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Cappuccino 日記(2006/12)

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12/2

ざっくりとプロットをまとめ、さぁ今週末からネームを始めるぞと思ったところで
いきなり休日出勤にて出鼻を挫かれる。くそう。こうなったら勢いつけていくぞ。
カプに乗り、ブリリバリリと出勤。昼過ぎという時間帯だったため、ガレージは
なんとか空いていたが、それでも満杯に近い。年の瀬が近づいたことを痛感する。

駐車場にクルマを止め、会社まで行く道中にソフマップがあるので、立ち寄る。
ここ数日、買おうか買うまいかずっと考えていた小型 MP3 プレーヤーを購入。
RWC というメーカーの THUMBSTICK SOLID AQUA というブツ。ほぼ \5k。
値段のわりに、機能・性能ともになかなか優れている。初期の MP3プレーヤーを
知ってる身としては、ぶっちゃけこんなもんでも超高級機に思えてしまう。

その後、22時まで仕事をしてから帰宅。駐車料金は、一日最大 \1.4kから \1.6kに
値上げされていた。なんてこった。また、少しでも安い駐車場を探さねばならぬ。

帰り道、なんとなく暗闇を走りたくなり、いつもの高速周回路へと出かける。
ステアに伝わるすさまじいシミーはさておき、なんとなく、全体的に安定度が
微妙に悪くなりつつある感じを受けた。175幅のラジアルタイヤという範疇では、
いろんな意味で足りなくなってきているのかねぇ。でも 185幅は入らないし。

クラッチのミート位置が少し手前になってきていたので、調整して奥ギリギリへ。
普通に走っていて違和感がなくなる位置を探してみる。調整ネジをかなり緩める
ことになった。クラッチ板が少しは減ってきたということだろう。強化クラッチの
寿命末期がどのような特性を示すものかがわからないだけに、心配の種が増える。

また、空気が冷たくなって密度が上がったせいか、加速に若干の重たさを感じる。
ブースト計の針は4速全開で 1.3kg/cm2を指している。ちょっと上がりすぎだな。
加速に重たさを感じる原因ではないと思うが、ともかく ECU の仕様外の値だから
ブーコンのツマミを少し戻し、1.2kg/cm2ちょいへと値を修正する。

一方、路面が冷たいくせに、ブレーキはなかなか快調。ある程度の速度域までなら
確実に安定したストッピングパワーを発揮してくれる。もちろん、本当の意味での
フルブレーキングは絶対に踏めない。このクルマのブレーキ時の挙動は、80km/h
までの範囲でしか確認していないためだ。もっと高速域に慣れ、親しみ、理解し、
把握し、使いこなし、無意識領域にもっていく必要がある。そのためには、
大きめのサーキットに行かねばならない。近畿なら、セントラルサーキット?

帰宅。少し休んでから思い出す。そういえば、任意保険の証書がまだ来ていない。
保険の期限切れは 12/5。間に合わなかったら大問題だ。月曜日に催促しよう。


12/3

・・・寒っむぅ。

カプの健康管理。念のために、バッテリーの各セルの比重を計っておく。
1セルだけ僅かに違う程度で、あとは5セルともほぼ同じ比重を示す。問題なし。

ついでにスターレットのほうも計る。こちらは無負荷時電圧が明らかに高い
(カプより 0.3V 程度高い)が、比重はカプのバッテリーとほぼ同じ。どちらも
ほぼ同じ温度(=外気温)のはずなんだが、どうしてこんな差がでるのやら?

マニ付近を軽く点検。修理した跡からは、まだ排気漏れなし。もう少しは
持ちそうな雰囲気だが、いつか再発することには違いなかろう。時間があれば
マニを外し、根本的な修理を施さねばならないのだが・・・さぁ、どうするよ。



というわけで、今日からようやく原稿開始。スタートが遅い分、がんばらねば。
箇条書きっぽく文章で書いたプロットを、テンポが悪くならないように注意しつつ
最終的なページ数にあわせてざっと分割。分割結果をもう一度読んで、最終的な
コマ配置の結果を妄想しつつ、ネームを書く。ネームを書いて、テンポが悪いと
思ったところはプロットを見直し、分割位置を調整・・・これを繰り返す。

この時点では、まだ絵なんてまるでできていないに等しい。構図を決め、透視線を
入れ、キャラクターの雰囲気をざっと書き、頭をあらわす○に十字線を入れ、
セリフの文字を配置していく。また、人物の表情を考えながら、顔にパーツを
置いていく。この時点で十字を無視することもあるが、厳密な絵ではないので
あまり気にしない。それよりも、人物の意思がなるべく表に出るように意識する。

たとえば、こんな感じだ。



こんな、我ながら不安になるレベルのネームを作っていく作業を延々と繰り返す。


12/9

作画作業に熱中していると、自動車保険の証券が届いた。内容は昨年度と同じで
いいっすと指定したら、弁護士費用負担特約がついてこなかった。ホームページを
見る限りでは自動付帯されるはずだったのだが、契約の内容をじっくり読むと、
私が契約してきたタイプの保険だと、上記特約は自動付帯されないと書いてある。

まぁ、その分だけ値段は安くなっていたし、どうしても必要な特約でもないので
あえて保険屋に連絡は取らなかったが、こういった、正しくないことが書いてある
ホームページってのもあるので、重要な契約を決めるときは慎重な行動が必要だ。



それはさておき、作業開始から一週間で、ハルヒ分の主線入れまでが完了する。
睡眠時間を削りたおして死にそうな状態だが、まぁなんとか、オンスケジュール。

今回、時間がないこともあり、下書きを経由せず、ネームから一気に絵を起こす。
この数ヶ月、ホームページ更新のために毎晩ひたすら手を動かし続けた努力が、
いまここで試される。ネームに書き込んだ記号を拾って、線を書き上げる。



ここまで来ると、少しは先が見えてくる。ちょっとは精神的余裕も出てくるのだが
気は抜かない。本業のほうを狂わせないように努力しつつ、睡眠時間を削って
副業(?)の作業で命を削る。夜になると眼精疲労が極大に達し、目を開けて
じっとモニターを見ることができなくなってくる。片目づつ開けて作業を続ける。



・・・いったいなぜ、オレはこんなにこんなに毎日毎晩苦しんでいるのか?

本業だけに集中して、夜はゆっくり休んだらいいじゃないか。どうせ、たいした
才能も技量もない、夢だけが一人歩きする素人絵描きなんだ。健康を害するまでに
がんばってみても、本職の絵描きや才能のある絵描きのようには立派な絵は描けない。
立派な成果は作れない。努力した結果は、他人の記憶に残ることもなく、せいぜい
棺おけの中に持ち込めるような、ごく小さな自己満足として残るだけだ・・・

でも、これが真実であるにも関わらず、体力の限界まで努力することを止められない。
もう、麻薬のようなものだ。創作意欲というものは、どうしようもないものなのだ。
ものづくりに快感を覚えた人間は、オナニーを覚えたサルだ。恋するオトメだ。
理屈でわかっていても、もう止められない。致命的に壊れるまでは止まらない。
オレはもう、自分の作品に、致命的なまでの恋をしているのだ、きっと。



こっ恥ずかしいクソポエムはとりあえず置いといて、今晩もまた努力する。


12/10

ずっと原稿を書きつづけという状態で、日記に書くようなネタはない・・・
こともなかったか。いくつか、やった作業をメモとして記録しておこう。

まず、ちょっと前に秋葉原に出張したときに購入した、小型ドライバッテリーを
サブバッテリーとしてカプチーノに搭載するための方法を軽く検討する。

セルまわしている最中にナビと HID への電源供給を止めないことが目的で、
放電している時間はきわめて短いことが特徴になる。ナビだけであれば、
スーパーキャパシタをうまく使えば誤魔化せる負荷かもしれないが、
HID まで賄うとなると、小型バッテリーでないとちょっと厳しい。

この程度の用途でアイソレータを買うのも馬鹿馬鹿しいので、手持ちの部品を集めて
データ取り。部品箱に転がっていた電力用ダイオードの性能を確認してみる。東芝の
6CC13 というシリコンダイオードだが、ショットキーではないので順方向降下電圧が
結構大きい。ほとんど電流を流していない状態で 0.5V。ドライバッテリーの性能表を
見ながら考えるが、これだけの電圧降下が発生すると、充電量が不足する可能性が
高い。ただでさえ、運転時間(=充電時間)が稼げない用途向けだから、悩む。
他に、スイッチングレギュレータの高速整流用ダイオードアレーも(なぜか)
在庫にあったはずなのだが、あれはどこに消えたのか・・・見つからない。
とりあえず、製作はいい部品が見つかってから、ってとこだな。



買出しに出かけるため、カプチーノのエンジンを始動。タービンを交換してから
一年半程度になるが、いまのところ E/G は快調。オイルの量を点検すると、少し
減っている。だが、その分はオイルキャッチタンクの中に移動したようだ。
少し多めに入れたオイルは、クランクで叩かれてオイルミストとなり、
ブローバイに乗って吐き出されたのだろうと想像する。

暖機を終えたら出発。すっかり下がりきった温度のせいか、フロントのカーボンメタル
ブレーキのタッチはとってもスポンジーだ。そのため、制動力の立ち上がりが遅いが、
それが意外といい方向に作用し、路面グリップの低い温度環境下でも安定したブレーキが
可能となっている。思い切って強めに踏むとロックするが、そこに至るまではマイルドだ。

高速周回路でブーストの設定を合わせたせいで、1/2速での加速がちょっと弱い。
ブースト計を見ると、1.1kg/cm2 しかかかっていない。5速全開で 1.2kg/cm2
守るように設定するとこうなるんだな。HKS の EVC はブースト値設定を2セット
行えるので、2つめのセットのほうでは、2速で 1.2kg/cm2 かかるように設定。
体感差は微妙だが、ちゃんとブーストを掛けると、速度計の上がりかたが違うなぁ。

発進/停止を繰り返している最中、リア右サスペンション付近から聞こえてくる
キコキコという音が気になる。すごく気になる。以前は確か、サスアームの取り付け
ボルトが僅かに緩んでいたために発生していたノイズだが、今回は完全に締まっている
ことを確認している。だから、違う場所が異音の発生源だ。はて。バネかな?



帰宅。速度域を上げると、空気の壁に阻まれて戻りが遅くなるワイパーを見ていて
ふと、カプチーノのワイパーに BOSCH の AEROTWIN MULTI を付けてみたくなった。
だが、BOSCH のサイトの適合表には「カプチーノ」の記載がなく、いけるかどうか
まったくわからない。博打で購入するには高すぎるしなぁ。どうしようか。


12/14

原稿描きを継続するうち、メモリーの不足を痛切に感じるようになってきた。
現在のメインマシン(Athlon64 X2)には 1GB のメモリーを挿しているのだが、
COMIC STUDIO と Photoshop を同時に立ち上げると、いとも簡単に使い切る。

CPU パワーの向上に伴い、扱う画像の寸法を4倍ぐらいに上げてしまったのが
一番の原因だと思うが、とにかくスワップによってパフォーマンスが落ち、
せっかくのデュアルコアの威力が半減してしまうという無意味な状態に。

この状態を回避するためには、メモリーを足さなければいけない。会社近くの
PC 屋の中古を漁り、DDR2-667 の 512MB メモリーを2枚購入。ブランドは elixir。
元々刺さっている 1GB 分が NANYA の DDR2-667 なので、まぁまぁ揃っている。

メインマシンを分解して、残ったメモリースロット2つに 512MB を2枚装填。
FD から起動して memtest を走らせ、しばらく様子を見る。とりあえず test は
1周は走ったので初期不良はなかろうと判断し、実際に使いはじめてみる。

結果として、休止(ハイバーネーション)に入れない場合があるという問題が
見つかる。メモリーの使用量が増えるとダメになることがあるらしい。1GB のときは
問題なかったのだが、2GB にすると失敗する・・・なんでだろう。メモリーの不良も
一瞬頭を掠めたが、そうだとするとそもそも使っている最中に停止するはずだ。
Web を調べてみるが、WindowsXP の場合で似たような事例はあるものの
Windows2000 では特に報告されていない。まったくもって原因不明。

一応、メモリーのチェックを行うため、memtest を夜通し走らせてみる。


12/15

出勤して帰宅後、memtest の結果を確認。昨晩から 19周走っているが、
まったくエラーなし。これなら、メモリーに問題があるとは思えない。

とりあえず安心し、原稿描きを続ける。


12/16

ちょっと話が変わるが、会社で使っているノートPC を、PentiumIII の ThinkPad X24 から
CoreDuo U2500 の Dell Latitude D420 へとリプレースした。かなりの性能の高さが
期待されたのだが、体感的には、メモリーさえ十分に積んでいれば PentiumM ULV の
Latitude X1 とあんまり変わらない程度に思える。更には、チップセット内蔵グラフィックと
1.8" HDD の遅さに足を引っ張られ、ThinkPad X24 と比べると CPU の内部演算以外は
遅いなぁという感覚が先に立つ。その昔、i286マシンの CPU を Cyrix や AMD の
486 互換 CPU に換装したときの動作のような、そんな感じを受ける。

つまり、周辺をきっちり強化していかなければ、CPU の高速化はコストに見合わない。
Athlon64 X2 のデスクトップを組み立てたときに感じたことと同じだ。
車のチューニングと同じことで、バランスが大事なのだ。

というわけで、Athlon64 X2 マシンの HDD を PATA から SATA に変更し、
ハードディスクの性能を可能な限り向上させたことは間違いではなかった。
っていうか本当に全然速度が変わってくるので、マジおすすめ>NCQ 有効な SATA


12/20

コミケまであと 10日になってしまった。原稿の進捗は「ぎりぎり完成?」レベルで推移。
このままペースを落とさずに走りきること。それだけが、完成に至れる唯一の道だ。
とにかく全力。いかなる逆境が訪れたとしても、全力で当たってこれを粉砕する。
後ろを振り返るな。周りに惑わされるな。自分の立てた計画を信じろ。



なお、デスクトップ PC の休止問題だが、S3 サスペンドはほとんど失敗しないので、
当分のあいだ S4 サスペンドは止めることにした。UPS を有効活用していこう。


12/24

あと 6日。わき目も振らずに原稿原稿。目が痛くてしょうがないが、耐えろ俺の目。

だが、痛いのは私だけでなく、PC も似たような状態らしい。長時間作業を続けていると
たまに、いきなりマウスポインタも含めて一切の動作が止まる現象が発生しはじめる。
電源容量不足の症状に似ているが・・・やっぱり、新しく追加した DDR2 がハズレなのか?

念のため、BIOS で DDR2 電圧を 1.90V、CL を 5 に設定してみる。たしか、elixir の
規格がそんな値だったような気がする。これで、問題が改善すればいいのだが。

そんな不安な環境ではありつつも、ほぼ原稿作成は完了状態となる。あとは、印刷する
PSD ファイルへと落とし込む作業が残っている。レンダリングを行いつつ、その間に
既刊の印刷を行う。ジャムることはなかったが、途中でトナーが尽きたので、交換。
以前は、リサイクルトナーの品質が結構悪く、印字結果にムラが出ることがあったが
今回のトナーは、リサイクルじゃないトナーとの有意差が見られない。品質がいい。



印刷完了までには時間がかかるので、その間に、カプチーノのタイヤをスタッドレスに
交換する。保管庫からタイヤを取り出し、ざっとチェック。ゴムの匂いはまだ消えておらず
明らかな硬化やひび割れなどは発生していない。豪雪地帯ではないので、まだ使えるだろう。
ただ、問題は溝の深さ。プラットフォームが表に出てくるまで、浅いところであと 1mm 程度。
浅いのは主に内側で、外側のほうの溝は 3mm ぐらいありそう。いやな偏磨耗をしている。
また、タイヤを装着しているホイールの錆が、これまた酷い。塗装の下のアルミ地金が
腐食し、塗装がべりべりとはがれてくる。シーズンオフに、錆び落としをするか・・・。
四輪に装着したら、空気圧を 170kPa に設定。2月頃に、夏タイヤは新品交換かなぁ。



印刷作業に戻る。既刊の印刷を終え、新刊のレンダリング結果を印刷データーに落とすが
高負荷時に突然死する症状は改善しない。試しに、BIOS で CL=6 にしてみるが、今度は
POST で引っかかって起動すらしなくなる。慌てて CMOS をクリアし、事なきを得る。
困ったなぁ・・・だが、CMOS クリアがいい方向に働いた(?)のか、それ以降は
不安定な症状は再現せず、安定する。CMOS に変な設定が残っていたのか?

ともかく、安定したということはいいことだ。安定しているうちに、全ての印刷データの
作成と、印刷を完了。引き続き、表紙/裏表紙の作成に移る。うー、ギリギリだわ。



まったく余談ながら、福井県と岐阜県を冠山トンネルで接続する R417 の工事が、
いつのまにかかなり進んでいたみたいだ。Mapfan.PLANNER で見ると、もうほとんど
峠の始まるところまでの道路は完成したようで、見知らぬトンネルが多数並んでいた。
岐阜県側は、冠山トンネル掘削ももう少しで開始という感じだろうか。楽しみだ。


12/28

・・・

ほぼ1日ずつで、表表紙・裏表紙・POP 絵を描き、必要な作業を全て完成させる。
あとは、荷造りと製本を残すのみ。荷造りは 29日の午前中、製本は 29日の 20時頃までに
完成させる。もう、本当の強行スケジュールであるが、ともかく今度こそ、目処はついた。
ここに至るまでいろんな形で支援をしてくれたタケル氏には、無限の感謝を贈りたい。

で、定時後に余裕があれば、今日は少しでも製本を進めておくつもりだったのだが
21時まで仕事をしたあと、会社の宴会(部門でのささやかな忘年会)があり、
3時までラーメン屋にて愚痴大会に巻き込まれる。あぁ、昨日までに
製本以外の作業を終わらせておいて、本当によかった・・・

タクシーで帰宅したら、即座に眠る。明日はそこそこの時間に起床して、荷造りだ。


12/29

さて、今日から年明けの 1/1 まで、いよいよコミケ 71 の本番が始まる。

気がついたら、もう自サークルでの参加も4回目に突入。いつの間にやら
盆と正月のデフォルト行動が、すっかりこっち系統に馴染んでしまった気配。
年を食ってからの病気は長患いするというけど、ほんとだねぇ(しみじみ)

そんな感慨にふけることもなく、10時頃には酒を残さずスッパリと目が覚める。
布団から飛び出した顔に、いつも以上の冷たさを感じる。なんとなく嫌な予感を
感じつつ、布団から這い出して綿入半纏を着込み、玄関から外に出る。

そこには、真っ白く輝く雲に覆われた空と、吹き降ろす小雪が織り成す
冬景色
があった。幸いにも、まだ小雪が路面に積もることこそなかったものの
冬の妖精は、近畿にもいよいよ冬本番が訪れてきたことを教えてくれた・・・

ってか、今日かよ。

帝都に向けて出発するのは、今日の夜。頼むよ、適当に止んでくれよ・・・

ある程度までまとめておいた荷物をクルマに詰め込み、何度も指差し点検したら
いよいよ、12時過ぎごろに自宅を出発。南方に位置する要塞・タケル邸に向かう。



軍資金調達のために銀行へ立ち寄ったあと、第二京阪を一気に南下して 13時半頃に
タケル邸に到着。竹田駅付近では小雪が舞っていたものの、タケル邸宅付近まで
南下すると、雪を示す兆候はない。北の空には青黒い雲が垂れ込めているが。

タケル邸前で、コンビニで調達した昼飯をぽりぽり食って待つ。しばらくすると、
買出しから戻ってきたタケル氏が到着。カプチーノを駐車場に放り込んで、荷物を
いったん要塞内に運び込む。これから、2名体制で製本作業を行うのだ。

印刷してきた原稿を入れたダンボールの箱を空ける。そこには、新刊 100冊および
既刊 50冊を作るために必要な資材、およそ 1,500枚の B4 用紙が鎮座している。
これを全部、数時間で折って重ねて製本しなければならない。あぁ、恐ろしい。

担当を決めたら、とりあえず折りに入る。工場勤めのパートのおばちゃんの
ように、軽く談笑しながら単純作業。作業はそれなりに捗り、次々とつみ上がって
いく原稿の山。だが、時間の進むほうが速い。20時を作業完了時刻と考えると、
ぎりぎり間に合うか間に合わないか、という状態。まぁ、ウチは3日目なので
最悪の場合、現地で製本を完了させるという手が無くはないのだが・・・

途中まで進んだところで、同行するにしやまさんから連絡あり。待ち合わせとなる
最寄り駅に到着されたらしい。作業をいったん中断し、タケル号にて駅へ向かう。
互いに目印を伝えていなかったのだが、ロータリー前で、鮮烈な赤色のケータイを
操作するにしやまさんを発見。直ちに捕獲。そのまま一直線に基地へと帰投し、
残った製本作業を手伝っていただくことになった。哀れなりにしやまさん。

この時点で、新刊については折りは大半が完了し、製本のための整列作業を進めて
いる状態。一方、既刊はほとんど手付かず。ということで、既刊の折り作業を
にしやま製本所に依頼。その間に、表表紙/裏表紙の印刷にかかる。



表紙/裏表紙はレーザープリンターでカラー印刷をするわけだが、そのためには
色キャリブレートが必要。レーザープリンターのエンジンは結構癖が強いようで、
モニターで色あわせしたデーターをそのまま印字すると、猛烈に黄色い絵になる。
まずは無加工の絵と、全体をマゼンタ側に振った絵の2枚を印刷し、全体の傾向を
確認。その結果、肌色の部分だけをマジックワンドで選択し、バリエーションで
マゼンダ側の一番弱い段階のものを1回か2回ほどかければ、いい感じになる
ということがわかった。ちなみに、全体に対してバリエーションをかけると、
かなり紫かぶりのきつい絵になる。特殊な補正がかかっているのか?>プリンタ

色を合わせたら、最終印刷開始。100枚の用紙をプリンターにセットしたら、
長官が内閣総理大臣承認印を押し、そしてプログラム・ドラーイブッ!!!!
・・・キーコ、キーコ、と印刷を開始するレーザプリンター君。がんがれ。



印刷を進める間に既刊の折りを進め、表紙/裏表紙の印刷が完了した部分から
少しずつ製本を進めていく。ホッチキスがたまにジャムる問題が発生する。
クソ、山と詰まれた本を前にして、弾が撃てない!おまえは M16 か!

17時過ぎには、既刊を含めた折りを完了。ひきつづき、にしやま工廠には既刊の
整列作業を依頼。タケル氏と2名体制で新刊の製本などの作業にあたる。
作業の残量からみれば、20時に完了できるかどうか、相変わらず微妙な線。
今回の作業は、確実に作業量の見積もりを間違えていた・・・

19時ごろに、正月対策用 DVD を引き渡すために、AZ-1 氏到着。ここでいったん
作業を休止。DVD を渡すついでに近傍の飯屋で夕飯を食い、その後、残った
製本作業を手伝っていただく。ここに至って、ついに4名体制へと戦線が拡大。
・・・みんな、本当にありがとう。キン肉マンでいうところの友情パワーが
この困難な状況を覆していく様を目の当たりにして、感動を禁じえない。



やがて、あさい部隊から出動開始の連絡が入る。21時前には、さらに別の1名が
駅で合流。おそらくそのタイミングが、製本作業完了のタイムリミットだ。さらに
勢いをつけて作業を進め、20時半に、既刊・新刊含めた全ての製本を完了。

ほんとうにほんとうにありがとう。この場を借りてお礼申し上げます。

>タケル氏、AZ-1氏、にしやまさん   また夏コミで(後略

準備を終えたら、全ての資材をダンボールに詰め、タケル号に積載。駅に移動して
石田さんを拾い、さらに最終合流点へと移動し、あさいさん&某草さんとも合流。
これで、全ての資材がそろい、全てのメンバーが揃った。長い戦いであった・・・



21時半頃に、AZ-1 氏に見送られて京都を出発。第二京阪から高速に乗り、いざ
本日の停泊地となる海老名 S.A. を目指す。だいたい、2時〜3時ごろに到着か。
凍結防止剤が撒かれて白く染まった路面を眺めているうち、眠気が襲ってくる。
準備が全て整ったということで、ついに緊張の糸が解けてしまったらしい・・・

眠りと覚醒の間を行ったり来たりしているうち、それどころではない状態へと
周囲は変わっていく。八日市付近まで近づいたところで、吹雪が吹き付けてくる。
周囲の暗闇は赤黒い雪で埋まり、路面は融雪剤じゃないもので白くなっていく。
運が悪ければ、あともう一押しの雪が降り、通行止めになってもおかしくない。
さらに、八日市でこの状況であれば、関が原はもっとひどい状態が予想され・・・

いろいろな悪い予想が脳裏を掠めるが、しかし運命の神様は我々に味方した。
近江八幡付近をピークとして、降雪はぐっと緩くなる。関が原付近まで来ると
道路周辺には雪が積もっているものの、降雪はほぼ無くなり、路面状態も通常の
状態へと戻ってきた。箱根方面での降雪は聞いていないので、これでとりあえず
一安心だ。。。名古屋付近でクルマの量が増えたものの、年末ならではの
渋滞には見舞われることもなく、比較的楽な感じで先へと進んでいく。

結局、上郷 S.A. と牧之原 S.A. で休憩を入れただけで、後は海老名 S.A. まで
一直線。運転は全てタケル氏が担当。たぶん、助手席でうつらうつらと居眠りする
私に替わるよりは・・・と判断されてのことだろう。力になれず申し訳ない。

結局、海老名 S.A. 到着は 2時半過ぎ。ここから6時まで、短い睡眠に入る。


12/30

何の脈絡もなく、まどろみから浮き上がる。捻った体を元に戻し、ポケットから
時計を取り出して時刻を確認。5時59分 。うむ、なんたるナイスタイミング。
あと1分を眠ってすごしてもしょうがないので、起きてしまうことにした。

車窓の外はまだ真っ暗だが、ついに出陣の時は来たり。眠気を振り払い、降車。
身を切るような寒さ・・・は無く、思ったよりも温暖な 12月末の空気が身を包む。
おおっ、なんだかとても過ごしやすそうな雰囲気だ。快適な一日になりそう。

暗闇の先に浮か不夜城・海老名 S.A. の商業施設へと向かい、いつものように
入荷したばかりのシンプルなおにぎりを購入。車内で食って栄養補給したら、
6時半に S.A. を出発。聖地・東京ビッグサイトの西駐車場を目指す。

夏のような、首都高を含めた高速道路の混雑は無し。黄色い朝日を反射して輝く
高層ビルが脇を流れ、やがて正面に、低く構えた太陽を背負った台場の景色が
ぱぁっと広がった・・・あぁ、帰ってきた、今年も無事に帰ってきた。感無量。



というわけで、今回は下道を迂回をする必要もなく、7時15分頃にアッサリ到着。
荷物を下ろして西館へ運び、チケットを渡して入場。ホッとする一瞬だなぁ。

これから製本を開始するあさいさんに追い出され(?)しもふり氏のスペースへ
向かう。氏はまだ到着していなかったので、電話連絡を一発入れておいてから
大量のチラシで溢れかえったスペースの片付けをやっておく。途中で尿意を催し
トイレに行くが、2日目のトイレは空いており、待ち行列なしで入場できた。

しもふり氏のスペースでやることがなくなったので、あさいさんのところに
出かけるが、こちらは相変わらず製本に全力投入中。何かできる余地はなく
已む無く引き返す。やがて、しもふり氏到着。氏は、ちゅるやさん(?)の
パペット人形を作って持参してきた。いや、これ実はちょっと欲しいかも。
でも、人形を作る時間があったら、本のページ数を増やそうよ?にょろーん。



そんなこんなで事前の準備時間は終わり、開幕。しもふり氏のスペースの中で
ゆっくりと立ったり座ったりしている余地がない(2日目スペースの背後は狭い)
ので、早々に脱出して周囲を散策。あさいさんのスペースも同じような状態で
余裕がないので、壁にある Glee 氏のスペースを訪問。幸雄さんが遠征中の
売り子手伝いを買って出る。200部オーダーを販売するサークルを体験。

さて、そんなサークルがどんな感じかというと、訪れる人が居ない時間が3分と
続かないという状態。また、来られた方の7〜8割は購入して行かれる。なかなか
撃墜率が高いわけだが、本のクオリティの高さを見ればそれも頷けるというもの。
回転が速いために行列ができるには至らないが、やることがない時間は少ない。

誰も訪問者が居ない時間帯は、お隣さんの廃墟系有名なサークルさんの行列の中に
紛れ込まないようにするため、声を出して呼び込み(?)。緩衝材にならないよう
声を張り上げてガンバルルゥ。その甲斐があったかどうかはわからないが、
12時過ぎには 90部ほどを売り上げる。おお、さすがに壁は速いなぁ。。。

ちなみに、Glee氏の本であるが、写真集に近かった第1部・第2部と比べると
圧倒的に文字数が増え、非常に「読める」本になっていた。投げかけられている
質問はとても興味深いもので、より万人向けな本になったと言えるだろう。掲載
されている写真の多くは正面から建物を捉えたもので、近代建築が備える独特の
威厳をもっとも強く伝えるものになっている。逆に言うと単調さはあるのだが、
主題に沿った写真だから、その点は特に気にならない。また、写真のうちの1つで
思わず息をのむほどに艶かしいものがあった。黒く沈んだ構造物の中に、鋭く
白い光線が差し込んでいる。レンブラントの絵のような重さ。これはエグい。
プロっぽく狙った感じはあるものの、主題からすればこれも正しいだろう。

さて、Glee氏はいったい、次にどんな題材から何を掘り出してくるのだろう。



昼を過ぎて、タケル氏がやってきた。2時間たちんぼで足にダメージを食ったので
交代。運動で末梢の血液を戻すため、事前準備したリスト片手に、西館へ買い物に
出かける。だが、メモの場所には違う名前のサークルが。おかしいなぁと思って
カタログでチェックをやり直すと、日にちを間違えていたことが判明(汗)。
しかも、その日は1日目だった。くそう。なんだかとってもガッカリだ。

意気消沈すると眠気が襲ってきた(?)眠れる場所が見当たらなかったので、
誘われるように Glee 氏のスペースへ勝手に入り、奥で居眠り(ごめんなさい)

1時間ほどで目が覚めて多少は復活したので、あさいさんのところに行ったり
しもふり氏のところに行ったりしてみるものの、どこに行っても居場所が無い
(座席が埋まっている)。しょうがないので、ぶらぶらと会場内を歩いて回る。

15時頃ににしやまさんと落ち合い、企業スペースへと移動。そういえばアレだ、
企業スペースって行ったことがなかったなぁ(マジ)。ちょっと欲しい気味だった
Fate/Zero はやっぱり売り切れていたが、跡地(?)の展示が異様にカッコいい。
まるで、空港の免税店スペースに入っている一流ブランドの販売店みたいな感じ。
もっとも、TYPE-MOON といえばこの業界では一流ブランドなんだけどね。うむ。
その後、ヴィネットちゃんを購入し、無限のヲタクで充満する企業スペースを
後にする。いや、すごい。なんなんだろう、この地に満ち溢れるパワーは。



16時が訪れる。撤収開始。荷物を片付け、薄暗くなった駐車場で佇むタケル号の
元へと戻る。荷物をがっさがっさと押し込み、出発。2日目の駐車場出口には
混雑もなく、勝どき橋を抜ける例のルートで埋立地を素早く脱出する。築地付近は
さすがに混雑していたが、さほどの遅延はなく、17時半ごろに宿へと到着。
宿の横の駐車場は満杯になっていたので、近くのパーキングに駐車。

そこからいつものように、パセラにてカラオケ宴会。いあ〜、よく酔いました。

適当な時間に戻り、後始末をしてから眠りにつく。明日はいよいよ、私の本番だ。
さぁ、どのぐらい売れてくれるかなぁ・・・期待を不安を抱きつつ、寝る。


12/31

7時に設定した2つの目覚ましが鳴動する1分前に、まどろみから浮かぶ。

深層ではやる気マンマンだなぁ俺。時計の表示が 6時59分を示している間に
すかさず目覚ましを停止し、布団から跳ね起きる。さぁ、戦いの準備だ。

昨晩に洗って干した洗濯物を取り込む。当然のように、まったく乾いていない。
ファブリーズを軽く吹いてからビニール袋に放り込み、ギュッと丸めて鞄の底へ。
その他、とりあえず干すだけ干しておいた服なども、同じように丸めて詰め込む。
さんざん出張で引っ張りまわされたお陰で、このへんの作業は定型化できている。
しかし、学生のころは本当に出不精だったよな俺。学校に行くのすら面倒くさかった。
今で言う『ひきこもり』に少し近かったか。いろんな人の支援や仕事での強制力を
経て、気がつけばフットワークの軽い人間へと更正できた。人間、努力すれば
自分自身すら変えることができるもんだ。諦めたら、そこで終了だよ?

髭を剃り、渋滞をチェックし、メールをチェックする。また、別行動を取っている
にしやまさんの状況を確認。諸般の事情で宿が別になっているにしやまさんには、
今回、サークルスペースディスプレイ・コーディネーターとして・・・日本語で言うと
売り子役として、男坩堝の中で阿鼻叫喚地獄に付き合って頂くことになっている。

というわけで、7時40分に秋葉原駅付近で待ち合わせし、その後の行動を共にする
ことになっているわけだが、随時ケータイへ入るメールによれば、軽微な問題が
発生中。移動の足(電車)にトラブルが起きているらしく、15分ほど延着される
とのこと。コミケ3日目というヲタクにとって最重要な日に、電車が ToLOVE った
だと? JR め、なにか MR なネタを仕込もうとしているのではあるまいな。

・・・なんてことを色々考えながら準備をしていると、時計の針は真下に下がる。
おっといけない。荷物を一揃い抱えてロビーに降り、チェックアウト。既に万全な
状態で待機していたタケル氏と合流し、ホテルの近くにあるパーキングへと移動。
このパーキング、別にホテルと深い関係があるわけではない。ただの時間貸し。
夜間(22:00〜8:00)はお安い価格が設定されているものの、青天井である。
はたして幾らになったものかと恐る恐る出庫するが、\5k でなんとか収まる。
5〜6人の頭割りになるから良かったようなものの、一人だったら悶絶死だな。



戦士が眠るホテルを後に、ガレージを出たタケル号は御茶ノ水の坂道を下る。

・・・さわやかな朝の電車の音が、静まり切った秋葉原界隈にこだまする。
聖地のお庭に集うヲタク達が、今日も徹夜明けのような疲れきった表情で、
背の高い都内のホテルからぞろぞろと這い出てくる。世間体を気にしない心身を
包むのは、よく似た色のユニクロ。コンビニのコピー機はジャムらせないよう、
白いコピーミスの紙は挟んで製本しないよう、ゆっくり作業するのが
コピ本を販売するサークルのたしなみ。


というのは、朝食を購入するために駆け込んだ秋葉原付近のコンビニで見かけた
光景から連想したもの。っていうか、この時間でまだコピーしてますか、ソコの勇者様。
果たして、あのコピー本は間に合うのか。遠巻きにドキドキしながら見てしまう。



秋葉原ガード下付近の集合場所に到着し、朝食を腹に収めてしばらく待つと
当初予定のほぼ 15分遅れで到着したにしやまさん。タケル号の中に格納したら
すぐさま出発し、勝どき橋ルートを聖地に向かってひた走る。到着予定は8時すぎ。
こんな時間帯、かつ大晦日であれば、さすがの都心も渋滞などしようはずもない。
欲望の炎を具現化するようにぎらぎらと赤く輝く朝日に向かって走り、15分に到着。

交差点には何の右左折制限もなく、当然ながら駐車場渋滞もなく。ただ、
この時間でも少し遅かったようで、広い北駐車場のほとんどが満杯状態。
結局、東側に広がる駐車場の奥地の端のほうを指示される。ここからだと、
かなり長い距離を歩いて駐車場を横断しなければならない。面倒くさいなぁ。

とりあえず降車し、タケル台車に荷物を山と積み上げる。本当に山積み状態であり
10m も安定して進めるかおぼつかない。一計を案じ、あさい台車から荷物固定用の
ゴムロープを拝借。これでガチガチに固定させてもらう。実に有効な戦術だった。
この先数百m と続く自スペースへの長い旅の間、いくつもの段差を突破しても
荷物がまったく揺るぐこともなく、台車は安定した走行を披露してくれた。



ひどく混雑する歩道を通り、東館 1F のサークル入場スペースから台車を搬入。
とっくに人混みが形成されて雑然としている東館通路の中を、見ず知らずの
メイドさんのコスをしたおねえさんの後ろに付き従う形でしずしずと進む。
これじゃまるでメイドさんの指示に従う下男みたいじゃねぇか俺。

東館をまっすぐ突っ切る形で、東3の島中にあるスペースへと到着。
今回のスペースは、通路から1つ離れた島中の角番の、本当に角っこだった。
ぶっちゃけ一等地であり、身に余る光栄な配置であったりするわけなのだが
嬉しさ半分苦しさ半分。なぜかというと、背後は島中と通路をつなぐ小路で
荷物置き場がまるで無いという点。持参した荷物は机の下に押し込むとして
どこに売り子と手伝い役が立って、どこに新刊の入った箱を置くかが悩ましい。

その他にも、展示スペースの準備とか見本誌票の準備とか、開場までにやることは
山のようにあるわけで、3名フル稼働状態で設営に入る。展示スペースの配置は
プロフェッショナルのにしやまさんとタケル氏に依頼し、事務処理を先に済ます。
狭い空間の中で3名が必死の奮闘。外で行列をしている一般入場者も大変と思うが
開場準備に追われるサークルもそれなりに大変なのが、開場前のこの時間。
1つ横の通路を埋め尽くす開場前行列の太い帯を横目に、作業に励む。

荷物の山に埋もれながらも(もうちょっと荷物を整理せんといかんなぁ(汗))
なんとか設営の目処がついたのが、9時30分頃。先ほど食った朝食に対応する
体積の質量を体内から押し出すためのトイレ行列で少し時間を費やしたものの、
ぎりぎり、10時までには設営を完了。さて、いったいどうなることか・・・



そして、10時。開幕を告げる放送と共に、拍手が浅く鳴り響く。それをきっかけに
エンジンを始動したかのように騒音が上がり、止まっていた世界が動き出す。
制圧に入るスタッフの怒号も、島中に張り巡らされた狭い通路までは届かない。
欲望の走狗共が無尽に駆け巡り、太い通路を埋めたファランクスは進軍を始める。
いつものことながら、ここはまったくもって戦場。普通にコミケを楽しめ、普通にな。

そんな感じで火蓋が切られたわけだが、さすがに最初の 15分程度は誰も来ず、
殺伐としはじめた外周付近の人の流れを遠くから見る程度しか、やることがない。
お隣さんには固定客と思しき人がぽつぽつと来はじめたものの、ウチはまだ
何のイベントも起こらない。通路を挟んだ向かい側も、まだ静かな状態だ。
ハルヒジャンルは、歴史の裂け目に打ち込まれた楔とならぬのか。

だが、私の読みは甘かった。15分を経過し、外周からパラパラと人が剥がれ始めた
ころから遂に爆発が始まる。高高度から垂直降下爆撃を敢行する Ju87シュツーカを
陣地の切れ目から眺め上げるかの如く光景だ。真夏の夕方に俄か積乱雲が立ち昇り
恵みの豪雨が降りだすかのように来訪者が出始めたかと思うと、そこからはもう
加速的な勢いで、新刊を主軸としてハルヒ本が売れ始める。

開始後およそ 30分ほどが経過した時点で、まずは 20部ほどが出る。C70 の記憶を
辿れば決してこれは特別な状態ではない、と思って気持ちを引き締めなおしたものの、
しかしその後も、カムに乗ったエンジンのように好調に回り続け、およそ1時間後には
50部へと到達。C70 では 12時過ぎの時点で 50部だったから、ほぼ倍速進行。

さすがに行列まではできないものの、スペースの前には、手に取った直後
迷い無く購入してくれる方と、中身をよくチェックしてから購入してくれる方が
数名入り混じり、フォワード2名とバックアップ1名がフル稼働で捌かねば
間に合わなくなるという、嬉しい悲鳴が上がる瞬間すら現れる。

ここで特筆しておくべきは、販売職で鍛え抜かれたにしやまさんの手際だった。
開発・研究職のみを経験し、まるで販売の前線に立つことのなかった私にとっては
まったく知らぬ様々な秘策が目の前に現れる。代金の受け取りと商品の受け渡し、
ただその1つに限っても、いろいろなノウハウが無数にあることがわかる。
自分の知らないドメインの知識に刺激を受けることは、とても楽しい。



その後、小さなミスを交えつつも、これまででは考えられない勢いで販売が続き、
11時50分には、用意した 100冊を入れておいた箱が空っぽ・・・つまり、

完売

と、なってしまった。う、うそ!?もう100部掃けてしまった!?これまでの参戦での
ぐずついた売れ行きからは到底考えられないほどのハイペースで、目標数値を
あっけなく達成する。あまりにも呆気なすぎて、まったく実感が沸かない。
そのぐらい、ピコ手にとって 100部というのは遠大な目標だったのだ。

だが、売り上げメモに20個並んだ「正」の字は、搬入箱の中に空いた大きな空間と
ともに、完売したことが嘘ではないことを示していた。マジか・・・言葉を失う。
あらゆる状況が味方をしてくれた結果であることには違いない。こうやって
人を楽しませて自分も楽しむ経験を与えてくれた全てに、ただただ感謝。

これまで全く作る必要の無かった完売札を、とりあえず作成。だが、その方針で
にしやまさんとまったく意見がズレる。これも自分の知らない世界。勉強になる。



・・・という感じで、夢現の中から抜け出す間もない勢いで慌しく状況が進行して
しまったため、せっかく来訪していただいた方とゆっくり話をする時間もなく、
当然ながらスケブを頼まれることもなく。と思っていたのだが、完売と同時に
スケブ依頼が。おおっ今なら脂が乗り切ってますからねぇ〜なんでもどうぞっ、
と思ったのだが、時間が短い。30分で仕上げてくれよダンナ、と来たもんだ。
だがしかし、ここは地獄の一丁目、漢と漢が織り成す欲望の激戦区。背中を向ける
ことは死を意味する(意味不明)。その勝負、受けて立とう。スケブを片手に考えるが
死臭漂う戦場の中ではピンと閃く魂の煌きが出てこない。スペースを少し離れ
外周脇で新鮮な空気を吸える場所まで移動し、静かに座り込んで放心。



・・・いやー、もう、なんか、終わったって感じが早くもしてきましたよー。
6get ぐらいをつましく狙っていたら 2get しちゃったって感じ。くっくっくっくっ。




放心したら、心の隙間に発想の神が下りてきた。思うがままにエルルゥを書く。
「また来てくれないと、刺しますよ?」のコメントを付ける。おいおいここは
ハルヒジャンルだろう?という突っ込みもなんのその。俺は雲のジュウザ。

戦いを終えて満足したら、迷うことなく自スペースへ直線的に舞い戻る。
そして、ずっと休まずに手伝ってくれているにしやまさんとタケル氏に、心の中で
最大級の礼を述べる。私は、どういう形で彼らに報いることができるだろうか。



というわけで、あとは既刊と委託分の販売。14時ぐらいまではいくらか売れるが
15時を過ぎると、訪問者の流れも販売の流れも、ほぼ完全に停止状態になる。
念のために 50部ほど製本してきた夏の既刊は、ほぼ半分程度が出たところで
流れが止まる。これの意味するところは色々あろうが、まだマシなほうだ。
もっと前の Fate 本などは、根が生えたかのように出ていかない(涙)

もっとも、そのお陰で、時間的な余裕がけっこうできる。来訪してくれた
m氏や親分氏、そして戦いを終えて一段落したあさいさん・某草さん・しもふり隊長と
他愛ない会話を交わす余裕もできはじめる。薔薇の館で会話を楽しむ薔薇様が
過ごしていらっしゃるような、とても優雅な時間が流れていく(ホントか?)



その時間帯に起きたイベント(?)はいくつかあったのだが、まず1つは、
HP を見てくださっているというコメントとともに差し入れを頂いたこと。うれしいねぇ。
一日 5000カウントとか 10000カウントとか回ってても、訪問いただく方々との間で
交流が発生するということは、あんまりない。だから、ネット上だけでなく、
こういった形でリアルにアクションを頂くことは、ホントにうれしいことだ。

もう1つは、UHF団関係でご紹介をいただくことがあるフラン☆skin さんに
ご来訪を頂いたこと。これもまたリアルな交流は嬉しいものだ。また、亜呂さんを
介して間接的な知り合いであったことにも驚く。亜呂さん、交流範囲が広いなぁ。
最近はまったくお会いしていないのだけれど、元気にされているのだろうか。
フラン☆skin さんからは、うたわれらじおではお馴染みの「ごっくん馬路村」を
頂く。飲んだことがなかったので興味津々だったのだが、普通に旨い。かなーり
柚子の強い味。自称柑橘系に弱い(でも力也さんには強い)柚木さんにはキツい?

最後の1つは、「ゴルカム」を買えなかったこと。昼過ぎに空いた時間を見て
メモしておいたスペースをいくつか回ってみたのだが、いずれも完売になっていて
入手叶わなかった。特に、「ゴルカム」については絶対に欲しいと思っていた
ので、落胆も大きい。まさか買い逃すなんて、くっ、くやしい・・・っ!ビクビクッ
GOLGO31 さんの尊顔を拝して退去。書店に出ないかなぁ(注:出るっぽいです)



そんなこんなで15時を過ぎ、16時が近づく。周囲には、既に撤収を終えた空き
スペースが目立ち始める。スペースを訪れる方も滅多に無く、もう店を畳んでも
なんらの問題もなさそうな状態になってきたものの、我慢して最後まで粘る。

最後まで粘った理由は2つ。これまで、16時ぎりぎりに駆け込みで本を買ったり
見ていってくださった方が必ずおられたということと、もう1つは・・・



遠くに見える壁際のデジタル時計が 15:59 を表示したとき、館内放送が入る。
それは、2006年に志半ばで急逝された、コミケの育ての親・故米澤嘉博代表へ
追悼の意を込めた黙祷を捧げることをアナウンスする、一人の女性の声だった。

つまり、米澤さんへの敬意を、最後まで店を開いたままで送りたかったのだった。

放送が入ってしばらくの間は、会場は相変わらずの高らかな雑音に包まれていたが
いざ 「――黙祷。」 の声と共に放送の音声が一旦切られると、それ以上の何の指示も
無かったというのに、会場を包んでいたざわめきは次第に沈静化し、波が引いてくように
静寂が訪れる。そんな中で鳴り響くハルヒの着メロ。ご愛嬌と思ってください、米澤さん。

黙祷が終わると、再び雑音が周囲を包む。雑音はまもなく拍手へと変わり、
ボクの、そして会場に居る全員の、2006年の挑戦は終わった――



16時。撤収を開始。集結していたメンバーで手際よく荷物をまとめ、駐車場へと
脱出開始。馴れた手つきで高速に台車を移動させる某草さんのパワーも相まって
閉幕まで粘っていたサークルとしては迅速に駐車場からの脱出を開始するものの
北駐車場の出口から奥まで並んだ車の行列が、まるで動かない。これが噂に聞く
駐車場渋滞という奴なのか。。。どのぐらい動かないかというと、



これが、



こうなって、



こうなってもまだ動かないぐらい、動かない(涙)

結局、駐車場を出るまでたっぷり1時間かかる。2006年最後の日没が終わった後、
周囲からは陽光の優しさがすっかり失われ、青黒い闇がまたも世界を支配した。
我々は、急ぎ 2007年を迎えるための行動に移らなければならない。

北駐車場を西口から出て南に下り、東に折れる。このまま進むと東雲方面だが、
そこに至るまでもなく、交差点が新設されていた。これは何か、と考えるまでもない。
ここを左折して北上すれば、勝どき橋ルートへとまっすぐ繋がるわけだ。当然、
ドライバーのタケル氏はこのルートを選択し・・・その先で、私は眠りに落ちる。



・・・意識が戻った時には、上野付近に確保された宿近くに到達していた。
ナビの画面を見ながら慎重に裏道を抜け、宿に到着。とり急ぎ、すぐ横にあった
コインパーキングにクルマを止めてチェックインし、宿に荷物を置いて再出発。
なにしろこの駐車場、200円/15分でかつ夜間料金も天井設定も無し、という
足元を見まくった恐るべき設定であった。こんなところに12時間も止めたら、
それだけで 9,600円。財布の中身が干上がってしまう。当然だが、そんなところで
燻っている俺たちじゃあない。関西人パワーをフルに発揮したあさい将軍の
指導の下、もっと安く駐車可能な別の場所に移動させることになった。

いくつかの駐車場を当たってみた結果、上野駅付近では芳しい物件がないものの
御徒町駅より南に 1km ほど下ったあたりに、夜間で 100円/60分のパーキングが
あることが判明。あさい将軍の調査によればそこが空いているらしいということで
急行してみると、情報どおりに大変安く、かつ 1800円で天井という素晴らしい
価格のパーキングであることがわかった。関西人の名に恥じぬ成果を得る。

なお、住宅地の中にある小ぢんまりしたこのパーキングで、隣に止まっていたのは
大阪ナンバーの MOBILIO。やっぱり、関西人は足で稼ぐものだ。東方でも不敗。



駐車場からホテルまで、歩いて 20分もかからない。すばやくホテルまで戻り、
近くの飲み屋で打ち上げ(?)いろいろなウダ話で 23時45分まで粘ってから
ホテルに戻り、近傍のコンビニで買い込んだビールを空けながら 0:00 を迎える。

来るところまで来てしまったなぁーという感慨。

まさか、同人誌を読んで新年を迎えるようなことになるたぁ思ってなかったよ。

その後、深夜の新春特番を見たり、某草さんの買われた同人誌を拝見したりしつつ
2時過ぎまでウダ話をしていると、さすがに全員に睡魔が訪れる。消灯。

どうか最後は、幸せな夢を・・・



その後、明かりの消えた部屋の中で、布団に包まりながらノート PC のキーを叩き
日記ネタのメモをしている最中、新年最初の事件(?)が発生した。

突然、NOD32 が "Win32/TrojanDropper.Agent.Ndn が、system volume の
windows\system32\wextract.exe に感染している"
というレポートを
吐いたのだ。どう見てもトロイの木馬です。本当にありが(後略

マジで、背筋が凍る。

おかしい・・・いつ感染したんだ?少なくとも、昨晩にマシンを起動して
ホテルのネットワークに接続したときには、この警告は出てこなかった。って
ことは、あのネットワークで木馬を拾ったというのか?だが、接続する直前に
Windows のファイヤーウォールは最大かつ例外なしに設定したし、その後も
常に状態を監視しているはずの Windows Defender は何らの警告も出していない。

とり急ぎ、Windows Defender と NOD32 に対して、フルスキャンの実施を指示。
固唾を呑んで状況を見守るが、他に c:\i386\wextract.exe がひっかかった程度で
それ以上に延焼が広がっている気配はない。また、スキャンで木馬を検知したのは
あくまで NOD32 でり、Windows Defender は相変わらず何の問題も検知しない。
・・・おかしいなぁ。ちょっと考えづらい状態だ。スキャンには長い時間が
かかるので、そのままノート PC の蓋を閉じ、眠りにつく。