その途中、非常電話を見つけたので、飛込む。現状を外に伝えるためだ。
受話器を上げる。専用線なので、ダイヤルは無い。1コールで、誰かが出た。
敦賀トンネル上り側の空気がひどいことになっているので、
換気扇のパワーを上げるか、全車のアイドリングを停止させるために
パトロールを出してください。声を振り絞り、逼迫した状況を伝える。
できることは、これだけだ・・・よろよろと、クルマのところまで舞い戻る。

待っていた上司に、先に進める状況ではなかった、と伝える。
また、公衆電話器も無かったことを伝える。疲れた。仮眠を取る・・・。



ふと見上げると、交機のオマワリさんが、とぼとぼと歩きながら
各車の運転席の中を覗き込み、なにやら言っている光景が見えた。
アイドリングを停めてくれている!
そういえば、さっきと比べても、ずっと音が静かになっているぞ。

時計の針が 1時前を指す頃には、トンネル内の轟音は静まり帰り
空気もある程度澄んできた。 これなら、先ほど進めなかった領域にも、なんとか進めそうだ。
まだ動きそうな気配はないから、そろそろ会社に連絡を取らねば・・・。
携帯を片手に、クルマを降りて歩き出す。

今回は、前ではなく、後ろ向きに歩いてみる。
トンネルの全長が解らないのだが、前向きに 1km 以上歩いても
出口が見えなかったのだから、恐らく入り口のほうが近いはずだと考える。
その期待は大当たりで、300m ほど歩いた時点で、後続のクルマの列は切れ
そこから先には、トンネル入り口まで、全くクルマが居ない状況ができていた。
ここまで来ると、空気もかなり清々しい。ああ・・・幸せだ・・・
深呼吸。
片手に携帯を持ち、アンテナ表示を確認しながら、出口へと走る。
途中、こちらへと向かってくる人影があった。
両手に荷物を抱えた JH の職員(メットを被っていたので、作業員か)だ。
先の状況は一体どうなっているのか、聞いてみる。
どうやら、先のトンネルで、凍結した路面を上りきれなったトラックが
横を向いたりしてスタックしているそうで、
それを排除するために凄く苦労しているらしい。
作業完了までの見通しは、全然つかないそうな。
それではこっちも困るんだけど、この、クソ寒くて足場がツルツルな中で
必死に作業させられている人も可哀想なので、ちょっと同情。
すると職員は、手に持っていた荷物・・・たくさんのビニール袋のうちの
1つをくれた。差し入れ、だそうだ。これ、この先まで配って歩くつもり??
JH のエラいさん、、、末端の職員にムチャさせたらアカンよ・・・。
感謝しつつ差入を受取り、トンネル出口までもう1走りする。

目的地であるところの、トンネル入口に到着。
トンネル入口に立ち、外を眺める。久しぶりの、色のついた景色だ。
いいなぁ、色がついているって・・・本当に。
とは言え、見える色のほとんどは、白と黒なんだけど(汗)
雪は、まだまだ降り続いているようだ。
昨晩からずっと降りつづいていたようで、雪はさらに深くなっていた。
これ・・・本当に、今日中に脱出できるのだろうか?もう、笑うしかない ^_^;

トンネルの入口手前が停滞の最後端かな〜っと思っていたのだが、後続が居た。
入口の手前 100m ぐらいのところに、紫色をした重機が1台止まっていて
そこを先頭としたクルマの停滞列ができていた。
重機は JH のモノのようで、停滞を複数のセクションに分割しているらしい。
賢明な判断だとは思うが、外で待つのは寒そうだなぁ・・・(実際、強烈に寒い)
空気は悪いけど、暖気が充満しているトンネルの中で、よかったのかなぁ。
ちらつく雪を見ながら、携帯電話をぱかっと開く。ここなら電波も届くだろう。
さて連絡しようと思ったが、よく見ると

「圏外」

の文字が。
ここはトンネルの外じゃないかぁ!なんでぇよぅ ;_;

あたりを見回すと、オヤジがぽつんと立っていた。
羽毛が抜け替わるまえの雷鳥の羽色のような色の服を着たオヤジは、呟いた。
「アンテナ立たへんやろ。」
してやったり、という表情だ。他にハマっている人を見たかったのか。
苦笑するしかない。まさか、外に出ても連絡が取れないとは・・・。
ドコモ/J-PHONE ともに見てみるが、どっちもダメだ。
降りしきる雪の中、50m ほど先まで歩いてみたが、やっぱりダメ。
無念・・・

せめて、と思い、トンネル入口に張り付けてある、トンネルのプロパティを得る。
なんと、長さは 3200m 超!めちゃくちゃ長げェじゃねえかぁ!(涙)
記憶の糸を手繰ってみる。入り口に一番近い KP 表示は、60.5 KP ぐらい。
クルマの所在地に一番近い KP 表示は、59.5 KP だから、入口から 1km か。
ということは・・・

出口までは、2.2km。

なるほど、幾ら歩いても、先が全然見えなかったわけだ。
納得したが、同時に、ガックリきた。2.2km!
普通の道ならともかく、あのガスまみれの空気の中を、2.2km・・・。

外気を肺いっぱいまで吸い込んでから、トンネルへと戻る。
相変わらず、静寂に満ちている。どうやら、移動する様子は無いようだ。
いつになったら、脱出できるんだろうか。
どうにもならない焦燥感と絶望感の入り交じった空気が、
黄色いトンネルの中を埋め尽くしていく。
とぼとぼと歩き、クルマに戻る。

昼も過ぎ、腹も減ってきた。
さきほど貰った、差し入れの袋の中を開ける。
固く握られたおにぎりが2つと、缶入りのお茶が1つ。

涙がでるほど嬉しい。

おにぎりを1つだけ食い、パックを閉じる。
もう1つは、もっと長期戦になったときのために、取っておく。
そんな状況は考えたくもないけど、「無い」とは言えない。

時計の針は、13時過ぎを示す。
JH からは、まだ、作業が進んだというアナウンスが無い。
今は「先のトンネルで、渋滞中です・・・」という言葉ばかり。
擱座しているトラックを動かすだけのことに、何を手間取ってる?
ブルドーザーで押し退けてしまえばいいじゃあないか。(Dio 的暴言)

まだ動く気配がないということは、昨日 16時に借りたレンタカーに
貸し出し期間延長依頼の連絡も入れないといけないということだ。
もう、何があっても、各方面に連絡を入れないわけにはいかない。
しびれを切らした私は、もう片方の出口に向かうことを決意。
地図を見る限り、2.2km 先にある、もう片方の出口を出れば
そこにはまさに沙漠のオアシス、杉津 PA があるらしい。
さすがに、ここには携帯のアンテナも立っているだろうし
飲み物や情報の補充も可能だろう。
何がなんでも、ここに辿り着かねば。

上司に、約 2km はあるから、往復で 40分以上はかかります、と
一言告げてから、出発。MIA 扱いになると困るから ^_^;
ポケットには財布と携帯電話、心には耐える力を詰め込んで、出発。

交通機動隊アイドリングストップ部隊(仮称)の見回りが効いているようで
午前中と比べて、空気はかなり綺麗になっている。かなり先まで見通せる。
まだまだ、目が痛いぐらいのガスは残っているが、移動できない状況ではない。
これなら、途中でくたばることは無いだろう。
武者震い一発。遥か遠い目標地点まで、ゆっくりと歩き出す。
トンネル側壁に打たれている非常出口までの距離と、KP 表示だけが
現在歩いている地点を知る、唯一の方法だ(時計があれば概算の距離も出せるが)
歩く。ひたすら歩く。呼吸はかなり楽だが、目は痛い。喉も痛い。
それにしても・・・高度経済成長期、大工業地帯に住んでいた人たちは
毎日をこんな状況下で暮していたのかと思うと、やりきれなくなってくる。
やっぱ、おかしいよ日本。こんな恐ろしいもの(排ガス)を放置しているなんて。
同時に、サーキットでのタイムが欲しくても、触媒だけは外すまい、と誓った。

かなりのペースで歩いて、2つほどの非常口を越える。600m 以上は歩いたか。
相当に苦しくなってきたころに、その次の非常口を示す看板があったのだが
背筋が寒くなった。

その先の非常口までの距離は、1070m。

あと 1070m かぁ・・・って、えっ!?1070m!?
(というか、それって出口のことじゃ・・・)
まだ 1km 以上もあるの!?もう、死にそうだよ・・・
・・・しかし、現実問題として「非常出口まで 1070m」と書かれていたとして
その看板によって勇気づけられる人が、どれぐらいいると思う?(笑)
この看板を作った人は、きっと苦笑していたと思うのだが、どうよ?

でも、ここまで来た以上、引き返すわけにはいかない。
私には、先へと進まなければならない理由がある。だから、進む。
あまりの目の痛さに、涙をボロボロ溢しながら。

歩く。
ひたすら歩く。
歩く・・・
歩く・・・
歩く・・・
目が痛い・・・
でも、歩く・・・

いつまで経っても先が見えないので、もうダメか〜と思った頃
なにやら、先方が急激に明るく見えてきたきた。もしや・・・
時計を見る。出発してから 20分。
歩行速度から考えて、距離的にもそろそろと考える。
歩みを早める。明るさは次第に白みを増していく・・・

あっ!!!出口だ!

数珠つなぎになっているクルマの隙間から、真っ白い光が飛込む。
間違いない、これは出口の・・・さきほど見た、外の光だ!
光の景色の中に点在する、携帯電話で話をする人々の姿も確認できた。
やはり、PA がある出口側は、携帯電話が通じるのだ。
よ〜し、これで連絡が取れるぞぅ〜!

喜び勇んで、トンネルから飛び出す。
携帯を取りだし、ドコモ/J-PHONE ともにアンテナが立つことを確認。

まずは急いでレンタカー屋に電話。貸し出し期間の延長を依頼する ;_;
また、連絡が遅れたことを詫びたが、関西方面にもこの状況(大雪)は
伝わっているようで、その点を責められることはなかった。ありがとうマツダ。

つづいて、会社に電話。現在地、そして現在の状況を伝える。
さすがにここまで連絡が遅れるとは思っていなかったようで、いろいろ聞かれる。
電話口の向こうに、現在陥っている状況を、できる限りの言葉で伝えてみた。
こういう時、言葉はもどかしい。写真を1枚送れれば
それだけで、すべての状況を伝えることができるはずなのに・・・
なお、貯まっていた仕事は、先輩が適切に処理して下さっていた。大感謝。

最後に、自宅に電話して、現時点で無事であることを伝える。
昨晩のうちに帰る、って言ってしまっていたから ^_^;

必要な連絡は全て終わったので、状況確認と買い出しを行う。
トンネルの外もやはり、中と同じようにひどく渋滞していた。
見える限りの先まで、ずっと渋滞が続いている。これは、動かないはずだ。
また、クルマの列とは別に、人の列が PA まで続いていた。
買い出し部隊だろうか?それとも、トイレ部隊(謎)?
その流れに乗って、私も PA へと向かう。

PA は、大量のクルマと人で、ごった返していた。
西宮名塩 SA と勘違いしてしまいそうなぐらい、人がたくさん居た。
PA の人も、これだけの量の人を捌くのに、かなり苦労しているようだ。
そりゃそうだ。南条 SA と違って、こちらはずっと小規模なのだから。
人混みの間をすり抜け、自販機にて缶コーヒーを2缶買う。

人心地ついたので、PA から見える雪景色に見入りつつ、一息ついていると
先の方から順にクルマが動きだしまっせ〜という意味の放送が入った。
おっとっと、いけない。こんなところで、のんびりしていては。
急いでトイレを済ませ、再び、トンネルの中の長い長い道のりを、歩く。
放送の内容は各車に伝わっていたようで
エンジンを掛けて待機しているトラックが、一気に増えた。
先のほうの空気は、またもや真っ白になっている。

あいたたた・・・
勘弁してくれ〜 T_T
目と体を襲う亜硫酸ガス攻撃に、へこたれそうになりながら
必死に、クルマのある方へと戻っていく私。うう。
もう二度と、こんな思いはしたくない。

全身から力も抜け、もう完全にぐったりした状態で、到着。
連絡を完了したことを上司に伝えたのち、くたばる。

時計の針は、14時半過ぎ。
ラジオからは何度も、そろそろ動き出すという連絡が入る。
みんな、期待を込めてエンジンを始動している。もちろん、我々も。
・・・が、動き出さない。なぜだろう?
PA の前の分だけでも、捌けたはずでは?
頭を捻ってみるが、渋滞は動き出さない。

やがて、放送の内容はふたたび

「渋滞の解消がいつになるかわからない・・・」

というモノに、戻った。
・・・(怒)
そっ、そんなアホな!
今、動き出すって言うてたやないか!
今更止めるーって、どういうこっちゃねん!
せめて現状、この先がどうなってるかぐらい、説明せいや!

それまで押さえ込んでいた怒りが、だんだん爆発しはじめた。

「お腹が空くと、怒りっぽくなるんだなぁ」(C)R・田中一郎

いかんいかん。怒ってもはじまらない。
残していたおにぎりを食って、怒りを鎮める。

かれこれ 12時間は、トンネルの中におるんよ。しかも、ずっと一処。
もう、日記として書くネタを集める気力も、なくなってくる。
時計の針が進んでいくのを、目の隅で追うのみ。

やがて、時計の針が 17時を指すようになった頃、
ようやく、渋滞の列は動き始めた。今まで何しとったんや・・・
動いたといっても、徐行速度である。トロトロトロトロ・・・

長い長いトンネルを、一時的な停止を織り混ぜながら、進んでいく。
「渋滞の解消がいつになるかわからない」という放送が
再び入ってきそうで、生きた心地は全くしなかった。
ただひたすら、先行車よ、しょうもない失敗せんといてや、と
普段は信じてもいないし、今でもどこのものかもわからない神様に
祈り続けることが、気を確かに持つ唯一の方法であった。

祈りが神に通じたのか、そこから先は、もう停滞することは無かった。
もう、トンネルの出口は真っ暗だったが、ナトリウムランプの黄色い光から
解放されただけで、鬱積していた不穏な精神が一気に解放されたのは事実だった。
じつは軽度の閉所恐怖症にかかっているかもしれないと、思ったりもした。
って、そんな奴が、カプチやら AZ-1 に平然と乗れるとは思えないが ^_^;

トンネルから出たところで、時計を見る。19時を過ぎていたであった。
つまり、およそ 16時間ほど、トンネルの中に封じ込められていたわけだ。

16時間・・・

爆発的な爽快感と疲労感が、同時に襲ってくる。
孫悟空の気持ちが、少しだけわかったような気がした。

しかしまだ、今庄〜敦賀間に多数存在するトンネルのうち
たった1つを、無事脱出しただけに過ぎない。
ここから先が、まだ長いんだ・・・。

路面は、昼間に降った雪によって、凍てつきの度合いがさらに増えていた。
トラックや重機が好き放題に踏み固めたため、路面は再びアイスバーン化。
さらに、どうやってできたのか解らないが、アイスバーンの最下層近くまで達する
凸凹が、ランダムに出来ていた。その段差は 10cm ほどもありそうに見える。
昨日の南条 SA 出口も酷かったが、まだその上を行っているぞ、これは。
いとも簡単にハンドルを取られ、明後日の方向に向きそうになる。
または、いとも簡単にアイスバーンの穴ぼこに嵌まって、スタックしそうになる。
果てしなく危いぞ、こりゃ・・・
しかし、ここまでの悪路を無事走破してきたドライバー達は、へこたれない。
低速ながらも、車列はゆるやかな上りを着実に進み、葉原トンネルに到達する。
傾斜の感じから、どうやらここが
北陸道の武生〜敦賀間で、もっとも高い地点のようだ。
ここから先は、もう下りだけ。スタッドレスを履いていれば、制動は心配なし。
上りきれるかどうかわからない上りよりも、ずっと不安感は少ないはずだ。
他のクルマも、延々とアイスバーンを走り抜けてきた猛者ばかりなので、
今更、スピンして道路を塞いでしまう〜なんてこともないだろう。

山頂を越えたとはいえ、このあたりは、まだまだ日本海側に属する。
武生側と同じように、ひどく積雪して、路面はアイスバーン化していた。
ぼっこぼこになっているアイスバーンを、必死の思いで下るクルマたち。
なんとかみんな、無事に下ってほしい・・・。
路面からの激しい突き上げに悩まされつつも、ひたすら祈る。

やがて、除雪作業で道路の両側に振り分けられた雪のため
極端に狭くなった視界の中に、街の明かりが見えてきた。

あれは・・・あれは、敦賀の火だ!

おおっ!かえってきた〜っ!(喜)
目的地は遥かに先なのだが、なんだか大変に嬉しかった。
苦しかった 16時間を、無意識のうちに忘れようとしているのだろう。

その後は順調に、、、とも言えないが・・・なんとか、這々の態で ^_^; 進み
北陸道敦賀 IC に到着。降雪のほうは一段落しているが、
まだまだ、路面の状況はヒドイ。ヒドすぎる。
ここに至っても、まだ「ぼっこぼこのアイスバーン」である。
この先、木之本までの路面も、同じようなものなのだろうか?
先がまったく見えないことに対する不安に怯えていたら、
本線上に JH の作業車が止まり、通せんぼをしていた。
作業車の上には、左向きの矢印を書いた、大きな看板が乗っている。
左を見ると、そこには敦賀 IC 出口が存在していた。
え!?まさか、この先はひどい積雪で走れない、とか??
ここまで帰ってきたのに、またここで足止めをくらうのっ?!

と、めっちゃビビってしまったが、なんのことはない。
矢印の方向に進んでいくと、「チェーン検査場」の看板が。
チェーン装着のチェックを行なう検問が、IC の料金所付近に置かれていた。
まぁ、検問と言っても、ニンジンを持ったオマワリが1人居るだけだけど。
・・・って、おい!

今までの道を、雪道装備無しに完全に走りきることって
ど〜考えても、物理的に不可能やぞ!

現状に即していない検査のために、無駄なカネを使いおってからに。
寒そうに震えながら検査をするオマワリのおっちゃんが、可哀想だった。
スタッドレス装着をチェックされたのち、高速道路に戻される。
がんばってな、おっちゃん・・・。

敦賀 IC 以北が激しい状況だったので、かなり心配だったのだが
敦賀 IC 以南は、全く違い、路面の積雪は僅少であった。
シャーベット状の雪が、路面を覆っている程度。
この雪質は、スタッドレスタイヤが最高に威力を発揮できる。
アイスバーンで見せていた頼りなさは、一気に吹き飛ぶ。
今までの遅れを取り戻すように、クルマは制限速度一杯で走り抜ける。
その領域でも、夏用タイヤと遜色のない剛性感と乗り心地を発揮。
最近のスタッドレスって、すごく進化しているんだねぇ。感心。

あっという間に、賤ケ岳 SA まで南下。
ずっと助手席に居ただけとは言え、緊張しないわけではない。
安心感とともに、どっと疲れが出てしまい、助手席で眠りこける・・・



気がつくと、そこは米原 JCT だった。
検札書にてチケットを出し、北陸道から名神高速に戻る。
関ヶ原ぐらいまで南に下れば、残雪は無いかと思ったが
道の脇のほうは白かった。この辺でも、かなり降っていたようだ。

名神の西行きは、なぜかガラガラに空いていたが
東行きは、トラックの団体がすごい勢いで走っていた。
大量に並んだ速度警告灯の緑色が、まぶしく明滅。
UFO が移動しているかのよう。ある意味、幻想的である。
しかし、なんで団体になって走ってるのかな?
関ヶ原のあたりでも通行止があって、足止めでも食っていたのだろうか?
南のほうは全然チェックしていなかったが、見ておくべきだったと反省。

クルマは順調に南下を続け、最初の目的地であるところの八日市 IC へと到着。
ここで高速を降り、しばらく走ったところにある上司宅にて、上司が降りる。
ここでドライバー交代。本当に、お疲れさまでした・・・ T_T

さて・・・あとは、自宅までトロトロと帰るだけ。
どういう経路で帰ろうか。時計を見ると、22時前ぐらい。
これぐらいなら、一般道も空いているだろう。
あえて高速に乗る理由もなかったので、R8 → R1 経由で帰る。
途中、自宅に電話して、夕飯が残っていることを確認しておく。

これで、帰るまでにやっておく必要のあることと言えば、GS での給油だけだ。
金沢〜京都間は 250km 前後なので、それほど燃料は減らないはずなのだが
途中であんなことがあったので、燃費は著しく悪い。針は E 近くを指している。
給油量が増えそうなので、なるべく安いところで入れたいな、と考える。
私の知っている範囲で一番安いのは、間違いなく大津(の、すこし瀬田寄り)だが
この時間に、安売りの GS が開いているという保証は無い。
次点で安いのは瀬田だったと思うので、その辺りで、営業していた GS に入る。
しかし、こんなことがあってもいいのか?

GS側のタンクが空で給油できない、と言われた。

・・・こんなこと言われたのは、今回は始めてである。
というか、そんなことってありうるのか?実際。
だって、それって、営業できないっていうことじゃないか・・・。

不運きわまりない出張の最後を締めくくるに相応しい事件(?)だった。

近くにある別の GS を探し、そこで給油を完了。

こんな時間だというのに、いつでも交通量の多い R1。
滋賀県内は、ほとんどの区間が対面通行となっている。
さらに、滋賀県→京都市の境目にある逢坂峠手前で R161 の片割れと
合流するため、そのあたりで、軽い渋滞が発生することが多い。
R1 は対面通行のまま峠を越え、坂を下りきったところで、道なりに右へ曲がり
平走する高速道路の下をくぐったところで、ようやく車線数が2つに増える。
しかも、長さ 1km ぐらいはありそうな、長い下りのストレートとして。
そのストレートの路肩は非常に広く、また、高い植え込みが作られている。
ストレート終端は、名神高速京都東 IC と R161(湖西道路)、そして R1 が
複雑に合流しているため、広場のようなゼブラゾーンなどが多数存在する。
賢明なドライバー諸氏なら、想像がつくだろう。

ここは、ネズミ取りのメッカなのだ(だったのだ?)。

今週の私はとことん不運つづきであるため、今日は絶対に危険だと判断し
2車線に別れたところで、60km/h で左側車線を走る軽トラックの後ろに
ぴったりと張り付く(制限速度は 50km/h なので、保険の意味で車間を縮める)

果たせるかな、ストレートエンドの植え込みの切れ目から
こちらにリアウインドウを向けた 1BOX車が止まっているのが見えた。
リアウインドウ内部には、怪しげな機材のようなものが見えなくもない。
ウッシッシ引っ掛からねーゼと思いながら、その横をゆっくりと通りすぎ・・・

ピカッ!

1BOX のリアウインドウが、激しく明滅する。
えっ!?なにそれッ!?こんな速度でも捕まるの!?
はげしく動揺(汗)

俺じゃないぞ俺じゃないぞ、速度出してるのは前の軽トラックだぞ(笑)と
念じながら、フラッシュを焚きやがった 1BOX のほうをもう一度見る・・・

リアウインドウには、鏡のようなフィルムが貼られていた。

はァ!?
さらに、よ〜く見る。
機材のように見えたものは、リアウインドウ両側に付けられたカーテンと
ウインドウに貼られた、田舎 VIP チームのステッカー様のものだった。
落ち着いて車体色を見てみれば、白ではない。淡いメタリックグリーン。
その先を見てみても、サイン会場は作られていないし、人影もない。

・・・紛らわしいところに、紛らわしいクルマ止めてんじゃネェ!(怒)

結局のところ、1BOX のリアウインドウに貼られた鏡のようなフィルムに
ヘッドライトの光が反射して、光ったように見えたということらしい。
今日は怒ってばっかりだ。カルシウム足らんかな。

23時過ぎごろには、無事に帰宅完了。
完全にくたびれた。風呂に入り、飯を食ってバタンQ。

それにしても・・・
高速道路の通行止め区間の中って、あんな状態だったんだ。
人っ子1人居ないのかと思っていたが、現実は、雪難民が溢れていたのだ。
また、16時間もトンネルの中で足止めされるなんて、そうは無いことだろうし
おそらくは滅多にないような経験をすることができたということで
ある意味、運が良かったとも、言えるのかな?

(・・・こんなことは、もう二度とない、と・・・信じたい ;_;)

1/18

当然、次の日は普通に出勤せねばならないのだった。
出勤のついでに、自宅の近くの道路に置いておいた
ファミリアSワゴン君を、会社の近くのレンタカー屋に帰す。
当然、そこに行く迄に、普通の路面を普通に走ることができるわけだ。
こういうチャンスは余り無いので、これ幸いに、クルマを味わえる道で出勤。

結論としては、重たくてデカい割には結構曲がるなぁという印象。
1.5L モデルということで、多少非力ではあったが、バランスは良い。
これなら、普通のオトーサンでも、比較的安全にドライブできそう。
ただ、なんつ〜か〜・・・この〜・・・

a. ステアリングを切ってから曲がり出すまで 0.5 秒以上かかる。
b. アクセルペダルの微少な領域の感度が高すぎ、深いところが鈍感すぎる。
c. ブレーキの効きがリニアでなく、制動力を微妙に制御しづらい。

というあたりが、気になるところ。
(まぁ・・・そういうクルマじゃないっていうことなんだけど)
スタートダッシュに限定すれば、走りのほうもけっこういいし
最小旋回半径がでかすぎる(FFの宿命)以外は、悪くないクルマだ。
ただ、続けて乗りつづけたいなぁ〜という感触は、なかった。
1BOX 車に乗っているときのような、一体感のない感触。

今回の出張で感じたことだが、
やっぱり平生から雪道を走り慣れていないのは、良くない。
雪道走行を実現するために、スタッドレスが欲しくてしょうがなくなる。
現実問題として、我が家のクルマのうち、雪道に対応しているのは
僅かに、オヤジが乗っているミラアバンツァートR1台のみ。
スターレットとカプチーノのタイヤサイズはほぼ同等なので
スタッドレスタイヤを共用できるなら、買っても全く損をしない。
(家族車のスターレットには、スタッドレス等の雪道装備がないのだった)
たぶん・・・マルチ PCD に対応した鉄ホイールなら
カプチとスターレットの両方で、同じ 13インチホイールが履けるはず。
だいたい 3万円ぐらいで、タイヤとホイール一揃いが買えるかなぁ。
真剣に考えることにしよう。

1/20

出張期間が強制的に伸ばされてしまったために、
他の仕事が思いっきり押されてしまった。
しょうがないので、休日出勤して、残っている仕事を片付けていく。

定期を買っていないこともあったし、早い時間に切り上げて
色々と遊ぶための材料を買い出しに行きたいということもあったし。
カプチを駆り出し、会社の近くの有料駐車場にクルマを停める。
(20分100円の時間貸し・・・もっと安いところは無いかいな?)

空はどんよりとした灰色に包まれている。
今週もまた、週末は天気が悪いなぁ。タマランなぁ・・・
ブツブツとぼやきながら出社。

朝の9時ごろから出勤していたので、かれこれ4時間程度か。
昼過ぎになって、ある程度の仕事の目処がついたので
あと1時間ぐらいたったら、切り上げて帰ろうかな?と思い、窓の外を見る
雲行きが怪しかったからなぁ。雨が降ったらイヤだなあ・・・

雪が降っていた。

うおお・・・雪だよ・・・
どうせ、京都市南部(今出川通よりも南側という意味)で降る雪は
昼間であれば、滅多に積もらない。かなりお気楽に考えていた。
窓際から離れ、残っていた仕事をこなしていく。

しばらくして、昼飯を食うために外出していた上司が、帰ってきた。
開口一番「めちゃ積もってるで。」

数々の嫌な思い出が脳裏に甦る。慌てて窓に駆け寄り、外を見る私。
そこには、降雪のために真っ白になりつつある道路があった。
雪は、それでもまだ足りんと言わんばかりに、強く降り続ける。
うっ、うげっ!?
残念ながら、昨日の今日っていうタイミングだったため、
まだ雪用のタイヤなんて、準備できていない。これはヤバイぞ!

幸い、仕事はほぼ完了していたので
出荷物を取りまとめ、急いで帰宅の途につく。
外に出て、改めて事態の深刻さを目の当たりにする。
雪は、かなり強く降っている。大通りはまず大丈夫だろうが
うちの会社の前の道のような「路地」は、積雪でかなり危い状態。
ちなみに、有料駐車場の前も「路地」なので、かなり危いと予想された。
足を滑らさないように注意しつつ、駐車場に急ぐ。
やはり、駐車場の前の道には、1cm 程度の積雪ができはじめている。
暖気運転もそこそこに、クルマを駐車場から出す。
駐車場の中も雪まみれだが、ゆっくり走る分にはなんとかなる。
でも、バック走行中に、タイヤが雪を踏み固める「ゴゴゴッ」という音が
大きく聞こえてくるのは、あまり気持ちの良いものではない ^_^;

シャーベット状になっている部分を慎重に選びながら
路地をゆっくり走り、大通りに合流するT字路手前の緩い坂で、止まる。
安全を確認してから、発進・・・うむむ。

滑る。滑る滑る滑る。

ホイルスピンするばかりで、前に進まない。
・・・参ったなぁ。一応これでも、シャーベット状の部分を選んでいるのだ。
こんな程度の雪だというのに、もうトラクションが掛らなくなるのかよぅ。

やっぱ、スタッドレスとチェーンを買おう。

しょうがない。超微速でクラッチをつなぎ、ゆっくりと脱出。
ノーマルクラッチのままにしておいて良かったと思った瞬間(笑)

さて、発進は無事完了した。
目的とする方向は、右側。T字路を右に曲がりながら、
加速のため、ほんの少しだけアクセルを強く踏む。
ツツツッっとリアが出て、大変に小さな半径で曲がることに成功(笑)
あっはっは、、、こりゃあ、曲がるのは楽チンだな ^_^;

いつもなら、裏道を抜け、東山を超える峠道で帰宅するところだが
そんなところを走って帰れる筈がないので、今日は大通りルートを選択。
七条通を烏丸まで進み、そこから五条通に出て、五条坂を越えて山科に戻る。
右折および直進はさておき、左折するときは吹きだまりに入るため
いくら大通りとは言え、気を抜くことはできない。疲れるクルマじゃ。

山科に戻り、出荷作業のため、勧修寺にあるクロネコヤマトに向かう。
クロネコは大通り沿いにはないので、一番交通量が多そうな道を選ぶ。
しかしさすがに、京都市内の一級国道とはワケが違う。
椥辻に向かう道あたりで、路面の雪がどんどん深くなってくる。
黒くないのだ。降雪量に対して、交通量が追い付いていない ^_^;
こんな路面だと、さすがにそろそろヤバくなるかな?と思い
後ろと対向にクルマが居ないことを確認してから
3速 40km/h のまま、アクセルをククっっと底まで踏む。
ブーストがかかる間では普通に加速するが、4000rpm を超えるあたりから
急激にトルクが出始めるため、一気にホイールスピン。
おおっ、直線路で、3速からホイ〜ルスピンしますから〜。
なんだか、すげ〜パワフルなクルマになった気分だぁ(笑)
逆に言えば、そうなるほどグリップしない状況というワケで・・・
アクセルを緩め、微妙に舵を修正し、直進状態を維持しながら進む。

宅急便の集配所に、無事到着。出荷物が入った封筒を渡す。
これで用事は終わった。長居は無用なので、急いで自宅へ向かう。
問題は・・・
自宅に向かう道は、クルマ通りの少ない急な登り坂であることと、
表通りからガレージにつながる狭い道も、急な登り坂であること。
平地でもホイールスピンするようなクルマで、登りきれるのかよ・・・。

まずは、第一関門にさしかかる。でも、これは要領がわかっている。
絶対にやってはいけないことは、ラフなアクセル操作と、途中での一旦停止。
ギアを2速に入れ、僅かにアクセルを踏んだ程度のままで、坂を登り続ける。
このままでうまく行くかと思っていたのだが、ある程度登ったところで
アクセルを僅かにしか踏んでいないのに、リアが空転して、流れはじめる。
そこは緩い左カーブ。ステアリングを入れている最中だからたまらない・・・。
とにかく対向車が居なくてよかったよ〜(安堵)っていう感じである。
しょうがない。アクセルを抜いて、アイドリング回転数のままで登る。
しかし、こんな程度(シャーベット状の雪が大半を占めている状態)の積雪でも
リアが噛まないのには、参った。それが故に速度も出ないから、安全だけど。

雪国で FR に乗っていた昔の人が、トランクに砂袋を積んでいた理由も理解。
駆動輪の上に「エンジン」という錘が乗っている FF や MR は、まだ走れる。
しかし、駆動輪側の荷重が軽くなっている FR は、何か錘を搭載しないと
本当にタイヤが路面を噛んでくれないのだ。

発進する時に。

平坦地でも結構辛いのだが、登りの坂道となると、発進するのは絶望的。
理屈の上ではリア荷重になっているはずなのだが、滑り降りる力のほうが強い。
坂道発進でもがき苦しんでいる FR 車を見たら、助けてあげて欲しい ^_^;

さて、自宅の前に到着した。あとは、車庫入れのみ。
カプチの車庫は、かなり器用なところに作られている。
幅 2m もないような急な坂道を、バックで登っていかねばならない。
普通の日なら別にどうっていうことはない道なのだが、今日は・・・

案の定、バックの途中で軌道を修正することができない。
勢いがついていると、ステアリングを切っても、真っ直ぐ走ろうとしてしまう。
かといって「一旦止まって・・・」なんていうのも無理。
一定速度で登り続けないといけない。一度でも止まると、もう横にしか動かない。
うう・・・(涙)
何度も何度も、坂の下まで戻り、ピッタリと方角を合わせ、勢いをつけて登る。
(この坂が真っ直ぐだったら楽だったのだが、実はかなり横に傾いているのだ)
しかし、横幅 2m 前後とは言え、片側には洗濯物を干すための台が置いてあって
実質は 1.7m もない。大変に狭い道なので、下手に勢いをつけて登ると
途中で横滑りしたときのダメージが、かなりでかい。
勢いをつけつつも、慎重にバック。
3回ほど繰り返して、ようやく車庫にクルマを納めることができた。
ふぅ・・・(汗)めちゃ疲れた。
クルマを車庫に納め、エンジンを切り、景色に見入る。
ここまで来れば、雪はもう「ひとごと」なので、気楽なものだ(笑)

AZ-1 氏から、電話が入る。
実は今日、デフ入れ作業が完了した日だったらしい。
必死になってクルマを取りに行ったんだとか。お疲れ様 ^_^;

1/21

本当に、天気というものは、わからないものだ。
昨日あれほど猛威を振るった雪雲もどこかへ去り、今日はソコソコいい天気。
時折、薄い雲の合間から陽光が差し込む。道路の雪は、順調に融けつつあった。
昼過ぎには完全に融雪すると睨んで、午前中はリアサスの調整を行なう。

街乗り+峠程度の走りなので、結論として正しくないかもしれないが
現状のリアサスの縮み側ストロークに怪しさを覚えていたので、
まずは車高を 2cm 下げ、その代わりとしてプリロードを 2cm上げる。
差引で、車高の変化は 0cm となり、縮み側ストロークが 2cm 増えた計算。
これで、現在抱えている不満が、どう変化するか、だ・・・。

若干、シャーベット状の雪が残る町中へ出陣。
町中では、さすがに大半が水と化したようで、特に問題なく走れる。

リアの縮み側ストロークが足りていないと見たのは、一部正解のよう。
乗り心地は、ぐっと良好になった。
ギャップを越えたときの妙な突き上げ感が、相当緩和されている。
ということは・・・
今まで、やたらにリアが出たがっていたように感じられていたのは、
単なる、サスの設定ミスだったってェことだろうか。そう考えるのが自然だな。

考えてみれば、ここ一ヶ月で 300km ほどしか走っていない。
そのせいか、クルマ全体から感じる重さが、ちょっと増えているように思う。
そのうち、天候が良い日を選んで、どこか遠くへ足を伸ばさねばなるまいな。

道の悪いところばかりを選んで走っていたら、STRAIGHT に着いてしまった(笑)
ちょっと顔を出しておこうかと思ったが、駐車場が満杯だった。改めて出直す。
ついでに、竹田の AB に立ち寄り、スタッドレスタイヤを吟味しようと考える。
しかし、なぜかスタッドレス売り場は大幅に縮小されていた。
お目当てのモノが無かったため、他のブツを軽く見てから引き上げる。

帰り道、勧進橋の GS にて、久々にガソリンを入れる。
レギュラーガスを給油してもらっている最中、突然ドアをノックする音が。
そこには、店員の制服を来ていないニイチャンが立っていた。
ん?知り合いかな?と思ったが、どう考えても、見知らぬ人だ。?。
何の用ですか、と聞こうと思うよりも早く、ニイチャンは妙なことを言い出した。

「フィラーキャップを見たときに思ったんですが、
エンジンの汚れがひどいようなので、クリーニング剤を入れませんか?」


来た来た、ついに私のところにも(笑)
ほうほう。ガソリンのフィラーキャップを見ただけで、
エンジンに至るまでの汚れがわかるんかいな?(大笑い)
そんな簡単に診断する方法があったら、本気で教えてほしいぞ。
(ちなみに、フィラーキャップ回りは、たいへん清潔に保ってある(笑))

しょ〜がねェなァ〜、と思いつつ

いえ、メンテはちゃんとしてますから。

と、ぞんざいにお断り。一昨日来やがれ。
燃費は 12km/L 強というところ。あまり良ろしくないね〜。
やっぱり遠出してないからなんだろ〜な〜。

最後に、設定を確認する意味で、将軍塚へ繰り出す。
ここは山の陰になるため、道路の脇にはまだまだ雪が残っている。
まずはゆっくり走って、路面状態を確認。
五条側はさておき、三条側の残雪は、相当にひどい。
ほとんど全てのコーナーで、立ち上りのラインで使う
アウト側の領域が、雪達磨が融けかけたような雪の団子であふれている ^_^;
また、タイヤとタイヤの間(跨いで走る部分)にも、硬い残雪が残っている。
どっちも「踏んだら最後・・・」という感じであった。
今日は、普段に増して、安全側に振ったライン取りしかできないなぁ。

三条側の下まで下り、まずは三条の登り側から試してみる。
全体的に、リアが粘るようになり、かなりアンダー気味な感じに戻った。
ノーマル車高の時の挙動に近くなった。つまり登りタイトコーナーは苦手化。
ストロークはさておき、リア車高は、もう少し上げてやったほうが良さそうだ。

また、最初のヘアピンの立ち上りで、我慢できずにアクセルを深く開けていくと
リアがズルッ!と流れる。いくら粘るようになったといっても、絶対量は僅かだ。
ウェットに強い DNA GP も、ここまで路面温度が下ると、全然役に立たない。
アンダーとオーバーの間ぐらいを慎重に使いながら、まずは駆け上がる。
続いて、五条側から。つまるところ、下りとなる。
残雪のこともあり、滑りだすと本気で恐いので、ペースを上げられず。
なにしろ、下り2つ目のカーブ(因縁のカーブ)の外側は雪で充満しており
ウッカリ間違うと、いとも簡単に事故になりそう。慎重に雪を避けて走る。
その先のクランク部には残雪が無かったが、グリップ感も全然ないので
あんまりうれしくない感じ。こちらも慎重に下っていく。

下りの1速ヘアピンにて、途中からアクセルを無理矢理開けてみると
面白いぐらいに外に逃げていく。素直なサスとゆうか、なんというか・・・。
もうちょっとフロント粘れよ〜と言いたくなる。少しRを上げてみようか。

再び、三条側からの登り。
1つめの左ヘアピンを抜け、逆バンクでだらだらと曲がっていく右カーブの途中
間違って、外側に残っていた残雪を、フロント側で踏んでしまう。
その瞬間、待ってましたとばかりに、スウッ!と逃げるフロント。
うわったったった。
幸い、外側には若干の余裕を取っていたので大丈夫だったが、
たまったもんちゃうなぁ ^_^;

クランク部を登りで処理している最中、脱出姿勢がうまく作れなかったため
立ち上りでテールが流れ、不要なカウンターを当てるハメになる。
ああ・・・ヘタクソ。

そんな感じで少しだけ楽しみ、事故しないうちに帰宅。

物置の片隅に転がっていた、かつて EP82 が履いていた 13inch の鉄ホイール。
カプチは、こいつを履けないだろうか?
調べようと思ったが、見るからに PCD が 100mm だったので、諦める。
やっぱり、マルチ PCD の鉄っちんホイールを買わねばいかん。
それにしても、鉄にも関わらず、13inch のホイール+タイヤは軽くていいなぁ。
下手な 14inch の鋳造アルミホイールより、軽いんではないだろうか?(笑)
カプチに履ける 13inch の鉄ホイール・・・買うのも癪だ。解体屋に行くか。

夜は、インターネット時間。
今日もまた、情報収集のために入っているカプチ MLから、大量のメールが。
ざっと斜め読みしていくと、冬ならではの投稿が見当たることが多い。
この時期の、カプチ ML の恒例行事・・・「事故りました」報告。
ただでさえ、Wウィッシュボーンのクセに後輪の接地能力が低いカプチーノ。
冬場は、頼みの綱「タイヤのグリップ力」が極端に低下てしまうため、
要注意なのである。

1/25

"2ch" からの引用ネタで恐縮。
エンジンオイルのスレッドで、
-------------------------------------------
その昔AM誌で食用油や水(!)を試してたっけ。
意外にも水でも結構走ったらしい。
-------------------------------------------
とゆ〜のがあった。水といえば、深夜のオイル添加剤通販(笑)
稼働中のエンジンのカムカバーを外して、水をぶっかけるという奴。

あのエンジン、そういえばアイドリングしかしてなかったな・・・。

1/27

明日は出勤なので、雨はザァザァ降っているが
今日のうちに出来ることをしておく。

まずはスズキに行き、エアコンのコンデンサーを発注。
2年前の事故の後遺症の1つ。コンデンサーからのガス漏れ。
前にも書いたように、接着剤で穴を塞いだつもりだったが、
しばらく経ってから該当部を見てみたところ、やはり漏れは続いていた。
確か、エアコン配管の高圧側の内圧は、12kg/cm2 ぐらいだったかな。
そんな圧力に、そこらで売っているような接着剤で対抗できるはずがなかった。
決して安い部品ではないが、暑がりの私にとっては、タービンキットよりも
ずっと大事なモノなのだ>エアコン
このクソ寒い時期なら、R12 ガスも多少は安く買えるかもしれないと踏んで
まずは部品を注文してみると、\15kと言われた。
コンデンサって、そんなに高かったのか・・・(汗)
ほんと、事故なんてするもんじゃないなぁ、と、改めて思う。
フロンの抜き取りと真空引き・再充填だけお願いできれば、あとの作業は
自分でできそうなものではあったが、今回ばかりはプロにお願いする予定。
自分で作業してエキパンバルブ詰めちゃったら、泣くに泣けないからねぇ。

ツナギマスター(そろそろ名前覚えろよ)が部品番号を確認してくれている間
一番若そうなニイチャンが、「Kスペに載ってませんでした?」と聞いていた。
えー、あー、うー・・・去年の7月末にあったKスペジムカーナの記事で
ちょこっとだけ載ってましたね、と答える。まさか、気づかれていたとは ^_^;
参戦予定の TTW は、かなりガンバラないと、いい恥サラシになりそうだ(汗)

帰り道、ちょこっとだけ裏手の峠で頑張ってみるが、まだしっくり来ない部分が。
ラジアルタイヤでは、スーパーHの F 3kg/R 2kg ぐらいが、性能を発揮できる
上限だったのかなぁ。やっぱり、足を活かしきるため、Sタイヤを買うかなぁ。
色々と悩み耽る。
まずは、とりあえず R のスタビを外すか。
ロール時のメカニカルグリップが欲しいから。

帰宅後、パワフロのスポンジを交換。8000km ぶり。
ディーゼル車輛の多い都会を走っているわけではないから
それほど汚れが強烈なわけではないが、気分的な問題で。
しかし HKS のパワフロ、フィルターを抜けた後のパイピングに
細か〜い埃のようなものがそこそこ付着しているんだけど、これは何だ?(笑)
通販なら K&N のフィルターが安く買えるから、換えようかなぁ。なんか不安。

TVを見る。東京では大雪らしい。
・・・2週間前を思い出すぜ(笑)

工具箱の中を整理していたら、純正アッパーマウントを構成する部品が
一揃い、出てきてしまった。そういえば、純正のサス Assy、バラバラにしたまま
別々の箱に入れて保管しているなぁ・・・空間のムダだ ^_^;
ということで、純正のショック Assy を組み立て直すことにした。
保管に要する空間の節約のためと、現状の足回りに異常が起きたとき
いつでも純正のものと Assy交換できるようにしておくため。

必要なパーツを全て揃え、スチームクリーナと水で洗浄している最中
デフ入り AZ-1 氏がやってきた。おおっ、本日いよいよ出撃(?)っすか。
作業の手を休め、雑談に興じる。

「面白いものを見せてやる」と、AZ-1 氏。
それは、デフ組み込みをディーラー(スズキ共販と同じ場所にある)で
行なったときに貰った、明細書であった。どれどれ・・・?

エンジン脱着およびデフ組み込み工賃、\37800。

なんでそんなに安いですか ^_^;
(たしか、エンジン脱着だけで \30k だったはず・・・???)
ついでにクロスミッション組んでもらったらよかったかもね(笑)

クロスミッションではなく、ついでに e・eel も着けてもらったらしく
「随分と感触が変わった」と言う。ほう。どう変わったんかいな?と思ったら
ちょろっと運転させてくれるらしい。しかも、天ヶ瀬で(笑)。

善は急げ。宇治を抜け、久しぶりの天ヶ瀬に繰り出す。
まずは氏の運転で(今月はこのパターンが多いなぁ)天ヶ瀬へ。
途中の道で全開をくれてもらったが、確かに、音がかなり良くなっている。
購入当初の「軽トラの音」ではなく「スポーツカーの音」になってきた。
点火系とアーシングだけで、本当にここまで変わるものだろうか?
(ちなみに、氏の AZ-1 の吸排気系は、完全ノーマルである)
しかし、実際に変わってしまうのだよなぁ。不思議である。

幸い、午後になってから雨は止んだのではあるが
晴れているわけでもなし。午前中の雨は、路面を完全に濡らしている
その所為もあるのだろう。長坂峠に至るまでの間のカーブの至るところで
ゴゴゴゴッという、機械式のデフが奏でる不協和音が聞こえる。
その音を聴いて、妙な違和感を感じているらしい AZ-1氏。
いやいや・・・この音こそが、デフが入っている証っす。

天ヶ瀬に行く前に、何故か、宇治山中のダム湖に寄っていくことになった。
ダム湖かぁ・・・めちゃくちゃ久しぶりだなぁ。何ヵ月、行ってないだろう?
ちょっと新鮮な気分になりながら、ひさびさに通るダム湖の道は・・・

落石だらけだった(大汗)

大人の頭2つ分ぐらいはあろうか、と思われる
巨大な赤茶けた落石が、これでもかというぐらいに、ゴロゴロ。
幸い、軽自動車が通る分には支障がない位置に転がっていたけど、たまらんな。
・・・つまり、それだけ地盤が弛くなっているということなのだから(汗)

道がそんな状況なので、走っているクルマは皆無。
あっというまに、関西電力所有のダム湖に到着する。
いったんはクルマを降りたが、あまりにも寒いので、すぐに車内に戻る。
ダム湖の水位は、極端に低下していた。湖の底の方に、僅かに貯まっている程度。
今まで何度も来ているが、一度も、ここまで水位が下ったのを見たことがない。
雪が降って満水になっているかと思ったのだが、いったいこれはどういうこと?
(揚水発電所のための池なので、雪は関係ないという説もあるが・・・)
どうやってもわからないので、我々は、考えることをやめた。

ダム湖を離れ、天ヶ瀬ダムに向かう。ほどなく到着。
天ヶ瀬ダムを抜けて、表コース→裏コースまでざっと流す AZ-1氏。
今日はウェットだから無理はできんよね〜と言いつつ、こういうときこそ
無理のない範囲で色々試さないといかんのだよ、と思ったりもする。

曽束大橋まで辿り着いたところで、運転手交代。
無理をしない範囲で、ありがたく運転させてもらう。
吸排気系がノーマルだから、下からモリモリとトルクが出て、非常に乗りやすい。
こういうのを見ると、私も排気管をノーマルに戻そうかなぁと思ってしまう。

ペダル配置に慣れていないため、どうもヒールトゥができない。
それどころか、ブレーキペダルすら踏みにくい。めちゃくちゃ走りづらい。
ペダルを踏み間違えて事故ったらシャレにならんので
進入はめちゃくちゃ抑えて、立ち上がりでデフの動作を確認。
1.5WAY でイニシャルは 4kg だそうだが、ウェット路面での動作は実に自然。
ざっと裏コースを流してみるが、トルセンデフ入りカプチと比べて明らかに

・加速中のステアリングインフォメーションの無さは凄い ^_^;
・ステアリングをほとんど切らなくても曲がっていくのは凄い ^_^;
・出口でアクセルを開けてもトラクションが逃げる感じがしない点が凄い ^_^;

FF と同じように、ぎゅぎゅ〜っと巻き込んで曲がっていく感触がある。
ステアリングの感触が不安定になるハイスピードコーナリングさえ避ければ
AZ-1 のほうがトラクションを稼げるから、たぶん速いだろうなぁと思った。

裏コース終端部分まで来て、さぁどうすべぇと考えた。
表に戻ってもツマラナイし・・・もう一度、裏を走ろう。
宵待橋の西詰めのT字路の手前で、停車。
見える範囲で、左右後ろの道路ががら空きになっていることを確認してから
アクセルターンで 180度回り、後ろ向きになって走り出す。
悔しい!と AZ-1 氏の声。自分にはできないから、だそうだ。
こんなぐらいなら、1時間も練習したらすぐにできるようになるって ^_^;

戻りは、ゆったりと戻る。ゆったり走っているときの音は、かなりいい感じ。
カプチよりも剛性感が高いこともあり、値段相応の高級感は、充分にある。
ああ、やっぱりノーマルマフラーっていいなぁ。私もノーマルに戻そうか。

帰宅後、ZOIDゼロを鑑賞。
結論として「ZOIDゼロは、現代アニメにおける時代劇である」
ということとなった。しかも、かなりデキのいい時代劇。

あと、氏が持参してきた、中島みゆきの CD の中から
「地上の星」「ヘッドライト・テールライト」
WAV に落とさせてもらう。近いうちにサントラを買う予定なので、前借り ^_^;

氏が帰ったのち、純正ショック Assy の組み立て作業を再開。
サービスマニュアルの通りに部品を組み付け、上から体重をかけて押さえ込んで
バネを縮め、すばやくボルトを絞め込んでいく。ちょっと危い作業方法。
スプリングコンプレッサー使うのが、面倒だったもんで・・・ ^_^;

大雪に見舞われた東京の道路状況が知りたかったので、
JARTIC のサイトにアクセスするも、サーバ能力不足で繋がらない・・・
あそこのサイトは、いつもこれだ。見たいときには、繋がらない。
サーバの増強を、強く望むところ。

1/28

今日も出勤・・・。
クルマに乗ることはできても、なかなかイジることができない。
オフシーズンのうちに、デフを降ろして、磨耗具合いを確認して
デフマウントブッシュの隙間にシリコンコーク流し込んで・・・とか、
カムカバーを外して、ラッシュのエア抜きをして、ガスケット交換して・・・
とか・・・あと、サビ落としとか、やりたいことは一杯あるんだけどなぁ。

ま、寒いから作業しないっていうのも、あるんだけど ^_^;

夕方、帰宅してから本屋に出かける。サスの具合いを確認する意味も込め。
このあいだ少し変更してみたリアサスのストローク設定、および
前後ショックの減衰力設定が、まだもうひとつしっくりこない感触。

リアサスは、今度は伸びが僅かばかり不足している感触があるので、
伸び側に 5mm ほど振り直し、なおかつ車高もそれぐらい上げてみようと思う。
縮み側ストロークを確保してから、今度は妙にアンダー気味になったので。

ショックについては、そろそろ慣らしも終わりつつあるということと、あと
少しばかり収まりが悪い感じがしたので、前後ともに0段から1段に上げてみた。
ただ、これがどういう方向に作用するかというのは、まだ不明である。

しかし、今こうやってちょっとづつ、ストリート向けに設定を追い込んでいるけど
変化してしまった車高の分を補うように四輪のアライメントを取り直したら
また0から設定しなおしになっちゃうような気がしないでもない。
(車高調は設定地獄に陥る・・・ってやつだなぁ。)

ああ、設定を追い込む時間が欲しいにょ・・・